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SLT, their music is OFF THE CHAIN

 Sing Like Talking 35th Anniversary “OFF THE CHAIN” を、TOKYO DOME CITY HALLにて。SLTのライブはとてもとても久し振り。

三田線水道橋駅からすぐ、ここに来たのも久々
日曜日で賑わう東京ドームシティ
ホールはこの日が初めて

 物販は開場前に、ということでタオルと限定のアクリルキーチェーンを購入。このキーチェーン、チケットを模したデザインがお洒落で可愛い。電子チケットを購入したのもあり、記念になって嬉しい限り。

10/1の限定カラーはグレー
シックでとてもいい
祝花がずらり

 バンドメンバーは以下のとおり。流石つよい。
Dr. 江口信夫/Ba.岡沢章/Gt.金澤健太/Per.大儀見元/Pf.塩谷哲/Horns BIG HORNS BEE/Cho.露崎春女

 ベース岡沢さん、元デラルスから大儀見さんとソルトこと塩谷さん。米米CLUBからはBHB、しかも袖にはフラッシュ金子さんがいるとは!

 華やかな祝祭のステージは「Firecracker」で派手に幕を開けた。新旧も緩急も多彩に織り交ぜたセットリスト。
 デビュー曲「DANCIN' WITH YOUR LIES」や「Together」「Rise」「Burnin' Love」などグルーヴ盛り盛りのパワーチューンから、「夏の彼方」「Is it you」「Maybe」といった名バラードまで、ジャンル横断的なバンドの深さ幅広さを存分に聴かせる。
 一流のプレイヤー達が全力で楽しみながら演奏している、その凄み。圧倒的な歌唱力。ひとつひとつの音が絡み合い重なりあってうねり、浴びるように包まれるように気持ち良く飲み込まれていく。
 上から見たアリーナは総立ち。バルコニーはゆったりと座って楽しむ人、立って踊る人と様々。それがまた、音楽とともに時間を重ねた今を思い思いに楽しんでいるようで、とてもいい。

 竹善さんの長いMCは健在。長年のラジオでならした軽快なトークで場に笑いが巻き起こる。これは押すのか、と思いきや闘病を経て復帰を果たした西村さんがストッパーとしても大活躍。千章先生まで怒られたのは面白かった。
 ソルトさん、ムロツヨシさん似をいじられること!以前はステージでイケメンと言われて笑っていたのを思い出す。ああ、懐かしいな。
 SLTのデビューライブで叩いた故ジェフ・ポーカロ(TOTO)の話。この話、ラジオやインタビューでも聞いたり読んだりした記憶があるが、何度聞いても心に響く。
 ──君たちの音楽は日本ではすぐには売れない、でも信じた音だけを作れ。1ミリも変えずに。そうでなければ俺はここには来ていない。
 デビューライブのお客もポーカロ目当てで、でも自分たちを見て聴いてくれるように尽くしたこと。そして言葉のとおり売れないままに4年を耐えて頑張って、信じた音が認められたこと。
 信じた音を作り続ける人と、それを信じて支える人と、自分の耳を信じて聴く人がいたからこそ、その道の先がいま。35年。
 今はレビューや星、動員にランキング、登録者数を競うようなものも花盛り。だが自分のすきなものとそれを選んだ自分を信じていることは、ミュージックリスナーとして大事だなとしみじみ思う。

 本編ラスト、「回想の詩」を終えて鳴り止まぬ拍手。アンコールで珠玉のジャパニーズゴスペルソング「Spirit of Love」が聴けたのは幸甚。竹善さんのキーボード弾き語りからはじまり、大儀見さんが加わる。ほかのメンバーはクワイア。それだけのシンプルな構成なのに、たしかな厚みを感じる。
 そして3時間の桃源郷を締めくくるラストは、やはりライブといえばこの曲「Utopia」だった。メンバー3人だけで奏でられる音がホールの隅々にまであたたかく満ち、しみわたっていく。

 ただいま、と思った。
 色々な自分とその記憶が綺麗に戻り溢れてくる。濃密で素晴らしい時間だった。
 できればアフリカンビート際立つ「La La La」も聴きたかったが、これは前日に演奏されて今回はなかった。また聴きに行くつもりだから、どうかその時に!
 おめでとう、そして心からありがとうございます。

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なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」