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25歳、乳癌の疑いだった話。

一か八かで本当に死ぬかも?って思ったのがきっかけで、毎日が、「余命」の一分一秒だという気がしてどきどきする。

余命があとどのくらいかって誰にも分からないけど、いつ死んでもいいように悔いないように生きるなんてやっぱり難しい。

自分ごとに思って欲しい

タイトルの通り、わたしは健康体そのものだったのに、2021年3月突如、乳がんの疑いがあった。(わたしの知り合いの皆様には、タイトルでひやっとさせてしまったかもしれないので、オチを先に伝えておくと、精密検査をして良性腫瘍で、がんではなかった。ので、ご心配なさらず。)

でも、がんの可能性もあった。25歳で、こんなに健康体で自覚症状も全くないのに。だから、せめて、わたしの大切な人たちには絶対に、絶対に、絶対絶対に、がんで手遅れになってつらい思いをしてほしくないという思いで、このnoteを書くことを決めた。センシティブな内容なので書くかすごく迷ったけど……!乳がんはがんの中でも特に定期的な検診で初期に発見・治療することができる病気だから。男性の皆さまにも実は乳がんのリスクは少なからずあるし、大切な人の健康をぜひ気にかけてあげてほしい。

わたしも自分がこんな状況に置かれて経験をするまで、自分ごとのように考えていたつもりだったけど実際他人事だったんだな、と思った。身近な病気だよ、って言われても、わたしは多分大丈夫!って心のどこかで思ってたし、だってわたしいまこんなに元気なんだよ?って。

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この記事を書き始めてからあっという間に数ヶ月経ってしまって、時の流れとともに記憶とか経験ってどんどん薄れてしまいがちなので自分のリマインドのためにも書き留めておく。

※これより先は「乳がんの疑い」から「良性腫瘍」と判明するまで、に私が経験したこと、感じたことを事細かに書き記しておこうと思い、かなりディティールまで書いております。センシティブな内容を含むため、閲覧前にご注意、ご了承くださいませ。


なんの不安もなかった

3月中旬、忘れた頃に唐突にひと月前に受けた会社の健康診断の結果が返ってきた。本当は年末くらいに受けようとしてたのに、コロナの影響?で予約かなり先まで埋まってます、と言われてやっと受けられた健康診断だった。

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まぁ言ってもわたし25歳だし、別に不安要素もなくて、特に問題はないだろうと思って、パラパラっとめくってふんふんと見て、あーほとんどAだーーーーとおもっていたら、なんか乳がん検診の結果がC(経過観察)だなぁ。みたいな感じで、ぱっとみて、そっと閉じて、、、あれ、Cってなんだ?と思って、もう一度名称を見直してみたら、「充実性腫瘤の疑い」??

あ、なんか、これって…問題があるってこと??という疑問が生まれた。え、わたし結構セルフチェックとかしてるんだけどなぁーーとかなんとなく思って、その淡々と冷たく記された文字と対峙した。

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親族が癌家系というのもあって、わたしは人一倍がんになるかもって思いながら日々過ごしていたし、実際いつか絶対がんになるんだろうな、って思っていたから、親族もみんな早期発見&手術で治ってるし、早めに見つけて治そう!みたいな意気込みすらあった。でもそれは40歳くらいになったら、のことかと思ってた。

とりあえず自分で触診してみたけど全くしこりらしきものは感じず……。

漢字の意味もわからなかったし、その時点で不安はなかったけど、疑問が生まれたので、なんかよくわからないけど、とりあえずググってみた。

「乳がん 充実性腫瘤」検索。

乳がん、まで打ったところで、検索候補一覧に 「乳がん 生存率」という文字が見えてしまって、なんか見て見ぬふりをしながら、まさかね、って思いつつも心臓がギュンってなるのを感じた。

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とりあえずググって分かったこととしては、この「充実性腫瘤」には、乳がんの可能性があること。

