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おじいちゃんはパンクロッカー

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伝説のパンクロッカーとその息子の葛藤を書いています。ジャバコア界の伝説的なバンドサーチ&デストロイのボーカル大口垂蔵は復活ライブを前にして突然リハーサル中のスタジオで倒れた。病院… もっと読む
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記事一覧

おじいちゃんはパンクロッカー 全編

ガン宣告 「俺、ガンなんだってさ。しかもステージ4で助かる見込みねえんだとよ」  こう…

秋(空き)時間
1か月前
16

《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第三十四回:サーチ&デストロイ復活ライ…

前回 全編へ  その時突然あちこちから歓声がなった。とうとうサーチ&デストロイが現れたの…

秋(空き)時間
1か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第一回:ガン宣告

次回 「俺、ガンなんだってさ。しかもステージ4で助かる見込みねえんだとよ」  と、病室の…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第二回:垂蔵と露都

前回 次回  大口露都は父の垂蔵を激しく憎んでいた。父につけられた自分の名前すら嫌悪して…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第三回:余命宣告

前回 次回  母が亡くなったのは露都が大学を卒業する直前だった。すでに入省が決まり、垂蔵…

秋(空き)時間
2か月前
8

《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第四回:親子ゲンカ

前回 次回  今そのクズの垂蔵が死のうとしている。母を結果的に死に追い込んだ男もまた母と…

秋(空き)時間
2か月前
8

《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第五回:母の死

前回 次回  翌日勤務中の露都の元に電話があった。彼はすぐにスマホを確認して相手が病院なのにゾッとした。アイツに何か異常でもあったのか。もしなんかあったとしたら。露都は文書作成中のPCの蓋を閉じて駆け足で事務室を出た。  病院からの電話は垂蔵が昼間に咽んで嘔吐したことの報告と、これからの入院費についての相談だった。看護師は体調の方はすぐに落ち着いて問題ないようだが、入院費の方は垂蔵に全く金がないということなので息子さんに支払ってもらえないかとの事だった。露都はこれを聞いて

《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第六回:母の遺書

前回 次回  母の葬式の喪主は露都が務めた。。垂蔵がとても喪主が務まる状態ではなかったた…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第七回:それから

前回 次回 「だけどアンタは全く変わらなかった。俺はアンタに母さんの遺書を渡した時、アン…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第八回:垂蔵のプレゼント

前回 次回  露都はふと昨日絵里がサトルの部屋から袋詰めで垂蔵のサトルへのプレゼントを持…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第九回:垂蔵のニュース

前回 次回  日が変わってもまだ露都とサトルの冷戦状態は続いていた。朝食の時も互いに口も…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第十回:ビデオの中の母

前回 次回  病院からの用件がなかったので、露都は普段通りに九時半まで残業した。いつもだ…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第十一回:仲直りの決意

前回 次回  翌朝、露都は起きると朝食をとるために台所へ向かった。彼はそこで偶然玄関のド…

秋(空き)時間
2か月前
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《連載小説》おじいちゃんはパンクロッカー 第十二回:サトルの事件

前回 次回  庁舎を出た瞬間、スマホから着信音が鳴った。露都は垂蔵に何かあったのかと思って慌ててスマホを取り出したが、通知バーが病院ではなく、絵里からのものだったので安心して大きく息を吐いた。彼は驚かせやがってと思いどうせサトルの帰宅の報告だろと思って電話に出た。しかし電話の向こうの絵里はあ……あとうめくばかりで話がまともに出来ない状態だった。露都は絵里の態度に不安を感じて落ち着いて一から話せと嗜めた。すると絵里は慌てちゃってごめんと謝ってから一息置いて喋り始めた。 「あ