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中国甘粛の旅6 冬虫夏草

甘粛の旅 その6(2015年5月20日)

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街を歩いていると三々五々の人だかりです。バクチでもやってるのかしらとのぞきこんでみたら、なんだか黒っぽいイモ虫みたみたいなものを前にああだこうだと盛り上がっています。ブラシでせっせと掃除している人もいます。いったいこれは何?と聞いてみると、これがあの有名な「冬虫夏草」だということがわかりました。今が採取のシーズンで、路上がその取引の場になっているのです。

右端の男性が着ているのがチベット族の伝統衣装チュバ。これ着て大型バイクで疾走する姿は、ほんとにカッコいいです!

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しばらく観察していると、いわばこの仲買人の元に、採取した人が袋に入れたそのブツを持ってきて、仲買人はざっと大きさだけ見て、その場で買い取っているのです。人によってはかなりの量を持ち込みますが、人によっては10個とか20個とか、ほんのちょっぴりの人もいます。中央の人が抱えている皮のバッグの中には現ナマがぎっしり!

私が日本人だとわかると、安くするからと勧められましたが、相場はこの湿ったもので100グラムで3000元、乾燥させたものは倍の値段だそうです。つまり100グラムで10万円するということになります。これは現地価格ですから、商品化されて都会に並んだものが目玉が飛び出るほど高いというのはおわかりいただけるでしょう。それでも、自然界最強の滋養薬、癌にも効くとなれば、金に糸目を付けない人はいくらもいるはず。実際、中国のオリンピック選手もこれで記録を伸ばしたとか聞きます。ドーピングには引っかからないようですね。

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夏河の町で標高3000mちょっとありますが、4000mくらいまで行かないとないそうで、もちろん場所はそれぞれの家の口伝の最重要シークレット。山の中腹にテントを設営して、泊りがけで一気に採るのだそうですが、当然、いずれ絶滅してしまうんでしょうね。しかし元々は貧しかった彼らにとって、これほど率のいい仕事はないわけで、それを規制することはもはや不可能かと思われます。

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夏河には、回族の人もたくさん暮らしていて、パン屋さんがあちこちにありました。他の土地でもイスラム系の人が、路上で石窯で1枚1枚焼きながら売っているのを時々みかけますが、香ばしくてとてもおいしいものです。たまに出会うと私はついつい買いだめしてしまうほどです。

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右側に積まれているのはヨーグルト。ヨーグルト大好き人間の私は喜び勇んで購入したのですが、ものすごく濃厚な味で、いかにも栄養がありそうなのですが、ちょっと臭みがあるのです。買うときに牛の乳だと聞いたのですが、この地で牛というのは、マオ牛といって、ヤクのことだったんです。なんだか鼻血が出そうな感じで、全部は食べられませんでした。

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町中に羊が寝そべっていたりするのですが、これは、子どもが病気になったりすると、治癒を祈願してお寺にお金を払って護符をもらい、その護符を付けた羊は生涯殺したり傷つけたりしてはいけないのだそうです。

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この老羊は、この町の「主」みたいな羊だそうで、毎日どこかで見かけるのですが、私があまり近寄って写真を撮ろうとしたため、怒ってその角でぐいっ!と私を押し倒そうとしました。危うく怪我をするところでした。ごめんよ!

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この町にはとにかく日本車が多いのです。とりわけバイク。POLICEだってSUZUKIの白バイだし、チベット族のかっこいいあんちゃんたちが颯爽と乗りこなしているのはHONDA。広州あたりに合弁会社があるのでしょうが、純国産車の方がずっと少数派です。思うに、3000から4000mという高地で、長距離を爆走するわけだから、性能的に優れたものでないともたないのでしょう。

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街ブラをしているとき、私は常に“なつめ犬”を目で探していました。いるにはいるのですが、ただ、毛の色が白っぽい、薄茶色のものが多いのです。しかしついに見つけました。これはなつめというより、しばらく前に村で悲惨な最期をとげたドゥドゥに瓜二つです。

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きれいに洗ってブラシをかけてあげれば、ふさふさのチベタンスパニエルになるのにね。マ、この子はこの子で、余計なお世話かもしれませんが。

わが愛犬なつめに関しては;





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