そして、乳がんには「非浸潤性」と「浸潤性」があって、非浸潤性の場合はがんが乳管から漏れ出してない状態なので、超初期!取れば完了おしまい!
浸潤性は乳管からがんが漏れ出してしまっていて、もう次のステージに進んでいて、リンパ節などへの転移の可能性もある。みたいなざっくりしたこと。(▼引用)

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ふむふむふむ、とここまで読んで、なんか一筋の不安が生まれた。一筋の光って希望をさしていうけど、まさにその逆。
わたしは今までの人生で「乳がん」を詳しく検索したことがなかったかもしれない……!初めて見る単語をひとつひとつ知識として吸収していく。

しかも、しこりがあるわたしは、もしこれが悪性だった場合、しかも浸潤性だった場合、もはや超初期ではないのか。。。転移…???ステージ???生存率…?

こんなにも元気で健康そのものなのに……??
勝手に乳がんは胸にチクチク痛みが出たり、張るような違和感を感じたり、もちろんボコって触ってわかるものだと思っていた……し、世の中のかなりの女性はそう思っているはず。。。

いや、良性だったらこんなことは不安になる必要もないわけで、ググって不安になるのもモヤモヤしてしまうので、もうググるのはやめよう!とスマホを投げた。とりあえず病院へ行こう!と思い立って、その日は美容院の予約をいれていたので、次の日の昼間から病院へさっそく行った。

なんとなくその時も超ポジティブで、あ、やっぱりしこりはないですね!みたいな感じで終わる気すらしてた。髪の毛もカットして染めてもらったばかりで、ちょっと浮かれていたりなんかして。


なんも考えずに病院へ

ミーティングを終えて、地元の信頼のおける乳腺科がある病院へ。行ったら受付に「緊急オペ中 しばらくお待ちいただきます」の文字が。なんかまたドキッとする……。

あぁ、そうだ、世の中にはたっっっくさん、がんと闘ってる人たちがいるんだった。身近な人ががんになって、わたし自身大切な人を失うかもしれないという恐怖は経験済みで、あれはもう実に恐ろしい体験。

受付のお姉さんは優しく声をかけてくださり、「かなりお待たせしてしまうかもですが、大丈夫ですか?あと45分はかかると思います。」とのこと。ただわたしは今日どうしてもその疑念をASAPで晴らして、安心したくて、「大丈夫です!待ちます。」と答えて、BGMも流れていない静かな待合室に腰掛けて、仕事のメールを返すなどして時間を潰した。

そして、1時間後くらいにわたしの順番が来て、健康診断の結果を持っていったので、それを見せてから、触診、超音波検査、マンモグラフィと立て続けに検査をした。

会社の健康診断は今年は超音波しかやってなかったのだが、それで初見ありになっていた。

触診「いや分からないね〜」
超音波「んーーーなんかそれっぽいのはないねぇー強いて言うならこれかなーーー(キャプチャ)」
という感じで、あ、それみたことか、やっぱりしこりなんてない!!!と思ったんだけど、
マンモグラフィもやっておこう!ってなった。

※ちなみにマンモグラフィは胸をぺちゃんこに機械に挟まれるやつで、めちゃめちゃ痛い。呼吸できない。我慢できるレベルのMaxって感じ。

検査が終わって、マンモグラフィの結果をお医者さんと一緒に暗室で見たら、「やっぱり左胸に1センチのしこりがあるね」と言われた。

最初に私の思った感想、「あ、なんだ10mmくらいか。」って感じだった。
ちょっと切ってタピオカみたいにポロってとったら治ると思ってた。

のちのちちゃんと調べると、10mmでもがんだった場合、転移してる可能性はあるし、先に言ったように浸潤性だと、10mmの腫瘍を核に漏れ出してしまってる状態なので、10mmの外側の細胞もたくさん取らなければいけない。だからタピオカ程度のがん細胞をとるだけと思っていてもだいぶ想像よりえぐれてしまう。乳房自体をまるっと全摘出してる例も全然あった。(▼引用

