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地域経済循環が市町を強くする。

地域が自立し、持続可能な市町を維持していくための欠かせない要素の一つに「地域経済循環」があります。

まず、地域経済循環について簡単に説明します。

地域経済循環には4つの視点があると言われています。

①生産・販売:地域の特徴を生かして新たな価値を産み出し、生産・販売する。

②分配:生産・販売で得た利益が地域内の家庭・企業の所得・利益になる。

③消費:分配された家庭の所得が地域内で消費される。

④投資:分配された企業の利益が地域内で新たに投資される。

ここで一つの例を読んでみてください。

【例】伊万里市のとあるレストランでは、伊万里産の野菜、果物、お肉、お米を使って料理を提供しています。だんだんとお客が増え常連客もつき始めた頃、お客からの「お酒も置いてほしい」という要望がありました。店主は新たに伊万里にある酒蔵からお酒を仕入れました。レストランは更にお客さんが増え、毎日予約でいっぱいの人気店になりました。売上が上がったことで、店主はお店の食器を伊万里の窯元の食器に一新しました。給与が上がったコックはいつもの酒蔵のお酒を買って乾杯しました。レストランで使われていたお皿が気に入ったお客は、お皿を買いに窯元を訪れました。野菜の需要が増えた農家は畑を広げました。レストランは新たにもう一店舗オープンすることにしたので、そのチラシを伊万里の広告会社に依頼しました。レストランには市外からもお客が来るようになりました。

これは地域内で経済が循環している状態です。

考えてみてほしいのは、この中の要素が1つ、2つ、3つ、と地域外のもので形成された場合です。

食器が市外のものだったら?・・・窯元の売上は上がらず、新たな購入にも繋がりません。

食材が市外のものだったら?・・・畑を広げる投資をしても市内の雇用には繋がりません。

要素が1つ、また1つと地域外に流出するごとに、地域経済へ与える影響=相乗効果は低くなっていきます。

伊万里市では年々人口減少が進み、働き盛りの人の割合(生産年齢人口)に対して、高齢者の割合が高くなってきています。

人口を増やす、特に若い人を呼び込むため、伊万里市の魅力をアップさせるため、市民の方の要望が最も高いのは企業誘致です。

しかし、本当にそうでしょうか?

真に強い伊万里市をつくるため、必要なのは伊万里にあるものを生かし、伊万里にしかないものをつくることではないでしょうか。

【例】の文を、伊万里の人は何の違和感もなく読めると思います。

それはとても恵まれているのだということに気付いてほしい。

地元の食材を使いたくても食材がない地域がある。

地元のお酒を使いたくても酒蔵がない地域がある。

地元の食器を使いたくても窯元がない地域がある。

【例】の文を違和感なく読めるということは、伊万里にはこんなに何でもあるということです。

地域内のものを使って商売ができたり、地域内の人に仕事の依頼ができたり、地域内に投資先があることはとても恵まれていることです。

地域内でお金を使うこと=経済を循環させることは市町を強くします。

市町が強くなれば、人が集まります。

人が集まれば、企業が集まります。

人と企業が集まれば、市の税収が上がり、行政サービスは向上します。

経済の地域外流出を防ぎ、地域内の経済を活性化させることは、循環し、巡り巡って市民の生活の向上に繋がります。

つまりその逆も然りで、地域内で経済が循環せず、企業が一つまた一つと減っていけば、人もより離れていくということです。

地域経済循環を市民のみなさん一人一人が意識することが、伊万里市を強くする小さな一歩であり、大きな力だと考えています。


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【参考】地域経済循環分析解説書(2015/12/22 株式会社価値総合研究所)


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