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『ワールドワーク2023』から半年が過ぎて vol.1

ワールドワーク2023
〜葛藤・対立を変容させていくための対話促進アプローチ〜
「ジェンダー・セクシュアリティ」をめぐる様々な声
に参加してから、あっという間に半年が経った。

ワールドワークLABO合宿2023に参加したあとに書いたnote記事はこちら
https://note.com/natsunokirin/n/na21abda98548

ワールドワーク2023に参加してから、私自身にも、私を取り巻く世界の見え方や捉え方にも、変化がじわじわと起き続けている。

どんなことがこの半年間の私の中で起きているのだろう?

言ってしまえば、合宿はたったの3日間だったわけで。

でも、そのたったの3日間で私の心に植えられた種がすくすくと芽が出てきている感覚がある。

いくつかの芽が出てきているので、どんな芽が出てきていて、それは何によって起こっているのか?などを忘れないようにしたくて、何回かにわけて書いていきたい。

今回は、一番身近な人との間に起きていることを書いてみよう。

一番身近な人との会話の内容や質が変わってきた

ワールドワーク2023に参加した後の具体的な日常の中の変化として、一番に思い浮かんだのは、一番身近な人との会話のことだ。

一番身近な人である夫(=パートナーと書きますね!)との会話の内容や質が、かなり変わってきたと感じる。

パートナーとは、テンポは違うけど、趣味や好みが合うし、価値観も重なる部分が多いこともあり、もともとよく会話するし、仲も良い方だと思う。

ワールドワーク2023に参加してからは、少しずつ話すことの内容や質に変化が起きている。

まず、一つの変化として、世界で起きている大事なことをテーマにした映画を一緒に見るようになった。

ガザのこと、トランスジェンダーのこと、アイヌのこと。

映画を見終わったあと、
どんなことを感じた?
私たちの日々とどう繋がっているのかな?
実際のところこういう場面があったらどうするかね?
それってこんな風にも捉えることができるかも?
などなど、ゆるゆると深い話を話をするようになった。

これまでももちろんニュースとかは見ていたし、世界で起きていることも一定知ってはいた。

でも、世界のことと私たちのこととの繋がりに丁寧に思いを馳せて語り合うということをしたことがなかった。

けど、やってみると、とても意味を感じるようになったし、これまでよりもパートナーの考えていることをさらに知れるようになった。

楽しいというより、こういうの大切な時間だね、ということが共有し合えるようになった感じがある。

ようやく話した心がザラッとしたこと

そんなことを重ねていたら、気づくと、子育てのことも自然と深く話せるようになった。

パートナーはパートナーで日々の中で感じていることがあり、私は私で日々の中で感じていることがあり、感じ方や選択する行動が違うことがわかってはいたけど、根本では同じ痛みや怖れを抱えていることがわかったというエピソードがある。

子どもの不登校だった時期のこと。

私は周りの同僚や仲間に「子どもが学校に行かないという選択をしていてね」と比較的よく話していた。

「そうなんだね。もしかしたら、親として大変なこともあるんじゃない・・・?話を聴いて欲しいことがあったら、いつでも話を聴くよ。」とそっと寄り添ってくれる言葉をかけてくれる人もいた。

その一方で「そんな気にすることないよー!学校に行かなくても全然大丈夫だよ!」と声をかけられることもあった。

きっと私のことを励まそうとしてくれている。
それはわかる。

でも、私の心はザラッとする。

私は子どもが学校に行かないと選択をした時に、拒否感は大きくはなかった。
本人が意を決してそう伝えていることがわかったから、本当に今は辛かったり、学校に足を踏み入れることへの恐怖があるんだろうと受け止めて、本人の意思と選択を尊重したいと思った。

でも、「学校に行かなくて全然大丈夫!」とは思っていない。

やはりその時期に友達とともに学ぶこと、同級生や先生や先輩後輩など周りから刺激を受けること、勉強以外の経験を通して豊かな思い出ができること、生涯を通した大切な友達ができること、悩んだり楽しんだり泣いたり笑ったりしながら学校での日々を過ごすことは、やはり大切で豊かな時間だと思う。

だからと言って、学校に行かないから不幸だとも思わないし、人生終わったなんて全然思わないし、恥じることでもないと思ってはいる。

とはいえ、やはり「学校に行かなくても全然大丈夫!」と手放しでは言えない。

学校に行かないという選択は、子どもの今や将来への様々なインパクトがあるということは間違いなく存在して、そこへの葛藤や悩みが多方面にある。

そんな葛藤や悩みをないことにされるような、乱暴にも聞こえる「全然大丈夫!」に心がザラッとしていた。

その渦中にいる時は、そのザラッとした言葉のことを誰にも言うことができず、心の中にただただ溜めていた。

だって、誰かが悪いわけではないしな、と。

数年経った今、パートナーと話している中で、
当時こんなことを言われてね、なんかすごく嫌だったんだよね。
悪気はないってわかってるから、嫌な気持ちの向け先がなかったんだけど、でも心がザラッとしたのをまだ覚えていて、心にその感じが残っているんだよね。
と、ポロッと話すことができた。

パートナーは、
あぁ、それわかるわ。嫌だよね・・・。
よく事情を知らない他者からそういうことを言われて心をかき乱されるのが嫌だから、自分は周りには一切話さずにいたんだよね。
と話してくれた。

