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熟年女性の婚活と結婚相談所~アラカン女性の苦難な日々4

アラ還女性、華さん(仮名・64歳)の恋愛や婚活から、結婚というテーマを改めて考えてみる企画で始まった短期連載ですが、その後の取材から考察してみて、方向転換をすることにしました。
新しいテーマは「熟年女性にとって結婚相談所は結婚を実現できる場なのか?」です。
日本で最大の会員数を誇る結婚相談所「IJB」のシステムを購入し、結婚相談所を開いている仲人は、個人事業主の部類に入ります。
その後華さんは仲人との関係に悩みます。同じIBJのシステムを使って成婚率が高い仲人と華さんがコンタクトを取り、仲人を替えてもらいたいと申し出るなど、もがき苦しんだのは、婚活の難しさ、辛さを経験しながら、一番の味方である仲人を信用できなくなったからです。そのことが結婚相談所でパートナーを見つけることを困難にしていました。
華さんが実際に経験したこと、SNSで発信している敏腕仲人らの結婚相談所で成婚できたカップルなどから、熟年女性の望ましい婚活を書いてみたいと思います。

熟年ハイスぺ、実は宗教家

 華さんの3番目の見合い相手は、60代後半のの元和食レストランのシェフで、現在は関東近郊にある施設の総料理長。
「私から申し込みをしました。好きなスポーツ競技が共通していること、また元和食店のシェフで経営をしていたということから、尊敬できると思ったからです」
 元シェフが指定してきた見合い場所は、華さんの自宅から2時間かかる下町の喫茶店だったそうです。遠い場所を指定してきたときから、「思いやりがあるのかな」と少し不安だったそうです。

「10年前に離婚してから、宗教を勉強し、運気アップや方位学の教室も開催している多才な方でした。和食レストランを譲渡して家賃収入があるそうですが、今は他県の料理長として働いているそうです。自分から積極的に色々と話してくれました」
 条件でいえば、“熟年ハイスぺ”といえるでしょう。でも華さんは「なんとなく、冷たい感じがした」と言います。

「離婚の理由も自分から打ち明けてくれました。元妻は同居していた義理の母と、つまり見合いの方のお母様とソリが合わなかったそうです。嫁姑問題ですね。
また元妻はもともと接客業が嫌なのに、我慢に我慢を重ねたことが、離婚の原因だったそうです。
2人のお子さんのために、元奥さんは我慢にガマンを重ねてきたのでしょう。同情します」
 元妻の災難や不快に無関心だったことが離婚の原因だと感じた華さん。見合い相手はひょっとして自己中なのではという疑惑が湧いたそうです。

「映画の話で盛り上がってから、共通のスポーツ競技のことが話題になりましたが、私が好きな競技ではなくてかなりアクティブな別の種目だったので、がっかりしました。
見合いって、会ってみないとわからない。好きなスポーツだからこそ、余計にこたえます」

 さらに華さんを驚愕させることが起こりました。
「男性は霊障を祓う方法をマスターしたから、事故物件に住んでいる人を助けているとか。専門家でもないのに、そんなことができるのでしょうか。気持ちが悪くなりました」
「さらに海外で仕事をしていた頃に病気で倒れ、一命をとりとめたら、実家で飼っていたイヌが突然死をしたと。その理由がイヌが自分の身代わりに死んだって。
身代わり死。
気持ちが悪いです。普段からこんな気持ちの悪いことを話題にするのでしょうか」。

一緒にいても明るい気持ちになれなかったという華さん。私もかなり同情しました。
しかも霊障を祓うというのは、特別な能力がいるわけで、専門家でもない人がそういうことをするのは危険性があります。素人なのに勘違いしている。罪深いことをしていると思いました。
見合い相手に初対面でそんなことを話たのは、自分を自慢したかったのかもしれません。

「三回続けて気持ち悪い人たちと見合いしました。普通の人は、どこにいるのでしょう」。
 華さんはますます気持ちが沈んでいったそうです。

障害者の子供の後見人を放棄した男性からのオファー

 オファーを断った男性も多かったと華さん。
「最初は申し込んでくれた人、全員と見合いしようと思っていました。
オファーが少ないと予想したからです。でも開始してからすぐに、プロフィールを見ただけで、ぞくっとする人がいて、断らざるを得なかった」
 またオファーを断るかどうかと、仲人とLINEのやり取りをする中で、
「断ったらいいかどうかを相談すると、必ず『会ってみたら』と仲人が見合いを勧める。それが嫌だった」と言います。

 断った人の中で一番驚いたのは、障害者の子供を持つ男性だったそうです。
「娘さんが障害者で妻が病気のため死別。苦労をなさっているようですね。男性の仲人の推薦メッセージにかなり力が入っていると感じました。

障害者の長女の後見人を長男に委ねたと言っていますが、同居している長男はどう思っているのでしょう。
私が親なら娘の後見人を長男にするなんてこと、考えられないです。なんか、ちょっと、おかしいのではないでしょうか」。

すると仲人から「お会いした時にお子さんがどう思っているか、聞いてみたらいかがでしょう」と、見合いを勧めるLINEが来たので
華さんは、仲人に相談するのをやめたそうです。
「結婚相談所に登録する男性でオファーした人で、おかしいなと思う人は他にもいます。
プロフィールからマザコンとわかる男性にも仲人が『会ってみて、彼の今後をしっかり聞いて、将来あなたが支えられるかどうかを話し合ってください』とまるで結婚前提のような言い方です」
 「あなたには合わない男性です」となぜ言えないのだろう。華さんは疑問を持ちます。やがてその理由が分かったときは入会5か月目の時でしたーーー


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