Billyrrom One-Man Tour "noidleap" at LIQUIDROOM
SYNCHRONICITY以来のBillyrrom、ようやく。One-Man Tour "noidleap"の東京ファイナルを、LIQUIDROOMで。
──良すぎて秒で終わったようだった。
とんでもないライブを観た、本当にとんでもなく良かった。むちゃくちゃにライブが魅力的で上手い。SYNCHRONICITYで観た時にもこれはすごいなと思ったが、もはやすごいどころの騒ぎではなかった。
LIQUIDROOMが人で溢れていた。
会場BGMはなし。エンジンのような重低音が聞こえてくる中、不思議な熱気が広がっていく。これから後に語られていくステージを観るのだ、という感覚があった。整理番号が若く、2列目。センター寄りのベース前で観られた。
演奏もステージパフォーマンスもMCも演出も文字どおりぜんぶ良い。ライブアレンジがこれまた良い。良いとしか言いようがない。バンド全体のグルーヴ、その威力がぐんと増している。
ソウルにファンクにロック、ラップにDJ、ジャンルクロスオーバーなバンドスタイルを存分に披露する全15曲には、この日初披露の新曲も。Lenoによる「Merry Christmas Mr. Laurence」ソロ、この楽曲を長く愛する者として胸が熱くなった。リキッドでこれを聴くとは思わなかった。
vocalのMolはとにかく上手い。幅広い声のレンジ、そして深み。魅せ方も堂に入っていた。パーカスひとつの扱いも、オーディエンスに投げかける視線も仕草も、指先までまさしくスター。
Solotrip、入りのベースがまた良かった。いやもう、みんな良かった。こればかりだけれど。
映像を手掛けるYUKIKAZE、ファンが少ない頃からスチルを担当する新谷氏、そして詰めかけたオーディエンスにも来られなかった人にも、分け隔てなく感謝を伝える彼ら。
「今日はひとつの目標だったけれど、まだまだこれから」
Molの言葉が眩しい。感極まって頬に流れた涙がライトに輝いたことも、やがて懐かしく語られていくのだろう。
4月に観た直後、近しい人には「キャパシティ250ではもう難しい、キャパ500が開催されるが早々にその倍くらいになる。近くで観たいのであれば早めがいいかも。」と話していた。ハコの大小に優劣などなく、それぞれに異なる魅力がある。しかしBillyrromにとっては、LIQUIDROOMすらもはや些か手狭な感があった。
スケールの大きな、ワクワクさせてくれるバンドの一里塚。そう遠くなく、各地のより大きな舞台で素晴らしいショーが観られるはずだ。
なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」