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自信をなくしたら「定量」に立ち返ろう

どうも巷では冷徹・気性難・仕事マシーンだと思われているらしい夏野です。

ちょっとした交流の機会などに直接お話をすると、「なんかイメージと違いました」って言われることがほぼ100%。普段どう思われているんだよ。

まあ、他人からどう思われるかはコントロールできないので別に良いんですが、実際のところは冷徹・気性難・仕事マシーンではないので、自信をなくすときはなくします。

それこそこのnoteで書いたように、いただいたPdMのチャンスをフルには活かせず、数値コミットできなかったときなんかはもう、東尋坊の景色がよぎるくらいです。

と、これに関しては「数値コミットできなかった」という明確な結果があるため落ち込むのもごく当たり前なのですが、日々過ごしていると、別に明確なエビデンスがあるわけではないのに落ち込んでしまうことがあります。「なんかこのままではダメな気がする」「なんか調子悪い気がする」みたいなやつですね。

これが会社員であれば、各社で定められた「評価」というシステムによって「なんか」の中身が明らかにされることもあるでしょうが、フリーランスという働き方だとそうもいきません。

というわけで今日は、「なんか〇〇」に陥ったときの解決策を考えてみたいと思います。


不安になるのは「具体」がないから

ズバリ結論から言いますと、なにかに不安を感じるのは「具体」が見えていないときだと考えています。

たとえば夏野の実例だと、「なんか太った気がする」「なんか博論が進んでない気がする」みたいなときです。

これらはいずれも「具体」が見えていません。具体的に何kg太ったのか、具体的にどう進んでいないのか(=本来はどこまで進んでいるべきなのか)が見えないから、不安になるわけです。

じゃあどうすれば良いのか。不安を「具体」にしていけばいいのです。それもできれば数値、すなわち定量的な具体にしていくことがおすすめです。いくつか具体例を見てみましょう。

ケース①なんか太った気がする

夏野は昔から節目の年に太る性質があります。高校受験でも、大学受験でも、修論(2回目)でもしっかり4kgほど太りました。そのせいで、卒業式の写真はどれもパンッパンです。

「そんな私もチャーミングだわ」と思えるなら良いのですが、夏野はできることなら筋肉質でいたいと思っているので、太るとどうしても落ち込みます。そして博論を書いている現在、予想通り、しっかり太り始めています。

で、そういうときって、現実を直視したくなくなるんですよね。具体的にいうと、体重計に乗らなくなる。

なんか以前と見えてる景色(=体型)が違うなあ……とは薄々勘づいているものの、数値にしてしまえば「事実(ファクト)」になるという恐怖感からつい目を背けてしまうわけです。

でも、自戒を込めて言いますけど、体重計に乗りましょう。なんとなくモヤモヤ「太ったかも」と怯えていても、不愉快な時間がいたずらに過ぎるだけです。

それならば、「2.8kg太った」という明確な事実を認識したうえで解決策を考えたほうが、不愉快な時間が短くて済みます。

このような経緯から夏野、週4でジムに行っているのですが、全然体重は減りません。なんでだよ。というわけでケース②に行きましょう。

ケース②なんか筋トレの成果が出ていない気がする

週4でジムに通い、ウェイトトレーニングに励む夏野。ところが体重は落ちません。なんでやねん!ぶつけどころのない怒りが湧きますが、怒っていてもどうにもならないので、「具体」を見つめていきましょう。

トレーナーさんに頼んで記録を見せてもらうと、取り組む種目は変わっていないものの、回数、セット数、重量はしっかり増えていることが分かりました。

たとえばレッグプレスは、当初は40kg*10回*3セットだったのが、今では50kg*15回*4セットに。明らかに強度が上がっているわけですね。

このように数値を認識すると、「筋トレが甘いのでは?」という仮説はいったん取り除かれ、「じゃあ食事?」「もしかしたら、体重は変わっていなくても、体型は変わっているのでは?」など、次の仮説に進むことができます。

もうお分かりのとおり、このへんになってくると、「なんとなく太った気がする……」からはすっかり脱出できています。あとは結果を出していくだけです。(まあ、それが難しいのですが。)

