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【出産レポ】仮に余命が半年だとすれば、子供を産んでみたいと思った

こんにちはなっこ(@nakko_pen)です。
しばらく離れていましたが、母親になって舞い戻りました。

結婚して4年目、ただ夫への愛を叫んでいた私のtwitterですが、なんと新ステージ「母親」へと進化しました。今この瞬間も、ベッドに置いた途端世界の終わりかのように泣き叫ぶ娘を抱っこ紐でお腹に抱え、左右にゆらゆらと揺れながらキーボードを打っています。


元々そんなに子供を産むことに興味はありませんでしたが、タイトルの通りです。

結局私は自分の命の期限が無限かのように常に錯覚していて、それならば別に子供はいいか〜と思っていたのですがふと、残り半年で死ぬ!と言われたら何をしたいかな?と考えたときに最初に浮かんできたのは「子供を産んでみたい」だったのです。不思議。(まあ物理的に余命半年と言われた瞬間に子供が欲しいと思っても無理なことは承知ですが)

夫は無類の子供好き&動物好きなので、私さえ覚悟を決めれば夫婦間の話し合いはすんなりと進むことはわかっていました。もしかして、30歳という年齢になってみて私は自分の”次の生き方”を試してみたい気持ちになったのかもしれません。


さて、幸運にも妊娠生活は、つわりもそこまで重くなく、一時切迫早産で自宅安静になりながらも入院などの大きなトラブルはなく、順調に進みました。臨月になって大きくなった自分のお腹のせいで、足腰がガタガタで、何をするにも身体のどこかが痛かったことが一番辛かったかもしれません。何もかも初めての経験で、10ヶ月かけてゆっくりと私は「母親」になる準備をしました。


予定日が近づき、毎日ソワソワしていた私ですが、結果的に予定日の10日前に出産することになりました。痛みに弱いので、もちろん選んだのは「無痛分娩」。でしたが、普通に痛かったです。もちろん、自然分娩と比較すれば痛みに耐えていた時間は短かったと思いますが、お産がこんなに苦しいってどういう人間の構造のバグ??痛みに耐えたから愛情が芽生える的な話は断固共感しませんが(帝王切開など色々な種類のお産があり、痛いことが必ずしも愛情形成につながる科学的根拠がないと思っているので)、これだけ壮絶な経験をして産んだ我が子なんだから絶対に毎日を大切に、我が子の成長を一番近くで見守っていたいと感じています。


お産はもちろん人それぞれですが、将来的に出産する可能性のある方の参考になれば(なるかわかりませんが)と、私の出産レポを残します。


1日目 11:30
健診へ行く。NSTしたら70くらいまで7分おきくらいに張ってたけど自覚あまりなし。子宮口3cm、ベビー3300gあると言われて、早く産みたいですと懇願したら、無痛希望だったので今日無痛麻酔するためのカテーテル処置して様子見ましょうということでそのまま入院することになる。テンション上がって外で待ってた夫に報告。

13:00
病室へ移動して分娩着?に着替える。赤のチェック柄のぺらぺらワンピース。なんだかそれを着た自分の姿が面白くて鏡の前でニヤニヤする(まだ余裕がある)。夫と2人で暇を持て余してソワソワする。腰が少し痛い。着替えたら内診の影響か、少量の出血あり。

14:00
左腕に針刺されて点滴と繋がれる。出血したときとか血圧下がった時用らしい、普通に痛くてテンション下がる。麻酔科の先生が手術中のため、終わったら背中にカテーテル刺される処置しまーすとのこと。暇。お腹すいたのでウィダー飲む。(固形物NG)

15:45
無痛の準備措置で背中にカテーテルを入れる。それを入れるための麻酔が痛くて怖かった。無痛にするのも大変なんだなぁ…終わった後、NSTつけてしばらく放置される。全然陣痛進んでないと思う。左腕の点滴が地味に痛くてストレス。

17:20
一度車を家に置きに行った夫、わたしが持ってきてなかった荷物(メガネとか)を持って再度登場。1人で暇だったので嬉しかった。

18:00
明日まで絶食と思い込んでいたが、陣痛全然来てないため普通に夕食登場!大喜びで完食する。美味しい。点滴とカテーテルの違和感を感じる。少しの痛みでも精神的にストレスなので、「点滴 痛いとき 対処法」とかで検索する(結果、私の場合は点滴に異常があるわけではなかったので、特に対処法なし)。

