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声よ、届け!

伊万里市議会 令和2年(2020年)9月定例会において、「GIGAスクール構想の実現に向けた自治体への継続的支援等を求める意見書」を提出しました。

意見書とは、地方自治法第99条において認められている、議会の権利です。

「普通地方公共団体の議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会又は関係行政庁に提出することができる。」

私は伊万里市議会議員なので、伊万里市が行う一般事務や予算決算などについては直接意見することができます。しかし、内容によっては市ではなく県や国に言うべき問題が出てきます。ですが私は県議会議員でも国会議員でもありませんので、県政や国政に直接関わることはできません。

だとしても、市の状況を県や国に伝え、よりスムーズに市政が行えるようにする必要がある場合があります。そういう時に「意見書」を関係機関に提出する権利が認められています。

私が今回提出した意見書は以下の内容です。

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私が今回なぜこの意見書を書こうと思ったのか。

伊万里市では令和3年4月の運用開始を目標に、市内の小中学生全てに一人一台のタブレット端末を配備できるよう7月の臨時議会において予算化されました。タブレット配備と通信ネットワーク環境整備等にかかる費用は5億628万5千円ですが、その大半は国からの交付金と補助金であり、実際に市から支出する額は1億円ほどです。

これは国としても以前から段階的に一人一台端末の実現をと進めていたところに、新型コロナウイルスの襲来による休校で、「段階的」であったのを「急速に」進める必要性を国が感じたからであり、補助金を活用して地方のICT教育環境の整備をすることを後押ししているからです。

その波に乗って伊万里市も教育環境の整備を進めているところですが、モノだけそろえても、ネットワークだけ整えても、すぐにオンライン授業が行えるものではありません。

そのために先生方の間で立ち上がったのがIGC(Imari GIGA school Circle)です。啓成中学校の福井校長先生と二里小学校の白濱校長先生が中心となり立ち上がったサークルで、先生方が自主的に集い、自由に学び楽しみ情報交換し、子どもたちの学習に繋げようという学び合いの場になっています。

市は端末と環境整備を予算化した。

先生方は来たる時代に向けて日々学んでいらっしゃる。

じゃあ私は議員として何ができるのか?

もちろん市が提案した予算を審議し、承認し、後押しすることも一つの役割でしょう。

そんな中、いろんな場面でたびたび話題に上がっていたのが、「国からの補助金は今後もあるのかどうか」ということ。

今回、整備のほとんどを国からの補助で行いました。しかし、5年後10年後、間違いなく端末の更新時期がきますし、その時に市の資金で全ての更新が行えるでしょうか。国からの説明の中で「じきにランドセルと同じようにタブレット端末を購入するようになる」という発言があったと耳にしました。つまり、入学祝いに保護者親戚が購入する前提ということでしょうか。

どこに住んでいても、どんな境遇に置かれていても、子どもたちに一定水準の学びを保障するのは私たち大人の使命であり、それは国の責任として行うべきことです。日本の中で市の財政状況によって受ける教育の内容に優劣があってはいけないのです。

端末の購入以外にも、オンライン教育には通信費や管理費、教材等のソフトウェア、先生方の研修費、現場でサポートする支援員の配置など、様々な費用が恒常的に必要となります。それをどこまで国が支援してくれるのか、現段階では不透明としか言えません。

そのような状況をずっと危惧していましたし、佐賀県内の首長と県知事が行うGM21ミーティングでも不安な声が上がっていましたので、これはなんとしても国に声を届けなくてはならない。今この意見書を書くのは自分しかいないと思って、書くことを決めました。

意見書を書きたいと思い、会派の先輩に相談し、書いたものを会派内で見てもらい、議長に相談し、全ての議員の皆さんに意見を頂き、議会に提案し可決され、無事提出することができました。この一連の流れの中で苦心したことも多く、大変勉強になりました。

議員として何ができるか?

これは議員になって常に自分に問いかけていることであり、今回は現場で頑張る先生方と子どもたちの未来のための後押しがしたいと強く思いました。

意見書というものは、提出された関係省庁は、それを受け取る義務はあっても、回答や積極的行為を行う法的義務はありません。ですので、私は菅総理や萩生田文部科学大臣の前で直接読み上げて熱弁したいくらいの思いを込めて書きましたが、実際は熟読しては頂けないかもしれません。

ただ、全国の市町村議会、都道府県議会、市長会、知事会などから同じような意見書が次々に出され、国が無視できないくらいの大きな声になればということを願ってやみません。

どうか私たちの声が届きますように。

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