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プロレスにおける批判的な考察    その14

「スターダム」について 前編

 スターダムの勢いが止まらない。
 大昔の全日本女子プロレスしかなかった時代、「女子プロレス」はいわゆる「(男子)プロレス」とは異なるジャンルだった。「小人プロレス」と共に興行を行い、言い方は悪いが見世物的な部分があったように感じる。
 それがマッハ文朱以後、方向性が変わり、ビューティー・ペアやクラッシュ・ギャルズに代表されるように、主に女性をターゲットとしたアイドル的な人気を上げていった。人気の出たペアはレコード(古い)を出し、リングの上で歌うというのが定番であった。
 ベビー対ヒールという構図がしっかり描かれ、使われる技は“押さえ込み”に代表されるように、女子特有のものがあった。

 複数団体になってからだろうか。女子プロレスがよりスポーツライクなものになったのは。本物の“強さ”を感じさせる神取忍や復帰した長与千種がつくったガイア・ジャパン。「プロレスラー」=「アスリート」を感じさせた。

 そして・・・2000年代に入り、女子プロレスにまた変化が起きた。「アストレス」という名で選手を呼んだJD。そのマットに上がっていたのは、(プロレスができる)女優であった。
 さらに東京女子プロレスの発足。アスリートというよりはアイドル要素を前面に出したプロレス。

 俺自身、近年は女子プロレスにほとんど興味を持たなくなった。本音で言うと、多くの女子プロレスラーが「プロレスの真似事をしているアイドルになりたい女の子」にしか感じられなくなったからである。

 現役アイドルが「プロレスラー」としてリングに上がっているのだから信じられない。昔の全日本女子では考えられなかったことだろう。道場で厳しいトレーニングを積み、そこで残った者だけがデビューできたのは、女子だろうが男子だろうがいっしょだったのではないか!?

 もちろん、今もアスリートである女子プロレスラーはいる。長与率いるマーベラス勢や、同じく長与の遺伝子を継いだ仙台女子。彼女らの試合については、その体形を見ただけで期待できる。

 では・・・今を時めくスターダムはどうか?
 
 

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