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ゴーストランドの惨劇 感想 〜テクニカルなトラウマホラー〜

好きなところ
・俳優陣の演技、特に子供時代
・舞台となる家屋のテクスチャー
・ゴア・スプラッター的表現に頼らずに不快で嫌悪感に満ちたシナリオを作り上げている(この手の映画としては出血シーンは極端に少ない)
・展開の緩急のつけかたが見事
・殺人鬼側に説明がないところ(意味がわからないのは本当に怖い)
・中盤でのネタばらしがすっと納得できる前半の作り
・いい意味で嘘をついているライティング
・ウェアラブルカメラ(アクションカメラ)の使い方
・少女の視点にこだわることで見えてくる、そして見えなくさせられているシナリオ構成

イマイチなところ
・この手の映画の殺人鬼としては武器にあれを選ぶのはちょっとなぁ
・前半のジャンプスケア要素(わざとやってると思うが)

まとめ
いやー、満足でした。
去年のヘレディタリー とは全然違う方向性なんですが『ホラー映画を観た!』という満足度は同じくらいでしたね。
とにかく構成が見事だし、それに応える女優陣も素晴らしい。
ある意味叙述トリックのような展開も好みでした。
古典的とも言える舞台とライティング、音響。
そこで繰り広げられる現代的なテクニックを駆使した構成。
ホラー映画ファンなら観て欲しい一本。

ここまで残酷描写を抑えた作りなのに、目を背けたくなるほどに感情移入させるとはロジェ監督さすがです。
とてもテクニカルなのにとてもシンプルに見える、すごいとしかいいようがありません。

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