タイミングって本当に大事です。

全てにおいて合う必要はないんです。ただ、ここぞという時、絶対に外してはいけないタイミングってあると思うんです。

私にはもう一人、仲のいい女友達がいます。

彼女は高校からの友人です。朝全く起きれない人で、遅刻しすぎて授業日数が足りず高校を留年しかけたくらいです。約束した時間に来たためしがないので、時間に間に合うことなんて期待しなくなりました。高校３年生の時は、私は毎朝起きてからと学校についてからと一日２回モーニングコールをしていました。それでも彼女が学校に来るのはお昼頃でした。休日に約束をすると、起きなきゃいけないだろう時間と家を出なきゃいけないだろう時間に電話をしました。30を過ぎた今でも約束をすると「モーニングコールは必要？」と聞きます。

そんな彼女なのに、ここぞというタイミングは外さないのです。

大事な時のフットワークが軽いというか、この数か月友人とモメている間も、夫が救急車で運ばれたんだとそれとなく話しただけなのに、「何か必要な物ない？」と数分後には差し入れを持って病院まで来てくれました。病院に運ばれて30分程度で終わると聞いていた処置が実際には３時間近くかかり、ご飯も食べず夜中になっていたのでとてもありがたかったです。

ケンカした友人となんとなくもう戻れないことを感じ、少し気分が落ち込んでいた時に「なんか話したいなー。電話するかも」とLINEを送ったら、「家に行くよ！」と子どもが寝静まった頃を見計らって、残業の後に何十分もかけてわざわざ来てくれたり。特に状況を詳しく話すわけでもないのに、普段はとってもルーズなのに、そういう時は絶対にすぐ来てくれるんです。

こういうのって大事だなって、つくづく思うんです。だから、自分もそういうタイミングは絶対に外さないように心がけています。

ケンカした友人と「戻れそうにないね」という話をした時に、友人は「戻りたいって言われて嬉しかったけど私の考えは何も変わってないから、また同じようなことになるんじゃないかと不安があった」と言っていました。そういうことじゃないんだけどな…と思ったけど、言いませんでした。

私は友人に変わってほしいなんて一言も言っていません。思ってもいません。そもそも友人の願望の本質については私が読み違えてたなと思ったので、そうじゃなかったんだと納得したんです。だから、友人が「私は不毛だろうが報われなかろうが、今が大事！今のままでいい！」と言うのなら喜んで受け止めるんです。価値観なんてそれぞれ違って当たり前です。私にとってなんでもないものが他の誰かにとってはすごく大切だったりするんです。それでいいんです。

だけど友人はそうは言わないと思います。きっと彼女自身迷いがあり、今の状況じゃダメだと思っている部分と、今の状況を維持したいと思っている部分とで揺らいでいるのが分かります。だから開き直ってこのままを受け止めて！と言うことはできないんだと思います。

友人は多分、幼少期からの根強いコンプレックスを引きずっており、自分に心底は自信を持てず、人の目を気にしがちです。人がどう思ってるかなんて関係なく、思いっきりみっともなく我がままになって他人にぶつかっていくことができないんじゃないかと思います。そして、そうやって受け止めてもらった経験もないのかなと思います。

私も幼少期は人の目ばかりを気にしていました。ただ、卑屈にならないようにと両親にとってもおだてられて育ったせいか、何の根拠もない自信がありました。ずっと学級委員をしていたせいで人をまとめなくてはいけない場面も多く、陰口をたたかれることなんて日常茶飯事で、いろんな意見があって当たり前だと自然に消化できるようになりました。そのうち人の目を気にしすぎるのも馬鹿らしくなり、私はこんなだけど、受け止めてくれる人は受け止めてください！と思うようになって、自由になりました。自分でもなかなか性格に問題があると自覚してるけど、ありがたいことに親しい友人たちは「歪んでるのなんか知ってるよ」と言ってくれます。

きっと友人はとっても不自由なんじゃないかと思います。ぶつかっていったら受け止めてくれる人はいるのに、少なくとも私は受け止めるのに、終始受身でアクションを起こさない。それじゃ何も変わらないのに。こういうこと、もっと早く言ってあげればよかったと思うけど、タイミングを逃してしまいました。

もっと時間が経ったらまた話せるかな。その時、彼女が後悔が少ないことを願っています。