さらに、パートナーが話してくれたことがあった。

今でも子どもが朝起きにくい日があると、ドキッとする。
またあの日々がやってくるかもしれないと不安になる瞬間があるんだよね。
と話してくれた。

不登校になってしばらく経った頃、子どもが朝、全然起きられなくなり毎朝毎朝、1時間くらいかけてあの手この手で起こすということをやり続けて、それでも起きられずみたいなことが続いた。
結構長い間。多分、1年近く。
私もパートナーも、それにものすごくフラストレーションが溜まってものすごくしんどかった。

学校に行かないという選択肢は尊重できたけど、昼頃に起き出してくることは許容できなかった。

今だから、なぜ許容できなかったのか?が客観的にわかる。

朝起きられないとか、他にも生活面で色々あったのだが、そういう姿は、まるで子どもの生きる気力や希望が減っていく姿を目の当たりにしているように感じて辛かったということだ。

そんな日々のことが思い起こされて、また同じことが起きたら・・・と、不安が一瞬頭がよぎるというパートナーの話だったわけだ。

うん、そんな痛みって確かにあったよね、そして、それって怖れや不安という形でまだ消えずに心に残ってる部分があるよね、とパートナーも私もようやく言葉にしてわかち合うことができた。

それぞれの考え方も行動も違う部分はあるけど、奥にある痛みとか怖れは同じだったんだなと思って、私たちはともにこの道のりを懸命に生きてきたんだねぇ、としみじみ思った。

ワールドワーク2023から持ち帰ったこととの繋がり

一番身近な人との関係性の中での変化やできごとは、私がワールドワーク2023から持ち帰ったことと、一体どう繋がっているのだろう?

ワールドワーク2023で私が持ち帰った「世界と私との繋がり」。

この世界と私との繋がりという意識をきっかけにして、世界のことを身近に引き寄せて考えてみたり、まずはともあれ身近な人と話してみることをやってみた結果、パートナーと話す内容や質の変化が始まったように感じている。

さらに、その始まった変化を促進させたのは、
「深いところで相手の中に自分を見つけていける」
「心を開いて心の奥深くにあるものを出すことで、癒やしや希望が訪れる」
をリアリティを持って体に刻まれたワールドワーク2023での体験があり、その体験への信頼があったこと。
だから、パートナーとの会話の中でも、心の奥に仕舞い込んでいた心がザラッとしたことを話してみる、ということが可能になったんだろうと思う。

さらに、それを支えた器として、「起きることにはすべて意味がある」ということ。
辛かった、しんどかったなという思い出も、そこにどんな意味があったんだろう?と好奇心を持てるようになったことで、ようやく心がザラッとしたことを話しても大丈夫だ、そこにも意味があるんだ、と私の気持ちが変化したのだろう。

ワールドワーク2023から半年経つ中で、こんな風に現実の、しかも一番身近な人とのリアルな関係性が動いているのって、なんだかとても興味深いこどだなと思う。

マイクロアグレッションという言葉

最後に、マイクロアグレッションという言葉を紹介したい。

私はプロセスワークの学びに出会う中で、マイクロアグレッションという言葉を知った。

マイクロアグレッションとは、思い込みや偏見によって無自覚に相手を傷つける言動のこと。

まだこの言葉の認知度は低いと思うのだけどとても大切だなと思う。

この言葉を知って、あぁ、あの時、私の心がザラッとしたことはこれだったんだなとわかった。

大きく明確に刃を向けられて傷つけられるということではない。
なんなら良かれと思ってだったり、私の気持ちを軽くしようとして言ってたりする。

だから、仕方ないか・・・と自分の中でなかったことにしがちだったり、空気を壊したくなくてうまく相手と関われなかったりする。

一方で、このマイクロアグレッションは、私もやってしまってることがこれまでもこれからも間違いなくある。
絶対あると思う。

マイクロアグレッションをしないようにしよう!ということでもなく、マイクロアグレッションだよ!と言うことで分断をさらに広げるような使い方をすることでもなく、まずはマイクロアグレッションということが世の中でたくさんたくさん起きているよってわかっている人が増えるだけで人と人との繋がりが生まれやすくなると思う。

私も、周りの人に少しずつ少しずつマイクロアグレッションのことをシェアしていきたいなぁと思っている。
自分が受けるマイクロアグレッションのことを実際に伝える場面では難しさも感じるけども、それも一步ずつ。

マイクロアグレッションについては、Dayaさんのnote記事がとてもリアルで真に迫るものがあるのでぜひぜひ読んでみてもらいたい。
大切だと思ってくれたならシェアをしてくれたら嬉しい。

ちなみに、ワールドワークをどっぷり体感できる合宿が今年も10月にやってくる。

本当に濃厚な3日間が今から楽しみ過ぎて、ワクワクが止まらない。

2回目のワールドワークに私は何を感じて帰ってくるのかなぁ。

関心ある人は、勇気を出して行ってみるといいよ!

早割は4月末までだそう。
ワールドワーク2024 〜葛藤・対立を変容させていくための対話促進アプローチ〜「ジェンダー・セクシュアリティ」をめぐる様々な声

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▼続編vol.2とvol.3も書きました!
ぜひ合わせてお読みください!


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