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ワーママ女医、持たざるものは自分の意志で取捨選択せよ

40代の女医なつ🌱です。
こんにちは。

最近大学医局での働き方がXで議論されたりするのをよく見かけます。
医局長として発言している女性の先生が
「医局ネキ」なんて呼ばれ方をしてましたね。

聡明で優しい先生だとお見受けしたので、尊敬も込めてのあだ名だと思いますが。

いつの時代も医局での働き方は一般企業からしたら特殊なので議論の的ですよね。
問題があるからこそ議論されるべき
ではあると思います。

今回はママ女医の医局の働き方で
昔感じたことを書いてみます。


ロールモデル女医の講義


大学で選考医として勤務している時に、女医復職支援委員会(正式名称忘れました)の院内講習があるから女医はできるだけ全員集まるようにと、御触れがありました。

行くと、委員長の先生が司会をされて、
「女医復職支援制度の概要」と
「妊娠出産を経た女医の働き方の例」として
お二人の先生の話がありました。

いついつ妊娠出産して、何人子供がいて、いつ復帰して、どんな資格をとって、論文を書いて、いま院内でこのような素晴らしい仕事してます、、的なお話。

講習の後、同期の女医で仕事に戻りながら話しましたが率直な感想は

「〇〇先生は良い旦那さんを持ったんですね」
「△△先生は健康で良いお母さんがいるんですね」


それだけでした。

この時の感想は悪口を書いただけの記事と
内容は似てますね。


その後もハードワークの職場で働く女医を見ると

夫が医療職ではない
在宅ワーク可能である
夫がマイナー科であり、残業が少ない
夫が開業医
(自営業だから子供の帰る居場所がある)
夫が専業主夫になった
実母義母が家事育児を負担してくれる
二世帯住宅
(子供のお迎え、帰った後見てもらえる)

ママ女医格差.com

みな何か「持っている」女医でした。

講習後の質問

女医復職支援の講習後に
女医の友人が女医復職支援委員会長の先生(女医)に個人的に質問したそうです。

夫(非医師)が病気になり休職療養のため
現在私が家計を支えています。
今後妊娠も考えていますが大学常勤の給与(当時彼女は大学給与手取り17万)だと正直産休育休の手当が少なく(手当予想は月10万以下く)非常勤勤務がないとその間家族が暮らしていけません。
出産後も大学での勤務、医療を続けていきたいですが、金銭面で不安を感じています。
どうしたら良いでしょうか?

いろんな女医の人生がある.com

復職支援の答えるべき女医の先生は想定外の質問だったようで、
「家族の助け(金銭援助、家事育児支援)」を借りるかまたは貯蓄でどうにかしましょう、、、」と言葉を濁すのみでした。

彼女には助けてくれる家族なんていません。
いたら質問していないでしょう。

立場的に「一旦大学病院勤務は諦めて」
「医局内で非常勤を優遇してもらって。」
と言えないのでしょう。

(親身になるなら言うべきだと思うのですがね、、、)
(そして後から分かった事実、委員長は妊娠出産したことのない独身の女医さんでした、、、おーい、、、)

昔の大学の女医復職支援は、、、

そう、現在はわかりませんがその頃の
大学の女医復職支援なんて付け焼き刃で

何も考えず従来の働き方のルールを変えることなく、
女性社会進出という世間一般の時代の流れを
医者の世界にに適当に合わせよう
としただけ。

とにかく年齢がある程度上の
大学にいる女医さんを捕まえて、
委員に任命して「適当な人形」にして

大学に残ってもらいたい若い人材に向けて
「あなたもできるよ」と人形に言わせて

刷り込ませていただけです。

共働き夫婦の家事育児に協力できる
「良い親」「良い配偶者」「良い環境」など
「持たない女医」には現実的ではない話。

上記の友人だったり、
何の支援もない「激務の外科医同士夫婦」の
妻がこの講習会に登壇できる訳もない。
だって彼らの現実は惨状だから。

このとき友人と話し合った結果
大学の女医復職支援は
耳障りの良い話ばかり並べている
「うさんくさい保険屋」
と同じような組織と理解しました。

(若い時から斜に構えて性格悪い女医なんですよ。すみません。)


持たざる者は、、、


理解のある余裕のある夫も家族もいない
「持たざるママ女医」で
バリバリ働いている方もいます。

最初はすごいなあと思って尊敬していましたが、生活の実情を聞くと羨ましいものではありませんでした。
(医学における尊敬は変わりありません。)