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もう一度超音波で見ることになり、あーーこれだねーーって言われた。やっぱりしこりがあったんだ、って事実をわたしは認めざるを得ない状況になった。

看護師さんがわたしの横で、まるでルーティンのように「セイケンってしたことある?」とわたしに聞いた。初めて聞くワードで、わたしは聞き取れず「???すみません??なんですか??」と聞くと「セイケン!」って壁に貼ってあるポスターを指差して応えてくれた。

そこには、針みたいなものを胸に刺して、その針の先から細胞を吸引回収することで細胞が悪性なのか良性なのか調べられる「マンモトーム生検」という文字があり、あ、セイケンってこういう漢字ね、と理解した。(▼引用)

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そのあと、先生から、このしこりはカテゴリー3で、10%の確率で悪性のがんの可能性があること、この生検をしないことには癌かどうか判断ができないということ、結果が出るのには1週間かかるということ、を聞かされた。10%という突然でてきた具体的な数字にまた心臓がギュンとなる。(ちなみにこのカテゴリーと癌の進行具合を示すステージは別物。)

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この日の一連の検査で良性なのか悪性なのか分かると思っていたわたしからしたら唐突すぎる、"胸に穴をあけて細胞を取る"という検査方法だった。恐ろしすぎる。

正直にその時思ったことを書くと、悪性かもしれないんだから穴をあけて検査をしないとっていうのは頭では理解しているけど、傷が残っちゃうのはどうしても嫌だ、みたいな気持ちだった。だってわたしまだ25だし。。。

でも幸いにもマンモトーム生検はアザができるけど、2週間〜1ヶ月ほどでほぼわからないくらいの傷にしかならないよ、とのこと。看護師さんは傷が残るか心配する私に気を使ったのか、「男の子はみーんな気づかないよっ!」とわたしに耳打ちした。(笑)

本来ならその日の診察はこれでおしまいで、後日そのマンモトーム生検の日時を決めて予約を取り直すのだが、わたしはこの気持ちのモヤモヤのまま数日間待てる自信がなくて、「どうしても今日マンモトーム生検をやりたい」と伝えた。

その曜日は本来オペはできない日だったのだが、たまたま私がきたタイミングで緊急オペが入っていたのもあって、マンモトーム生検ができる担当医が偶然いるとのこと。その人が、「あ、わたし居残りますよ〜」と奥から一言だけ聞こえた。

なんか余計なことを考える前に同意書にさくさくサインして、保険適用でも30,000円くらい必要とのことで、現金を持ってなかったので、おろしてきます〜と言って一旦ATMへ。妹だけにLINEした。

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なんかこの時点で既にその10%がわたしのような気がほんのりしてきてしまっていて、なんか悲観的になってきてしまった。安心したくて今日病院に飛び込んできたのに……。

妹と電話したら泣いちゃいそうだったからやめた。

でもなんか私の中では健康診断の結果が届いてからのスピード感がすさまじくて、この波に乗ろう!という意気込みで、ただ無意識にお金をおろして、気持ちを落ち着けようと思って、アイスのカフェラテを飲んで、平常心を装って仕事のメールを返して、それから病院へ戻った。


とりあえずやるしかない!


病院の受付に戻ると、そこからふと我に返って、あ、週末サウナのイベントあるな、とか冷静に思って(笑)、「すみません、入浴とかっていつから良いんですか?」と聞くと、シャワーは明日から、半身浴は3日後から、全身浴は抜糸後の1週間後から!と言われて、ふむふむ、、、と思いながら、
「変なこと聞くんですけど、サウナも同じですか?笑」と返すと、「お風呂が好きなんだねえ〜、まぁ3日後から大丈夫と言えば大丈夫だけど、傷が膿むと損だよ!」と言われた。

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まあ、後先考えてる場合ではない!わたしは安心したいのだ!と自分に言い聞かせた。こんな時もサウナのことを考えてる私、冷静にやばい。(笑)

