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美術館で会った人だろ、アンタ。2

いやすまないね。
こないだ京都で甲斐荘楠音展見てきたんだ。
うん「横櫛」は知ってたんで現物見たかったんだよ。
土田麦僊センセイに、穢い画だ、
とケチョンケチョンにされたってやつだね。

この人は日本画の素養はあるんだけど、
日本画のプロトコルには無頓着だったんだね。
汚穢の中に美を見出すってのは芸術にとっては
ふつーのことなんだがね。
いや当時の一般常識とか
そんなつまんないことぢゃないんだよ。

フランスには
モリニエさんという立派に人生を全うされた
ヘンタイさんがおられた。
この人はなんだかものすごかった。
懲りるとか反省するとかなかった。
ずっとヘンタイさんで通された。
地獄の一生涯ってなもんだ。
だからみんなそのうちわかってきちゃった。
なんかヤバいけど立派なもんだって。

おまけの市川右太衛門の着物とか
そんなに感銘しなかった。
だって門外漢だし。
せめて「畜生塚」を完全版でお願いしたかった。

E.N.D.


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