20:00
面会時間が終わるので、夫一度帰宅。陣痛来てたら残れたらしい、残念。ちょっと寂しくなる。

20:30
助産師さんがNSTつけにくる。今日最後ね〜!って言われて、これで陣痛来てたら、また夫に来てもらうの申し訳ないな〜と思いながらテレビ見て待つ。一度120超えたくらいであとは60くらいの張り。1時間で4回くらいしか張らなかったので、おやすみなさい!と言われる。
NST中、カテーテル入れたところが痛かったけれど、心音取れなくなったら良くないと思い我慢する。終わった後立ち上がったら腰が激痛になりテンションが下がる。気がつかなかったけれど、これは陣痛の始まりだったのかもしれない。

21:30
テレビを見ながら、持ってきたお菓子を食べて自分を励ます。腰と点滴の腕が地味に痛い。この時も気づいていなかったけれど、その腰の痛みは陣t…

24:00
寝よかな〜腰のカテーテル気になるな〜と思ってたら助産師さんが様子を見に来る。陣痛全然来てなくて気まずいと思ったので寝ることにする。(でも腰はとにかく痛かった)

2日目 2:00
腰が痛過ぎて目覚める。肋も痛いし、タオルを腰の下に入れて体勢を試行錯誤する。いや、この分娩台&ペラペラワンピースで寝るの無理くない?と一人でヘラヘラする。多分陣痛だった。

5:30
NSTされる。どうやら5,6分間隔で張ってるらしい。腰と肛門が張るたびにジワジワ痛くなってくる。生理よりちょい痛いなーくらいだけど全然耐えれる。助産師さんに手を突っ込まれ、何と驚き6〜7センチもう開いてた!!もしかしてこの腰痛、ベッドのせいじゃなくて、陣痛だった?とここで初めて気が付く。

6:00
先生登場。サッカー観るために早く来てたらしい。この日まさかの日本がドイツに勝ったらしい。すげー!めでたい!今日産みたい!とテンションが上がる。

「無痛せっかくやるんだし、ここからが痛いからもう麻酔いれちゃおっ」

って言いながらちゃちゃっと麻酔入れてくれた。そもそもそんなに痛くなかったので軽減されたのかよくわからず。ただ麻酔のおかげで導尿の管入れるの全然痛くなかったのは良かった。あと辛かった腰痛が気にならなくなる。だから、腰痛ってつまり陣痛だったのでは?

6:30
旦那に電話。このままつるんと出てこられたら間に合わないのでもう病院早めに来ちゃえば〜?と伝えたら寝ぼけながら「全然寝れなかった…」と言ってた。めちゃくちゃ声寝ぼけてたけど、ほんとかいな。

7:45
朝ごはん来る。完食。あれ?無痛の麻酔入れてるのに普通に食べて良いんだ??促進剤少し入れる。ご飯の途中で強めの張りが再開したのがわかる。

7:50
夫到着。

8:15
お腹の張り完全復活、3〜5分おき。ぜーんぜん痛くないけど張ってるのはわかる。え、無痛最高すぎん?余裕すぎて友達とか家族にLINEで実況中継する。私はこのまま、余裕の気持ちで昼ごろにはすぽんと出産が終わると信じていた。

9:30
張りが2分間隔になる。子宮口も8cmでめちゃくちゃ順調。全然痛くないので余裕でテレビ見る。サッカーの話題で持ちきり。夫がやることなさすぎて逆にソワソワし始める。謎にうやうやしくお茶とか飲ませてくれる。私があまりにも余裕なので、逆にやることなくて退屈だったと思う。私たちは完全に甘く見ていた、「出産」を。

10:30
内診してもらったら知らない間に破水してた。まだ痛くない。赤ちゃんが下がってきてないからベッドの上で座ってて〜と言われる。「重力がんばれ!」と思いながら前後にゆらゆら揺れてテレビを見る。痛みがなさすぎてお産が進んでいる実感がない(実際進んでなかった)。

11:30
子宮口全開!!!残ってた卵膜?ベリっとしてもらって残った羊水がドバッと出てくる。その処置は痛くなかったんだ、けれど…ここから突然猛烈な陣痛に襲われる…私はまだ知らなかった、こいつが無痛の麻酔という最強の武器が効かない最悪の敵だと…

11:45
ニコニコしながら助産師さんが昼食を持ってくるが、突然2〜3分おきに訪れた陣痛と戦うのに必死過ぎてひとくちも食べれず。痛みに震えながら麻酔追加してもらう。きっと、麻酔が効けば大丈夫!と自分に言い聞かせて痛みに耐える。痛みの波がきている間は話せないくらい痛い。

12:00
ここから、私と陣痛との長い長い戦いが始まる…(ここから記録なし)

子宮口は全開なのに、赤ちゃんが降りてきてない!あと一歩のところで突然前進を止めた赤ちゃん。一体あなたにどういう心境の変化が、、?朝から今まで痛みもなく全てが順調だったのに、、? 