そして準備するから待っててねーと言われて、静かなオペ室に1人残されて、オペ用のピンクの衣服に着替えて座っていると、これは現実なのかな?とか考え始めた。そしてわたしはピンクの服を着ている自分にもソワソワしていた。(笑)

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▲実際わたしが20分くらい待たされてた部屋。

ほんのさっきまで、割とほぼカフェに行く感覚でふらっとこの病院に来たのに、なぜかいままさに麻酔を打とうとしていて、棒を胸にぶっ刺そうとしているという急展開……目の前にはよく医療ドラマで見るような仰々しい照明が。

心の準備なんてどんだけ待っても出来るわけないんだから、今日やってもらえることになって、ラッキーだな、って思うようにした。


いざ生検!

準備できましたよ〜と言われて、さっそく寝っ転がって、胸に局所麻酔の注射を10回くらいいろんな方向から打っていく!!局所麻酔なのでオペ中も意識は全然ある。正直わたしはそんなに注射は苦手ではないので、歯医者さんの麻酔くらいの痛みだった。

看護師さんがマシンガンみたいな機械を持ってきたのが見えた。こういうやつ↓(▼引用)

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いや、怖すぎるでしょ!!と思ったら、「はい、お顔は壁に向けててくださいねー」と言われて、完全に視界はブロックされた!

局所麻酔が効くまでの時間なのか、看護師さんが、「あと30秒!」みたいなカウントダウンをしてた気がする。記憶定かではないけど。そんなカウントダウンをされて、ロケットでも発射するんか?みたいなこと考えるくらいには余裕があって、わたしのメンタル的には超冷静だった。

先生「はい、ちょっとグッと押される感じしますよ〜」と言われて、マシンガンみたいな機械がグッと入ってきて、胸の内側から圧力?みたいなものを感じた。いまだかつて感じたことのない感覚で、痛くはないんだけどなんか感覚はある、みたいな。

背中の方に血が流れてる感覚もあった。いま考えたら怖すぎる。でもあんまり現実感がなくて、驚くほど冷静に壁とにらめっこしていた。

そうこうしている間に、ガチガチャガチャヴィーーィンっていう歯医者さんみたいな不快すぎるドリルみたいな機械音がして、その胸につきささってる棒先から細胞を吸引して、その出てきた肉片を看護師さんがピンセットみたいなものでピックアップしていく。(直視はしてないけどなんか視界に動作だけは見えた)たぶんその吸引てきなやつは3回くらいで結構取るやん……って思った記憶。(▼引用)

あっという間に5〜10分くらいで終わって、1針だけ傷口を縫っておしまい。そこから10分間、厚いガーゼを看護師さんが傷口に押し当てて、心臓マッサージの体勢で体重をのせて圧迫止血。

圧迫止血されながら看護師さんに「もう終わったよ〜頑張ったね〜」と言われて、「あっ、わたしって頑張ったんだ!やっぱり頑張ったよね?!」と思ったら、突然涙腺が崩壊して、めちゃめちゃ涙でてきて、同時に本当に癌だったらどうなるんだろう?という不安が急激に溢れ出して止まらなくなった。

圧迫されながらひとしきり泣いて、看護師さんに「がまんしてたんだね、もっと泣いてよかったんだよ」とか言われて、優し過ぎてまるでわたしもうすぐ死ぬみたいな言い方だ……とも思った。

家族の前では泣かないようにしなきゃって決めた瞬間でもあった。

テープで胸だけじゃなくて肩や脇の下までぐるっぐるまきに固定されて、皮膚も引っ張られて痛痒いみたいな感じの状態で、今日は止血しなきゃだからきついよ、と言われた。

翌日に消毒にまた行って、あとは1週間は自分で消毒したり絆創膏はったりみたいな感じで「良性or悪性の結果を待つ」という究極の一か八かを賭けた、地獄の1週間が始まった。


待つ時間によぎること

同居してる家族にはこんなぐるぐる巻きで隠し通せないし、サポートしてもらう意味で、ちゃんと説明して、家族みんなを不安にさせてしまった1週間だったと思う。

さて、家に帰ったらいよいよわたしは1週間後の結果発表のシュミレーションをしなきゃだな、と思い始めた。
大丈夫でしょ!ってポジティブに思いたい気持ちが9割だけど、もし本当に1割で癌だった場合、わたしはその感情の落差で結構メンタルぽきっといかれてしまうかもしれないって思った。予防線を張っておかなければ……!

