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誰かの人生を生きるということ

あれは5年ほど前のことだったかと思う。

大学の友人からfacebookで久しぶりにメッセージをもらった。とあるメディアに取材してもらった私の記事を読んだよーという内容。

30を過ぎても未婚のまま一心不乱に働き続ける私とは対照的に、彼女は3児の母になっていた。互いにわからない世界に生きるもの同士で、素直にすごいと思ったしうらやましいとも思った。

わたしは自分の人生しか生きてないからなー。
母として妻として、他人の人生の一部を生きるって、想像つかないけどうらやましい。

そんなふうに思ったことを覚えている。


そこからさまざまなできごとがあり、私も母になった。あと1ヶ月ほどしたら第一子の出産予定日を迎える。

だから、このタイミングで人生をテーマに棚卸しすることにした。

恐らくこれから私は人生の新たなステージに突入する。母として、妻として。
これまでと違うのは自分の人生を生きるだけじゃなく、誰かの人生の一部を生きるようになること。

それは誰に強制されるものでもないし、親になる人が皆そうなりたいわけでもないけれど、気づけば私の中ではすでに新しいステージに向かっての準備が進んでしまっている。何かに引っ張られるように舟の帆先が変わっている。結婚してからここまでの2年間もやはり自分の人生しか生きてこなかったのに。

ここから私のアイデンティティは少しずつ変わっていくのだろうと思う。働くことで輝いていたい私から、母として、妻としての私へ。
そして10年、20年経ったとき、きっと気づいてしまうんだと思う。母でも妻でもない本来の私って、一体どこにいるんだろう?って。

だから、今のうちに振り返り、文字にしておきたい。

本来の私を忘れないように。未来の私がここに戻ってこれるように。だから、安心して次のステージへ。胸張って行ってこい。

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