女友達②。

そうして彼女と電話で話したり、LINEで話したりしているうちに、私はいろんなことに気付いてしまいました。

話している間、彼女は私の行動に理解を示すような話し方をしながらも、終始先輩を庇っていました。「先輩が怒るのも分かる」とか「でもいい人なんだよ?私のことちゃんと考えてくれてるし」とか。何が?と思いました。いい人でちゃんと考えてくれている人は30も過ぎて軽率な行動はしません。

ただ、私は大きな勘違いをしていました。それは、彼女が本気で、心の底から、結婚や出産を望んでいるわけではなかったということです。

私は別に結婚して出産するのが全ての女性の幸せ、なんて更々思っていません。願望がない友人に勧めることも急かすこともしません。ですが、願望があるごく親しい友人には年齢的に焦るように言います。結婚はともかく、出産はリスクを伴うからです。かと言って、誰でもいいからとも思いません。誰と結婚しても絶対に悩みは出てくるから、どうせ悩むなら好きな人のことで悩んだ方がいいよ、と言っています。

彼女は依存心と願望が強いと思っていたので、そのように言っていました。ですが、私からしてみると彼女の願望は「結婚したいなー、出産したいなー」程度のもので、最優先事項ではなかったということに今更気付いたのです。

多分、彼女が求めているものはなんとなく続くゆるい毎日と自分が大きく傷つくことのない日々。毎日同じように仕事に行って、ご飯を食べて、週末には飲みに行って、買い物して、また月曜日から仕事に行く、そんな毎日。適当に気の合う女友達と、ちょっと気になる男友達と、他愛のない話をする。突っ込んだ話をするわけでもなく、しつこく追いかけるわけでもなく、誰も傷つけず、自分も傷つかない、そんな関係。

そっかー、そうだったんだー、と思いました。

何かを得るために必死になったり、努力したり、みっともなくなったり、時には決断して切り捨てることもしない。だってそんなことしたら格好悪いから。相手に嫌われるかもしれないから。失敗したら傷つくから。なんとなく平和に過ごしてた毎日が壊れるもん。だから、しない。

あー、じゃあ私がやったことはただただ余計なことでしかなかったなと反省しました。彼女は先輩を切り捨ててまで不毛な日常から抜け出して得たいものがあったわけではなく、なんとなく毎日を過ごすことが最優先の幸せだったんだなって。

そんないろいろに気付いてしまったよ、余計なことしてごめんね、と謝りました。

そして距離を置きました。


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