だからある程度心の準備をするために調べておこうと思った。癌だと宣告されたらまずすること、ステージやサブタイプ(癌にも性格みたいなのがあるらしい)のこと、どういう治療をするのか、治療法の選択肢のこと、どのくらいお金がかかって、保険はどのくらいまできいて、どのくらい治療期間がかかるのか、セカンドオピニオンのこと……。

調べれば調べるほど、落ち込んできて、あーーもしかして死ぬのかも、って人生で初めて、本気で思った。

たまたま調べていたら元SKE48の矢方美紀さんという方の記事を見つけて、わたしは彼女と同じ25歳っていうのもあって戦慄した。

――色んな治療の選択肢がある中で、今の治療法に決めた理由を教えてください。

 自分の今後10年、20年先を見たときに、一度悪い部分を全部取ったほうが再発率も抑えられると思ったからです。一部だけを切って、形を作るという方法もあったんですけど、今は医学が進んでいて、全摘をしてもすごくきれいに再建できるというお話も聞きました。そっちの方が長く生きていく中で自分には良いのかなと思って決めました。

 それと、私は若年性乳がんの対象に入るので、遺伝性の可能性が高いんです。遺伝の先生とお話をして、色々と調べて、考えて、全摘のほうが良いのかなと。

死ぬまでは行かなくても、もしかしたら乳房温存は難しいこともあって、左胸全部取らなきゃいけない可能性もある……ってこと…??25歳なのに???という現実に、とんでもない絶望感を覚えた。

なんか、もし本当に全摘しなきゃいけないとしたら、片腕を切断しますって言われているくらいに絶望するだろうなってわたしは思った。わたしは巨乳でもないし、べつに胸がチャームポイントでもないけど、じぶんのからだの一部が、切り取られる喪失感たるや……しかも自分の体内で生成された細胞によって攻撃されてるなんて、誰のせいにもできないし気持ちのやり場がないな……と思った。
記事を読んだら、彼女はなんでこんなに強くいられるんだろうって嘆きたくもなった。きっと裏ではたくさん泣いたし苦しんだんだろうと思う。

そんな最悪のケースをたくさん見つけて、何個も何個もシュミレーションしては、「いや、きっと大丈夫。」と自分に言い聞かせる、の繰り返し。

だけど幸いにも家族がそばにいたし、何食わぬ顔でサウナイベントも参加して楽しかったし(笑)、ご飯に誘ってくれる人もいて、なんだかんだずっと考え込んでる時間はほとんどなかった。

これは余談だけど、その1週間の間に銭湯をリノベした居酒屋「不健康ランド」に行ったんだけど、私まじで不健康かもしれん(苦笑)って思いながら行ってた。笑 私にとってはまさに、心の洗濯。

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結果発表の"X-day"から先の未来について、予定を立てようにも考えようがなくて、X-dayがただ早くきて欲しいって毎日を指折り数えてたら、めちゃめちゃ長く感じた1週間だった。


X-dayがきた

検査結果を聞きに行く当日は、春の気配がする心地よい日で、冷静ぶっていた。こんなにシュミレーションしたから大丈夫だろうという気持ちもあった。

ギリギリ午後には検査結果届いてるはずだけど先に電話してくださいと言われていたので、電話をかける。
「検査結果、でてますよ〜お待ちしております」と看護師さんに電話越しに言われた。出てるなら今いっそ教えてください!って思ったけど、平静を保ったままお母さんが付き添ってくれて病院へ行った。

