見出し画像

かまいたちの2本目のオチ

M-1グランプリは敗者復活戦からリアルタイムで全部観ていた。各々のネタの感想・批評などはしゃらくせぇお笑いライターorハガキ職人or ZOC聴きながらインナーカラー染めてるサブカル女子大生に任せるとして、私が書きたいのは「かまいたちの2本目のネタ」そのオチの、しっくりこなさに尽きる。

まずネタ終盤、濱家さんが「トトロ見てないよって人ー!」と客席に語りかける。これも当然ネタの一環なのだろうし、画面で見る限り実際に手を挙げている観客など一人もいなかった。しかし、M-1グランプリという大舞台、しかも最終決戦である。例えネタの一環だとしても、客席を巻き込むような営業的アクションは正直、冷めた。

して、山内さんの「あわわわ」みたいなリアクションである。この時間、かまいたち程の実力の持ち主であれば、もっと有効に使うことが出来たと思う。漫才も冒頭であればあの程度の静かな時間があっていい。しかし、1本目も含めてあれだけ美しいネタを披露してきたかまいたちである。あの山内さんのリアクション、話の流れとしては当然の動き方ではあるが、それを超えるトリプルルッツが個人的にはもうちょっと欲しかった。

そして大オチ。「火垂るの墓も観たこと無いんですよ」。火垂るの墓。重い。戦争モノの悲しい作品であることが観客のテンションを多少なりとも下げるし、トトロほどメジャーではない。タイタニックの方がまだメジャーである。個人的に、自分自身、火垂るの墓を観たことがないというのも大きな要因かもしれない。だったらこのオチがイマイチだと感じたの、私のせいだ。

だからといって「ナウシカ」「ラピュタ」ではメジャー過ぎるし語感も悪い。単語としては六文字程度がベストであることは間違いない。いや、そもそもジブリ作品である必要があったのだろうか。

もちろん、ジブリ作品で〆るほうが漫才として美しい。なので、個人的にベストなキーワードを、ジブリ映画の中から選んでみた。

『もののけ姫』どうだろうか。

やはり語感が悪いかも知れない。もののけひめ、の、のの、の部分が発声しづらいし、ほたるのはか、に比べてバシッと聞き取れる単語ではない。この記事を書くにあたり、ジブリの全作品タイトルを調べてみたが、しっくりくるのはひとつもなかった。やはり火垂るの墓だったのか。しかし、重い。火垂るの墓。どうしても、節子それドロップやないおはじきやを連想してしまう。いっそ火垂るの墓の有名なセリフをパロディ化することによってオチに代えてみてはと思ったが、それでは余計な贅肉を最大限に削ぎ落とした今回のかまいたちの、魅力を損なってしまう。

やはり火垂るの墓だったのか……重い。

とまあ、生意気をかましてみた次第である。他のコンビのネタに対する批評は、ラ●ー遠田の何かでも読んでおけば間違いないんじゃねえの?知らんけど。

サポートいただくと、その方をベタ褒めする宣伝記事を書きます。マジです。プライドはありません。何でも褒めます。