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思い出のパンプス

今は全然パンプス持ってない私だけど、昔はたくさんのパンプスを履いていた。
大体足に合わなくて、痛くてほとんど履けないのだが、それでもやっぱり素敵な靴を見ると「今度こそいけるんじゃないか?」と一縷の望みを持ってしまい、買ってはやっぱり無理…という悲しみを繰り返していた。
一方で、ごくまれにどこも痛くなく、ガンガン歩けて服にもバッチリ合う!という最高の靴もあった。
そんなわけで、特に思い出深かったパンプスについて書く。どれも大好きだったよ…😭



銀座かねまつ フラットパンプス(ブルー)


パンプスと言えばヒールが当たり前だった時代、フラットのオシャレパンプスが初めて出てきた頃の靴。(中高年班の昔語り)
パンプスには諦めを抱きながらも、それでもやっぱり憧れを捨てきれない若かった私。
ポインテッドトゥの浅履きだけどフラットなら履けるかもしれない、という微かな望み、そしてなによりスエードの淡いブルーの美しさにどうしても抗えず…買ってしまった。
案の定、というか、それまで買った靴の中でも相当に痛くて、結局2回くらいしか履けなかったけど、色があまりにも好きすぎて、その後何年も捨てられずずっと玄関の下駄箱に仕舞われていた。
扉を開けるたび目に入る、履けない大好きなブルーのパンプス…
私が最初に思い出すパンプスです。。。

カルツェリアホソノ 黒パンプス


初めてサイズオーダーして買ったパンプス。雑誌に載っててどうしても欲しくてわざわざ青山まで買いに行った。今思えばおそらく当時から、普通のお店で売ってるパンプスは痛かったんだと思う。じゃなきゃ学生のうちからオーダーなんてしない。
そんなどきどきしながら行ったお店だけど、「お客様の足は全然健康ですよ〜(もっと状態の悪い人はたくさんいますよ)」と軽くいなされたような覚えがある。多分私は、普通のお店の靴は痛い、とか言ったんだろう。そして店員さんは日頃もっと重いトラブルを抱えた足をたくさん見ていたから、安心させようとしてそう言ったんだろう。もはや覚えてないので記憶というより推測だけど。
結局一番ベーシックなラウンドトゥの黒いローヒールパンプスをオーダー。でも結局これも痛くてほとんど履けなかった。
今なら徐々に履き慣らしたり、部分的に当たるところを伸ばしたり工夫して、もう少し履けるように出来たと思う。せめてお店に調整に持って行くとか。でも当時はそういう知恵も度胸もなかった。(それにそもそも黒いプレーンパンプス、そんなに好きじゃなかった!)
そんな初オーダーの思い出…


銀座かねまつ ミススレンダー


履けない靴のことばかり書いてるが、とても足に合ってガンガン履けたシンデレラシューズだってある。
かねまつの幅狭ライン「ミススレンダー」のストラップパンプス。4.5センチくらいの細ヒール、黒エナメルのラウンドトゥ。全体に華奢な靴だったけど全然痛くなくて、たいへん愛用していた。あまり修理とかをしない私が、ヒールのエナメルの剥がれを直し、伸びてきたストラップの穴を増やし、ストッキングでは緩くなってもタイツに合わせて、限界まで履き続けていた。
ミススレンダー(今は「スレンダー」ですね)は幅狭というより甲薄? 噂によるとD幅の靴の底を上げて内径を小さくしているとのことだけど、多分私には合っていたみたい。ただ他の木型はダメだったので、本当に靴ばかりは履いてみないとわからない。
黒パンプスでもエナメルだったり、ストラップの位置、トゥがちょっと幅広めの丸みを帯びた形だったり、少しクセのあるデザインも大好きだったなぁ…☺️


カムイウォーターマッサージ ストラップパンプス(バーガンディ)


もう一足、とても愛用した靴を。卑弥呼のコンフォート系?ライン、カムイ(今は「ウォーターマッサージ」ですね)のセパレートタイプのローヒール。

”はだしのつぎにきもちいい。”をコンセプトに
水様液(水のような液体)が入った、インソールを搭載。
着地の衝撃を吸収し、楽に履けるシリーズです。

公式サイトより引用

上記のとおり、中敷に液体が入って独特のフカフカ感がある特徴的なブランドで、痛みに弱い私は何足もここの靴を買っていた。やっぱり木型やデザインによって合う合わないはあるんだけど、このセパレートパンプスは本当に楽に履けて大好きだった。ほとんどフラットに近いローヒールながらポインテッドトゥでキリッと細見えしたし、色がバーガンディというのも絶妙で。
バーガンディ(当時は「えんじ色」と言ってたよ)は、私にとって黒と茶の両方をこなしてくれる最強カラーで、黒だと重いし茶だと野暮ったいという時に、バーガンディなら足元にちょうど良い明るさとオシャレさ、赤系ならではの華やかさが出る。
今の私は選ばないけど、20代の元気な私にはピッタリの靴だったなと思う。


銀座ヨシノヤ 黒パンプス


最後の一足は、母から譲り受けたヨシノヤのパンプス。5センチくらいのチャンキーヒール、黒いスエードとスムース革のコンビ、アッパーにワンポイントの小さなフリンジがついたレトロな雰囲気の靴。
小学5年生から毎年、ピアノの発表会に出るときに借りていた。ペダルを踏むのにコツがいったけど、黒いベルベットのロングスカートとこのパンプスでステージに出るのは、子どもながら密かに胸がどきどきするような瞬間だった。
(まあ例え普段着でも、ステージ本番は緊張でどきどきするけどね!)

のちに母は足を悪くしてこの靴が履けなくなり、私が譲り受けることに。やはり親子で足の形が似ているのか、踵の重心の位置やボールジョイントがちょうど合っていて歩きやすかった。
とはいえ、若い頃はちょっと古臭いな…と感じてめったに履かなかったが、時が経つごとにこのレトロな雰囲気が良いなと思えてきて。
そして昔の靴は作りがしっかりしていてとっても長持ちしたので、ごく最近まで履き続けていた。
ここに書いた靴の中で一番長いこと下駄箱にあった靴。母と私の二代で、それこそ何十年と一緒に過ごした靴だった。

   *   *   *   *   *

そんなわけで、完全に個人的な思い出話でした。
ここまで読んでくださった方がもしいたら、嬉しいです。ありがとうございます😊😊😊
靴、やっぱり好きだな!

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