《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第十二回:サトルの事件
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庁舎を出た瞬間、スマホから着信音が鳴った。露都は垂蔵に何かあったのかと思って慌ててスマホを取り出したが、通知バーが病院ではなく、絵里からのものだったので安心して大きく息を吐いた。彼は驚かせやがってと思いどうせサトルの帰宅の報告だろと思って電話に出た。しかし電話の向こうの絵里はあ……あとうめくばかりで話がまともに出来ない状態だった。露都は絵里の態度に不安を感じて落ち着いて一から話せと嗜めた。すると絵里は慌てちゃってごめんと謝ってから一息置いて喋り始めた。
「あ