見出し画像

透明感と輝きをプラスするプリセット"Clarity preset" by art6d

わたしの推し写真家のひとり、木佐貫直人さん。北は北海道から南の離島まで、自然風景の写真を主に撮っていらっしゃる方です。
やさしくて透明感のある作風がとにかく好きで、昨年は個展を拝見し、写真集やカレンダー、そしていくつかの写真作品も購入しています。

今回は、木佐貫さんの透明感と深みのある写真の秘密がつまったプリセット「Clarity preset」の使用例を紹介します。

カメラとレンズはLeica M10 + Summarit 50mm f1.5を使用しています。プリセットの効果によるクリアな描写がわかりやすいように、あえてボケや滲みの癖が強いオールドレンズで撮った写真を使いました。

いろいろな写真を試してみましたが、建造物やスナップ写真よりも、植物や風景写真との相性がよさそうです。左がBefore、右がAfterです。プリセットの適用量は100として、露出のみ変えています。まずは緑の植物の写真から。

オールドレンズ独特のちょっとくすんだ色合いに、スッキリとした透明感と深みが出ることで、写真にキラキラとした輝きが感じられるようになりました。特に3枚目の差がわかりやすいです。とてもさわやかな描写になりました。

次に、紅葉の写真。個人的には赤の発色がとても鮮やかで好きです。やや朱色っぽい華やかな色。

昨年の夏に北海道で撮った写真でも試してみました。こちらはSummicron 50mm f2.0で撮影しています。

この空の色、これだ!と思いました。木佐貫さんの写真の色。この空色を、わたしは「キサヌキブルー」と呼ぶことにします。

最近のカメラは優秀なのでJPG撮って出しでもじゅうぶんに綺麗です。綺麗というのは、見たままの風景に限りなく近い描写で記録してくれるという意味です。しかし、人の目で見て心で感じる「美しさ」とは、単純に物理的な再現性が高ければ美しいと感じるわけではないと思います。自分というフィルターを通して心に記憶する景色を、第三者が同じように再体験できるような写真こそ、心を動かす写真なのかな、なんてことを考えます。

自分の「好き」を明確にするには、たくさんの作品を見て、真似するところから始まると思います。見たこともない知らないものは、生み出せません。いろいろなプリセットを試すことで、自分の「好き」を追求するのもひとつの手段だと思います。

木佐貫さんの写真を見て「好き!」と感じる方はぜひ試してみてください。

昨年7月、木佐貫さんの個展にて。寝る間を惜しんで私財を投入し、撮りたい景色を求めて日本各地へ飛び、極寒の地でカメラが凍って壊れそうになっても撮り続ける。そんなふうに命賭けで写真を撮る姿に感銘を受けて書いた記事がこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?