病院はとっても空いていて、さらっと湊さんどうぞ〜って呼ばれた。深呼吸をする隙などなく、思考回路は停止したまま診察室に入った。

入るとすかさず私が座る前に、先生が「あ、大丈夫でしたよー」と一言。挨拶もままならずという感じだったので、聞き逃しそうになるくらいで。拍子抜けしてしまった。

お母さんも1週間気丈に振る舞ってくれてたけど、「良かった、、はぁ、良かったね」と安堵。本当に本当に心配をかけてしまったとおもう。


No cancer cell seenの文字を見て、さらに安堵した。
ものの数秒で宣告タイムが終わってしまったので、ついでになんでこの良性腫瘍ができてしまったか聞くと、先生は食い気味に「ストレスですねえ〜」と答えた。放っておけば消えることもあるらしい。初めてストレスの恐ろしさを実感した。私にとってのストレスってなんだろう、と向き合うきっかけにもなった。

そのあとすぐに家族に、事情を伝えていたごく少数の友人に結果をLINEで報告した。

まぁ大丈夫でしょ!みたいな感じで1週間励ましてくれてたお父さんから電話が来て、「よかった……本当によかった…よかった…」と電話越しにほぼ泣きながら震える声。わたしもつられてめちゃめちゃ泣いた。家族をこんなにも心配させてしまって本当に心が苦しかった。

でも本当に一か八かだった。


健康診断の大切さについて

健康診断、皆さん定期的に行ってますか?
所属している会社の福利厚生に入っているから当たり前に毎年行ってるよーって場合もあれば、そういう制度がないor曖昧な企業もあると思うし、フリーランスの方は調べたことすらないケースもあると思う。

私はこの一連の経験を通して、本当に私の大切な人たちに、そして大切な人の大切な人たちのために、健康診断を強く強く勧めていくと決めた。なぜなら予防できる病気だから。そして無自覚のうちにどんどん進行してしまう病気だからこそ。わたしはたまたま会社の健康診断でこれが発覚したけど、こんな医療が発達した現代で、病気を発見するチャンスを逃していけないと思った。

会社に所属していて健康診断の制度がよくわかっていないという方は、上司や担当の方に問い合わせてみるのといいかも。中小企業などは意外と聞いたら加入する健康保険組合などの定期健康診断のシステムがあった、というケースをよく耳にする。

フリーランスの方にとってはどうしても自己負担の医療費になってしまうからおろそかになってしまいがちだと思うが、自治体によっては定期的に無料のがん検診を行なっているところもある。下記サイト参照!

知っておきたいがん検診

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また、なんと病院に行かなくても婦人科検診も含めた検診ができる自宅検査キットがあるんだとか!!

おうちでドック

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女性用と男性用があって、これは便利!!!

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フリーランスの方はもちろん、忙しくて検診に行く暇ないよーって方や、コロナで病院行くのが不安、という方にも手軽に検査できるみたい。

※ただこちらはあくまでも癌のリスクを血液検査で診断、ということらしいので病院で超音波やマンモグラフィー、婦人科検診を受けることを私個人的にはおすすめします。


最後に

こんなに長い文章を読んでくれた皆さま、本当にありがとうございます。このnoteの情報はわたしの浅い知識でしかないので鵜呑みにはせず、不安があったらお医者さんに相談してくださいね。
ひとりでも少しでも、つらい思いをする人が減るといいなと心の底から願います。

最後に、ゆうこすの婦人科検診のVLOG動画をシェア。
とても参考になったし、こんなにも検診が「おしゃれ」になってるってことを私も初めて知って嬉しく思った。女性のからだはただでさえ複雑だし。自分のからだを健康な状態で維持することってかっこいいよね、というポジティブな風潮がもっと広まっていったらいいな。


ちなみに、わたしは会社の定期検診以外にも半年に一回くらいは病院に行こうと決めた。

健康は本当になによりも大切。

手遅れになったらどんなにお金をかけても、想いを馳せても、巻き戻せないこともある……身をもって再認識した。不安は取り除いて健康に前向きに生きていきたい!!

おわり

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