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ドイツ 白紙のリレキ書 と 海外での暮らし

インスタグラムでフォローしている渡辺直美さんの投稿で「英語を話せないのに英語でPodcastを始める」というのを見た。「英語を喋れないことを個性にした」という彼女の投稿を見て、自分が暮らしている国の言葉を話せないことを「個性」にできるというのは彼女のように言語以外のところでのパフォーマンスができる人に限られるよなぁと思いつつ、それでも「できないから完璧になるまで・・と待つのではなく、出来るところから挑戦する」という彼女の考えにはとても同意した。

行動力は「癖」と一緒

学生の頃、いろんな国へ旅をしていたときも、社会人をやめてワーホリに行くことを決意したときも、ドイツに来ることを決めたときも、友人や家族からは、「行動力がある!すごい!」と言われることが多かった。
言われることは多かったが、私自身、自分が行動力があるかと聞かれれば、そんなことはない、と答えると思う。
私以上に、いろんなことをしている人はたくさんいるし、以前の記事に書いたように私は何かを継続することがとても苦手で、行動し始めることはできても、行動し続けられるわけではない。

ただ、渡辺直美さんが言うように、何かを始めるのに、完璧になるのを待つ必要はないと私も思う。
むしろ、外国語を話せるか話せないかでいえば、どの時点で”完璧”と言えるのか答えとなる到着地点はないように思う
私がドイツ語を話せないまま、レストランで働き始めたように、言語は話せるか話せないかよりも話さないといけない環境に自分を置くこと外国語を話す癖(習慣)をつけることが、結局は語学力向上の一番の近道なのかもしれない。

行動力も癖と同じだと私は思っている。行動し始める癖、飛び込み癖をつければ、行動力があるかないかなど考える暇もなく、行動し始めている。

私も自分自身が行動力がある!と大きな声で言えるわけではないが、やらなければいけないこと、やるしかないことには飛び込む”癖”はついていると思う。
「癖」と言うと、ネガティブなイメージが強いかもしれないが、ポジティブな癖にだってなり得る。

私の白紙のリレキ書

そんな私もドイツで仕事を探すにあたり、リレキ書を作成した。オーストラリアにいた時も英語のリレキ書を作ったことはあったが、今回はドイツ語での作成だったため、彼に手伝ってもらった。

日本の4年制大学を卒業して、社会人経験も経て、オーストラリアでのワーホリも経て、リレキ書に書けることはあるはずだった

ところが実際、書き始めると、私のリレキ書は真っ白だった

ドイツでは、大学に通う学生たちは目的(ゴール)を持って、学部や専攻を決める。警察官になりたいのか、セールスやマネージメントなど経営に携わりたいのか、シェフになりたいのか、など自分が将来、就く仕事、携わりたい業界を見据えて進学する。
もちろん、いざ専攻を決めて勉強し始めて、自分に合わないと思ったら学部を変更したりすることもできるらしい。
だからこそ、高校を卒業してすぐに進学する人よりも、旅に出たり、仕事を始めてみたりと、自分の興味や知見を深める人が多いように思う。
日本のように、みんな一斉に受験勉強をすることはない。


日本の大学では、学部を決めて入学すれば、途中で変更するなんてことは基本的にはありえないと思う。
私が4年間通った大学。国際文化学部を卒業した私に、彼が一言。

「それで?この学部を卒業したことは何の仕事の役に立つの?」

私は何も答えられなかった。
むしろ、この彼の一言に正直、恥ずかしさも覚えた。
(彼に一切の悪気はない。笑)

確かに私は4年間、大学に通った。単位だってしっかり取っていたし、3年目の1年間はアメリカに派遣留学もしていた。

でも改めて何を学んだのか、何を仕事に役立てられるのかを聞かれた時に何も答えられなかった。
留学や学部の授業で学んでいた英語は、ヨーロッパでは学んだうちに入らない。なぜなら、みんな小学生くらいの頃から普通に英語を勉強するし、日本よりも英語教育が発達している。2ヶ国語、3ヶ国語を話すことは彼らにとって、特別なことではない。
英語を話せることは特に武器にはならないのだ

大学で受けていた授業のうち、何割の話が記憶に残っているか。
大学進学の際、もっと考えておけばよかった、と社会人になってから思うことは何度もあったが、自分が商学部、経営学部、経済学部などを卒業していれば違ったのかと聞かれると、たとえ、それらの学部を卒業していても今とさほど変わらなかったと思う。

学歴だけではなく、職歴だって、社会人経験があるといえど、海外で外国人と交えて戦える、武器になる程の経験はしていなかった。

旅行会社での経験もセールスやマネージメントの知識や経験があると胸を張って言えるほどのものではなかった。

学校での経理事務経験があるといえど、実際に資格や学部を卒業したわけでもない私には、そもそも立てる土俵でさえなかった。

日本では就職や転職に困ったことはなかった私のリレキ書が海外(ドイツ)では全く通用しなかった。

海外でキャリアを考える

ドイツで見つけた仕事はレストランのウェイトレス。
勤務時間はお店の営業時間とほぼ一緒だから、10時から22時まで働いている。お給料はそれほど悪くなく、日本で会社で正社員として働いていたときと比べても手取りは多いと思う。ヨーロッパらしく、チップもあるから給与面だけで言えば、日本で働いていた時よりも多いと思う。

私がこのレストランで働く目的は、ドイツ語力向上と貯金のため、とわかっていてもやっぱりモヤモヤしてしまう自分がいるのは、日本にいればきっとレストランのウェイトレスはしていなかったと思うからだ。

ウェイトレスの仕事を卑下しているわけではないが、20代前半の日本で働いていた頃の自分を思い出して、会社でオフィスワークをして販売戦略や営業成績の話をしていた頃や学校の経理事務や入試担当として、書類を作成したり、お金の管理や決算をしていた自分、オーストラリアでのワーホリ中でさえ飲食店ではなく、オフィスワークをしていたことを思い出すと、ウェイトレス以上の仕事ができるのにと思ったりもする。

ウェイトレス以上の仕事だってできるのに、と思う反面、ドイツでのウェイトレスの仕事ではドイツ語の壁があり、電話を取ることもまだできない。
オーダーを取る時も緊張はするし、お客さんが言っていることがわからない時もたくさんある。
言葉さえわかれば、自分はもっとできるのに、とそんな日々に憤りを感じているのが今の正直な気持ち。

キャリアなんてカッコいい言葉は必要ないけれど、ウェイトレスでは終わりたくない。
もっともっとやってみたいことはあるし、自分の興味や可能性だって信じたい。


日本の外に出れば、真っ白な私のリレキ書にいつかは自信を持って自分のことを書けるようになりたい。

人生100年時代を生きる私たちに、従来、理想とされた”キャリア”は必要ないのかもしれない。
これからの人生、旅するように暮らし、暮らすように旅をしたい。
世界のどこにいても、胸を張って立てる自分になれるように、とりあえず、目の前にあることに飛び込んでいく。









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