ひたすら降りてくるまで促進剤→麻酔→促進剤→麻酔の連続注入!!合間に襲いくる陣痛!!夫に腰を押してもらう。痛すぎて途中で吐きかけるが、ビニール取っての一言が言えないくらい陣痛が痛くて、出かけたブツを涙目になりながら飲み込む。

「いきみたい感じある〜?」

って助産師さんに何度か聞かれたけど、全然ない!赤さんが下がってないの!恥骨と腰、収縮しているお腹全体の筋肉が爆裂痛いです!ただそれだけ!!

痛すぎて全身の筋肉が硬直して身体が震える。なんかtwitterの誰かの出産レポとかでとにかく呼吸が大事と読んだことを思い出して必死に息を吐く。間違いなく人生で味わった痛みの中で最上位だった。

なぜかここにきてお産の進行が遅くなったため、陣痛の合間に助産師さんが

「写真、病院のInstagramに載せていい〜?」

とか

「看護の実習してる学生連れてきていい〜?」

とか出産に全く関係ないことに時間を使い始める。痛過ぎてまじで何もかもどうでも良かったので全て同意。いいよ、もう好きに使ってくれ。私の痛みを何かの役に立ててもらわないと報われないわ。

16時までにお産が進まなかったら、吸引などの処置を考えます。と助産師さんから宣告され、

(吸引したら頭伸びちゃうじゃんか!!!!!!)

という私の気持ちが赤ちゃんに伝わったのか、16時前ギリギリで赤ちゃんが出口に近づいてくる。


15:45
何やら足元がバタバタし始める。試しに数回いきんだら行けそうという判断が下されたらしく、分娩台がトランスフォームし出産体勢へ。

足にカバーかぶせられたり、お尻の下に何か敷かれたりする。

足元には担当の助産師さん、赤ちゃん洗う人、研修の学生2人とその教育指導看護師、産後措置してくれる医師(カタコトの日本語のおじいちゃんアメリカ人)と、産まれてくる赤ちゃんもビックリの大賑わい。

いきみかたが上手いとめちゃくちゃ褒められ(ありがとうサンシャイン池崎)ながら、3回ほど陣痛来たタイミングでいきんだら、頭出たよ〜!と言われ、股の間から触らせてもらう。ヌルヌルしてて何とも言えん。

その後3回ほど陣痛に合わせて踏ん張って(1陣痛あたり3回くらい踏ん張る)肩までずるりんと赤ちゃん誕生。私の股は少し裂けたっぽいけど、全く痛くなかった。ここにきてちゃんと股には麻酔効いてた感謝。もうそれだけでいいよ。

出産直後の感想は
「やっと終わった…(10ヶ月の妊娠生活含め)」でした。

16:05
助産師さんが引っ張って胎盤と臍の緒が登場。一応見せてもらったけど普通に内臓だった。血だらけやし。

17:00
措置終わり赤ちゃんと夫が隣に来る。写真撮ったり、授乳してみたりする。生後2時間とは思えない吸い付きの力の強さ、乳首千切れるかと思った。びびった。

18:00
LDRから個室へ移動。人生初の車椅子にちょっとテンション上がる。夫帰宅。明日から母子同室なのでゆっくり休んでと言われたので、忘れないうちに出産レポを書き始める。

多分初産の平均時間くらいだったし、子宮口全開まで全く痛みがなかったので、きっと楽なお産だったんだろうとは思うけれど、今のところは二度と体験したくないと思っています。股からダラダラ血が出てるのが分かるし、ロキソニン(偏頭痛持ちなのに妊娠中飲めなくて辛かった、やっと飲める)飲んだけれど普通に縫われた傷が痛い。

出てきた赤ちゃんはまだ全然我が子という実感がない、あ、どうもこんにちは。って感じ。私の生まれたての写真にわりと似てると思った。


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今私のお腹に抱かれてすぅすぅと寝息をたてている我が子は、間も無く生後一ヶ月になります。お互い初めての経験ばかりで、上手くいかないこともありますが、やっと「親と子」であるという実感が湧いてきました。毛穴の無い(羨ましい限り)つやつやの肌、もちもちのほっぺ、柔らかい髪の毛、小さな手も足も全て可愛くて、このままずっと大きくなってほしくない気持ちと、早く大きくなっておしゃべりしたい気持ちと、たくさんの楽しみができました。

出産という経験自体はもう二度と経験したくないくらい壮絶でしたが、それを超える幸せな毎日なので、「まあこんなに幸せな経験を手に入れるためには出産の辛さも仕方なしか」という気持ちです。笑

まだ親になって一ヶ月、何もかもが手探り状態ではありますが、気負いすぎず、3人になった家族で毎日を楽しく過ごせたらいいなと思います。

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