ケース③なんか博論が進んでない気がする

現在進行形で直面している課題です。

というのも、博論は全体像が見えないんですね。ページ数も決まっていなければ内容も決まっていないわけで、ゴールのないマラソンを走らされているような感じです。

これが仕事の原稿であれば、だいたいの文字数も、内容も決まっているのでプレッシャーを感じることはありません。全体像が見えているって、それだけでもずいぶん気が楽になるものです。

じゃあどうすれば良いのか。なるべく具体に落とし込むしかありません。

まずは研究室の先輩の博論を何本かダウンロード。ふむふむ、だいたいA4で200枚くらいか。Wordのデフォルト設定は1枚あたり1440字だから、30万文字くらいあればいいか。

7章構成が多いな、だとすれば1章で30枚くらいあればいいのか。1440*30=43200字ね。……のような感じです。

(上記は1枚をすべて文字で埋め尽くす設定ですが、実際には見出しや図表が入るわけで、びっしり30万文字ってことはなかろうと思います)

このくらい具体的になってくると、「締め切りまであと3ヶ月だから、1ヶ月に10万字は書かないと」とかいう話になってきます。そうなれば、少なくとも「なんか進んでない気がする」からは脱出することができ、精神的に健康でいやすくなります。

ケース④なんか仕事がうまくいってない気がする

最後は(ようやく)仕事の話です。再びこのnoteを紹介しますが、2022年〜2023年3月くらいまではバリバリ原稿を書いていたものの、4月以降はPdMやディレクターとしての仕事が主になり、成長を感じづらくなっていました。

それこそ、担当しているサービスのユーザーが10倍に爆増!みたいな結果が出ていれば良いのですが、残念ながらそういうことはなく。もちろんいろいろと手は打ったものの、数値に表れない以上、本当にこれで良いのかな、という思いは拭えませんでした。

そんなわけで、(外注先という立場を考えれば御法度ですが、)クライアント様に泣きついたのが11月。「私の介在価値って何ですかね、ちゃんと貢献できてますかね」とおたずねしたところ、「定量に立ち返ろう」というお話をいただいたわけです。

いわく、確かにこっちのサービスではこういう感じだけれども、こっちのサービスでは前年比◯倍を達成していると。もちろんすべてが私の力ではないけれども、大きく貢献しているのは確かで、「同じことばかりやっていて成長がない」という捉え方は違うんじゃないか、みたいな話でした。

そうしていろいろな数値を見せていただいたのですが、そこには確かに、前年比で◯倍の結果があり。「確かにな」と納得がいったため、ネガティブな気持ちの連鎖を断ち切り、次の提案へとつなげることができました。

(なので、年明けからはより積極的なアクションを起こす予定です)

この体験から何が学べるかというと、人間の感覚は容易に嘘をつくということです。「なんか同じことばっかり」と思っていても、実は数値が大きく伸びているかもしれない。だとすれば、「なんとなく」で落ち込んでいる時間はまったくの無駄です。

もっと恐ろしいのは逆のパターンで、「最近ノリにノッてるわ」と思っていても、実際には数値が下がっているかもしれません。自覚症状がないうちに衰退しているなんて、めちゃくちゃ怖いですよね。

だからフリーランスは、感情を捨てて定量的な実績だけを見るべきだと思います。売上、執筆本数、稼働時間など、客観的に数値に表れてくるところを基準にしていれば、嘘つきな「感覚」に惑わされることなく走り続けられます。そして、パフォーマンスが下がってきたときにもすぐに気付けます。

これはマラソンとかでも同じ。「もっと早く走ったほうがいいのかなあ」みたいなことを感覚で捉えて焦るくらいなら、「1kmあたり〇分、すなわち100mあたり〇〇秒で走る」と決め、守り続けるべきなのです。

といっても、なかなかそれが難しいんですよね。今日のnoteは、自分自身がうまくできないからこそ執筆した意味合いが大きいです。しんどいときこそ、数字に向き合って淡々とパフォーマンスをし続けましょう。

とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。