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ampel "keep in touch"

 ampelワンマン公演"keep in touch"、渋谷WWW。
 ampel4年ぶりのライブ。わたしにとっては、はじめて。センター少しドラム寄り、3列目のポジションで観た。

先行物販でTシャツを購入

 ampelはサブスクになく、アルバムもなく、バンドとしてのメディア露出があるわけでもない。SoundcloudとYouTubeでそれぞれ数曲聴けるのみ。それも大々的にお知らせされているわけでもなく。
 しかもこのライブ、新曲だらけとか。
 「最近そういう映画もあったでしょ。君たちは──」
 「ジブリにたとえていいんですか(笑)」
 最高に刺激的で、気持ちいい。
 「好きに楽しんでください」のMCが、やわらかい。太朗さん曰わく実家みたいな、という空気感があたたかく伝わる。ソールドアウト、人でいっぱいの会場が、未知の曲たちに揺れて多幸感が溢れていた。

 ベース、ギター、ドラムのスリーピースなのに、音がすこぶる重くて厚い。「ひざ」と度々口にする、合言葉。膝を柔らかく使うようなグルーヴ。ギターの醸し出す華といったら、ああドラムがこれまたとても良かったなあ。渋みを帯びてなお熱い。
 キーボードも勿論素敵だけれど、この夜はベースボーカル・河原太朗を満喫できた。

 ampelはドイツ語で「信号機」、途中それを汲んだ照明演出も。信号はシグナル、3人だけのステージ上で巧みにアイコンタクトを送りあい、時に微笑みで意志を伝えあうさまが印象的だった。緊張したと言いながらも、とにかくメンバーの表情がいい。

 あれだけの人が同じ目的のもとにあつまって、シンガロングもフリもなくても満ち足りた面持ちで出て行く。当然、わたしも。
 はじめて聴く曲だろうとはじめて体感するリズムだろうと、それが素晴らしくありさえすれば音を愛する人は身を任せて楽しめる。音と感情の共振を肌身に感じる、しあわせな時間だった。

 わたしは初ampelライブだったが、いにしえファンが挙手でかなりいたのもグッときたポイント。
 ライブが4年空いても、音源がこなくても、みんなが待ちわびていて一声掛かればampelにKeep in touchするのは愛だ。きっとまた待てる人たちだろう、だがampelは「何か」を目下制作中とのこと。ライブも今回ほど間を置かずに行いたい旨のアナウンスもあった。
 期待が高まる。少し先の未来にampelがいるのは、とてもいい。 

 次、ゆるりとお待ちしています。

飴は近くにいた方からいただいたもの
ありがとうございました


セットリスト

MODE
物足りない
透明度
鏡の前
(MC)
浮身
然う然う
Too High
思惑
(MC)
空気に還る
RED
自身の姿
スペンド
【encore】
Koe
EVENT
Karada

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」