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物語Vol.3 動き出した6月。

この物語の本当の始まりはこちら↑から。

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 令和からは自分に正直に生きると決意し、今後のあてもないのに退職してしまったわたし。せっかく自由な時間を手に入れたのに、夢も希望も生きる理由も見つからなくて、焦りや不安、恐れ、心苦しさといったネガティブな感情に押しつぶされて動けなくなっていた。そしてあっという間に令和最初の一ヶ月があっけなく通り過ぎていった。

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 そんなわたしに新しい風が吹いたのは6月4日。去年一年間お世話になった職業訓練校の恩師に会いに行った時のことだった。

 訓練校時代、日々ささいなことに傷つき、とまどい、途方に暮れては先生に助けられていた。いつも丁寧においしいお茶を淹れてくれて、わたしの話をさえぎることなく最後までちゃんと聴いてくれて、わたしが自分で前向きになるまでそばに寄り添い、支えてくれた人。

 そんな先生に、生きる理由を見失って動けない毎日を過ごしていることを話した。話すことで、ネガティブな闇に閉ざされていたわたしの心の中に、ゆっくりとやわらかな光が差し込んでいくのを感じた。

 状況は何一つ変わっていない。だけど、心境は明らかに変化したのだ。

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 一人家の中に引きこもり、増幅していく不安に身動きが取れなくなっていた日々。

 それでも生きることをあきらめるわけにはいかず、枯れかけの自分に水を与えるべく会いに行った大好きな先生。

 先生に話を聴いてもらいながら、軽やかに晴れ渡っていくわたしの心。

 晴れ渡った先に、こんな気づきが生まれた。

・・・すべてはうまくいっている。全部必要があって起きているんだ。

 動けなかった一ヶ月は、これから新しい空をはばたくための充電期間。あの一ヶ月で味わったすべての感情は、これからわたしが出会う人たちと分かち合う”共通言語”。夢や希望や生きる理由を見失っても、それでも生きることをあきらめるわけにはいかない人たちのために、わたしはきっと”光”を発信できる。

 状況は何一つ変わっていない。だけど、解釈を変えたら、展望が開けた。

 そしてその2日後、わたしは新しい一歩を踏み出した。

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