見出し画像

女教師アルファは身バレしたことがあるのか


「もしかして、先生ってなつみ先生ですか?」

在職中に生徒からそう話しかけられ、私はひやっとした。




………ということは一切なかった。六万人ほどのフォロワーがいるアカウントを持ちながらも一度も特定されたことはなく過ごした。皆、こんな変なTwitterのアカウント持っているわたしに勘づくことなどなく真面目に?授業を受けてくれてものだ。

退職までは、いつか何かの拍子にバレるんじゃないかとひやひやしながら働いていた部分は無きにしもあらずだが、簡単にバレるような形でなどTwitterをやるわけがなかったので、それは報われていた。見られることが多くなっていく分、時に気をつけることがたくさんで疲れることも多かったが、周りに迷惑かけないという信念を持ってやっていたので、それは貫き通せてよかった。

もしかしたら、「あの人はなつみなんじゃないか」と思いながら特定をすることなく見守ってくれた人が多かっただけなのかもしれないが、それならそれで周囲には恵まれたことになる。

それよりも、私が周りになつみだと察されることがなかった要因として、本人がなつみっぽくなかったからだと感じている。

ツイートではキツい口調や、大胆なセックスの話をしていたからイケイケのどSのお姉さんを想像される場合が多い。オフをしたツイッタラーには、想像と違ったと驚かれることの方が多い。本人はいたって普通の女子なので。



一度だけ、Twitter外で知り合った既セクに、

「もしかして、なつみさんってお前?」


………と聞かれたこともなかった。ツイートにもnoteにもわりと赤裸々にセックスの話はしているが、本人同士以外には知りえない内容だし、たとえ見つけたとしてもわざわざ話しかけてくるメリットはないと踏んでいる。わたしのツイートやnoteを熱心に見るようなファンもそもそもいないことだろう。

こちらは「なつみさんですか?」と特定されたことはないのだが、他の人は「あなたってなつみ?」と聞かれたことがあるようだ。わたしのアカウントを知っている知り合いの女教師が、「私のこと『なつみさんなの?』って言ってきた既セクいたんだけど!ウケる!」という報告をしてきたことや、Twitterの男性が「これ、君?」とわたしのアカウントを見せて教師をしている方に話しかけたということを過去の話としてDMしてきたこともあった。

いやいや、罪もない人に迷惑かけてんじゃねぇよ。特定したいならこっちに話しかけて来いよ。今までなつみと間違われてびっくりさせられた方々に大変申し訳ないでいっぱいである。なつみと間違えられてどういう思いだったんだろうか。


「今、ゴールデン街にいますか?!」と突然DMしてくるような人もいた。詳細を聞くと「ベリーショートの方で、下ネタを話されていたもので」と言う。また、「息子の通う学校に、綺麗な新しい先生が入りましたがなつみさんだと思っております」と報告してきたおじさんもいた。それだけでなつみと思ってしまうのかとびっくりするし、怖い。世の中にはちゃんとなつみっぽい人がいるんだなぁと、わたしは逆にそんな人になりたかったと羨ましくなる。

なつみはもちろん、わたしであるが、それはただセックスが好きで強気な部分を強調した自分の一部でしかないので、SNSで旦那とラブラブ子どももすくすくというキラキラした部分を強調する主婦と何ら変わりはない。嘘偽りはないのだが、自分の全てではない。他の人にイメージしてほしいだけの表面である。


セックスと教育のことばかり呟いていて楽しくよろしくやっていたが、失恋を二度繰り返した時にそれなりに心に大きな傷を負ってしまい、それからいくら心が繋がらないセックスをしても気持ちよくなくなった。昔は物理的に気持ちよくなれれば相手なんてブサメンでなければまんこは濡れたものだ。どうせ将来に繋がらない半端な行為をしていても虚しいだけになったので、セックスは一年以上していない。

セックスのことをつぶやかなくなったら、ツイートを見る人もどんどん減ってしまったのだが、それはそれで、わたしのことを応援してくれる人や、気まぐれなわたしのつぶやきをほんの少しでも好いてくれ、期待してくれる人だけが残ってくれているので、今は今でやりやすい。

昔はクソリプにイライラしたことも多かったが、見たくないものは非表示にできるし(これをわたしはゴミ箱と呼んでいる)、そもそも反応してくれる人が無くなったのでかなり楽である。

張り切ってnoteでいくらか有料記事など作ってみたが、お金になるのはなるということを知ると、もう好きに書いた方が楽だし楽しいという結論になって、最近は章立てもせずだらだら書いている。この方がいろんな経験を話せると思った。たまに感想をもらえるだけで嬉しいし、黙っていても刺さってくれる人は必ずどこかにいる。


Twitterでなつみのアカウントを4年やったが、下ネタを話せる仲間が出来たこと、教師を辞めるという人生の選択が出来たこと、表現できる場を作れたこと、これが感謝だ。

Twitterで出会ったやつに失恋したことが一番の失敗で、それさえなければと思う日々は正直続いている。前を向こうとは頑張ってきたが、大人になって将来を考えた上での恋愛が失われたことを克服するのはなかなか難しいものである。遊んでいたときのように自分主体ではいかないようだ。


最近しばらく離れていた裏垢のツイッタラーが戻ってきたのを見かけた。人はどうせ寂しくなるんだなと、ここに居場所を求めすぎてはいけないなと心底感じる。


4年前、わたしは婚活をしていて、婚活アカウントと並行して教師の下ネタアカウント(なつみ)でつぶやいていた。婚活アカウントはとにかく暗い呟きになってしまい、楽しくなかった。そこで、結婚を考えずに異性と出会ってセックスを楽しむ方が幸せな時間を過ごせると思い、下ネタアカウントに好き勝手呟くようになっていった。

4年ほど、しばらく楽しかったが、結局わたしが求めたのは「妊娠したい」ということである。その為にはこの国では、結婚をした方が無難である。そんな気持ちで結婚などしても仕方ないと言う人もいるかもしれないが、妊娠という夢を叶えるためには、それを目指すくらいしかうまい方法がない。それ以外は茨の道といえる。


もし妊娠できたら、さすがに呟くと身バレが必至な気がする。教師をやめた時は絶対あの年度は辞める人が多発するだろうと思ったからそれは隠さないでいたけれど、妊娠を周囲に報告しないわけにもいかないし。

本人となつみは違う人物なので、もし妊娠して子どものことなどSNSで公開することがあったら、また別で生きようと思う。今のところそんな予定はないが。そんな予定もいつかなつみさんにはできるのだろうと、ほっといてくれると嬉しい。







気に入る記事がございましたら感想やシェアいただけるだけで十分です。ありがとうございます。