子供が小さい頃から今まで7-18時頃まで働き、当直も残業もする、帰れる日はお迎えに行ってとにかく一生懸命家事育児して寝かせる。
当直日は夫が帰るまで、シッターやお手伝いさんを雇用して頼む。
どちらにせよ夫婦とも親がお子さんと話す時間はあまりないようでした。

読んでるだけで辛い.com

私が話を聞いた時、もうその女医さんのお子さんは高校生と大学生でした。

「あまり子供と話してこなかったから何を考えているか親なのによくわからない、背中を見てくれたと信じるしかない。ひとりは就職先も決まったけど、ひとりは不登校で引きこもりがちで将来が心配。子育て失敗しかな、、、。」

と苦笑いで言っていました。

そして、

「私の時代(その先生が子供を産んだのは1990年代)は、そうするしかなかった。子供のために休んだり早く帰ろうものなら、医局の男性の医師たちに、嫌悪の目で見られて陰口は当たり前、怒鳴られたりもしていた。だから負けないようにやってきたけど、この生活が良かったとは思わないし、できるなら子供ともっと一緒に過ごしたかったしその方が良かったと思う。」と。

私は胸がぎゅっとしました。

持たざる者は取捨選択をするしかない。

今でも大学で話されるような
「ママ女医としてのロールモデル」は
「持つもの」の基準で話されていることが多いです。

「持たざる者」に「持つ者」のアドバイスは
意味がありません。

私も持たざる者です。
「家事育児を手伝ってくれる親」も「家事育児を半分に分担できる夫」も持っていません。

持っているのは「罪悪感のある夫の労い」くらいです。(ありがとう)

何の支えもない大学病院勤務医は、基本在宅ワークもできないし定時まで働いて帰ったら家事に追われて、ろくに子供と話したりする時間や心の余裕もありません。

医者として大学で最先端の医療に関わり続けるのも魅力ではありますが、その引き換えとして、シッターを雇って家に入れたり、これからもずっと家族との時間を差し出すのは私個人は嫌です。

持っていない事実が変えられないくせに
あれもやりたいこれもやりたい、これは嫌だ妥協したくないと言っても、

それはただの状況把握できていない文句を言ってるだけの馬鹿で
全てを求めても手に入るわけありません。

人はその時
持っているカードで勝負するしかありません。

自分が自分であるために
大切であるもの、やりたいことに優先順位をつけて取捨選択するしかないのです。

「取捨選択」の「選択項目」は個人の自由

私は「持たざる女医」なんて
ハードワークの職場は無理。
ワーママ女医は医局辞めろ、常勤やめろ

と言ってるわけではありません。

優先順位をつけて
自分の中で納得することがが大事
だと思っています。

「持たざる」状態を「持つ」状態に変えるのもありだと思います。
(親は変えられないので変えるなら夫の勤務状況ですね)

「持たざる」状態を変えられないのであれば、そして
「持たざる」状態で仕事と育児のバランスが自分の中で理想のバランスが取れないのであれば、何か捨てるしかないと思います。

それは自分のキャリアなのか、配偶者のキャリアなのか、小さい間の子供との時間なのか、
それとも自分の体力を信じて自分の健康をかけて無理をしてみるのか、

それは個人とその各家庭の自由です。

おわりに

ワーママ女医、持たざる者の取捨選択の話でした。

私は未来の自分が
その選択を自分でした、と納得したいです。
自分で考えて取った選択ならその結果がどうあれ納得できるでしょう。

誰かに決められてそうするしかなかった、
他責思考の後悔がないことが大事だと思っています。

皆さんはどうでしょうか?

持たざる皆様、応援しています。
それではまた。


以前こんな「ロールモデル女医なんていないよ〜」と喚いてる記事も書いてましたね。
よければどうぞ。



今日の紹介は
家事も取捨選択しようと言うことで、

少し古いですが
私がワーママで時間がなさすぎて
苦しんでいた時に読んでいた本たち
です。
時間がないワーママがいかに時間を有効活用するか
と言う本が多いです。

まずは、勝間和代さん。
ロジカルです。
何でも料理は塩分0.6%-0.8%で作るようになりました。

家事もロジカルに。
食洗機も洗濯乾燥機も購入しました。
ホットクックもヘルシオも。

あとvoicyという音声メディアで有名なワーママ尾石はるさん。noteでも有名ですね。

それでは!

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