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ナショジオ観た記録〜9.11 ONE DAY IN AMERICA〜

番組を観て5分後にこのnoteを開いた。
今見たことを、今の感情のまま記録しておこうと思う。

National Geographic「9/11 One Day in America」

2001年9月11日
世界トップの国・アメリカが脅威にさらされた日、その原因や要因は様々あるとして、この日アメリカ・ニューヨークに起こった事実は間違いなく人々の世界観や価値観を変えたと思う。

わたしは1998年までウエストヴァージニア州の高校に通い、日本に帰国後、大阪の外国語大学に通っていた時期だった。
大阪の山奥・箕面のキャンパスには、日本人以外にもたくさんの国の学生がいたし、いろんな言語が飛び交う環境で過ごしていた。

そんななかで、何気なく夜テレビをつけていたら、いきなり報道フロアからのニュースに切り替わった。

「ニューヨークのワールドトレードセンターに航空機がぶつかった模様」

その単語同士がひとつに繋がらず、頭の中の処理が追いつかず、非現実的な感覚に襲われた。

それから何度も繰り返されるニューヨークの中継映像と、わかる範囲での情報を必死に伝えようとしているアナウンサー。

その日からしばらく、わたしの中にはずっと衝突の瞬間の映像が残った。
そして中継映像をつけたまま、眠れなかった。

最初は事故だと思っていた旅客機の衝突が、2機目がもうひとつのビルに突っ込んだこと。ペンタゴンにも衝突したことで、明らかに異様な雰囲気を醸し出してきた。

朝方には、わたしがいたウエストヴァージニア州の街から近いペンジルベニア州ピッツバーグにユナイテッド航空93便が墜落したことを知り、急いで現地の家族へ連絡をとったりもした。
わたしのママは地元の消防士をしていたので、現地に駆り出されていないかも心配になった。

世界は広い。
生きているあいだに全ての国に行くことはほぼ難しいけど、少しでもその国の人と関わったり、旅行で数日滞在したり、些細なことでもその土地での思い出ができれば、その国で起こったことはもう他人事ではなくなってしまう。

わたしはこの9月11日テロに強烈なインパクトを受け、事件関連の動画や記事を細かくチェックするようになった。
翌年には実際にニューヨークへ向かったが、現地ではまたテロが起こるかもしれないという脅威に晒されて、ハイウェイや地下鉄が規制されたりと物々しい雰囲気だった。

そしてその年、事件から1年後の2002年9月11日に放送された「その時カメラはビルの中にいた」という報道特別番組。
北野武さんとアナウンサーがNYから中継しながらある映像を紹介していた。
(番組は録画していてNYから帰国後に見た。DVD保存している)

それはあるフランス人兄弟カメラマンが、ニューヨーク市消防署に勤める新人消防士に密着するというもの。

まだやんちゃな面影が残る若い男性が、先輩消防士たちに見守られながら、日々成長していく様子を追っていた。
その最中の9月11日、朝からブルックリン地区のガス漏れの現場で点検をしていた消防士たちの頭上を、大きな旅客機が通り過ぎていく。

あまりにも大きな轟音に消防士たちが音のする方向を見上げたその瞬間、
旅客機はまっすぐにワールドトレードセンターに突っ込んだのだ。
この映像は報道番組で何度も繰り返し流されたので、世界一有名で、世界で唯一の一機目の攻撃の瞬間映像となった。

そこから消防士たちはワールドトレードセンターへ向かう。
フランス人兄弟のカメラマンも同行する。
そして新人消防士の男性は備品を持ってくるよう先輩に言われ、消防署へ戻った後、先輩たちとはぐれてしまった。

そして今日観たナショジオの番組にも、この兄弟が収めた映像がふんだんに使われていた。

続々と集まる消防士たちをワールドトレードセンターの1Fロビーで捉えていたそのカメラ。
エレベーターは使えない、どうやって高層階へ上がるのか?
各地区から集まった消防士たちに指示するコマンダー。途中から使えなくなる無線機。
階段で高層階に閉じ込められた人を救助に向かう消防士たち。
ロビーの指揮ポイントで消防士たちが作戦を立てるあいだに、頭上でずっと鳴り響く衝撃音。
それは高音で燃え上がるビルの熱さに耐えられなくなった人たちが、ビルの上から落ちてくる音だった。
焼け死ぬか飛び降りるかしか選べなかった人たちの絶望は計り知れない。

生き残った消防士たちは、今でもその音が耳から離れないという。

消防署付の神父さんも現場に駆けつけ、祈りを唱えていた。

ナショジオの特集、第一話はここまでだった。
結末はわかっているし、ほとんどの映像が毎年見ているものとほぼ変わらないけど、毎回9.11の映像を見ると涙が止まらない。

それぞれの階にいたそれぞれの人たちにドラマがあり、生きてきた時間がある。
映像に映っている人たちは、生き残った人も命を落とした人も、ある意味最後の瞬間が確認できるから、それはそれで残された者にとっては幸せなことかもしれない。

9.11に飛行機に乗っていた人
仕事でワールドトレードセンター内にいた人
隣接するホテルで働いていた人

それぞれの運命が交差する瞬間に思いを馳せると、どうしようもない喪失感に襲われてしまう。

どうしてここまでこの事件に執着しているのか、自分でもわかっていないのだけど、なぜかどうしても頭から離れない9.11テロ。

そして、このnoteを書き留めはじめたものの、締め方がわからなくなってしまった。
そのまとまらない感じもそのまま、記録として残しておこう。

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