読書感想文『アマテラスの暗号』

伊勢谷武『アマテラスの暗号』

いつも読んでいるミステリーとはかなり趣向が異なる作品。
Kindle Unlimitedで上の方に出てきたので読んでみた。

ジャンルで言うと歴史ミステリー…になるのだろうか?
ひとつだけテーマをつけるなら「宗教」の話、かなぁ。歴史と宗教と、政治も少し絡んでくる感じ。あとは、「日本人がどうあるべきか」。(ひとつだけじゃないんかい)作者が伝えたいのはこちらかなと思う。

殺人が起こるけど、犯人探しは本筋ではない。どっちかというと、殺された父が伝えたかったことは何か?がテーマで、その伝えたかったことが宗教とか歴史に関する重大な真実…みたいな。具体的にいうと「アマテラスは誰なのか?」。
真実っていうと語弊があるのかな、作品の中では真実として書かれていて、作者も真実だと思ってるんだよね。本当に真実なのかは私は素人だから分からない。きっと専門家からは反論もあるんだろう。

論文みたいだなと思った。あとがきで作者も「本当はノンフィクションで書きたいけど重いテーマだから、より多くの人に読んでもらうために小説にした」というようなことを仰ってたし、歴史の史料集に載ってるような絵画とか文献とかがものすごい量出てくる。
率直に言うと思想が強い。好みは分かれるかなぁ。
私は大学受験時に日本史選択だったのと、神話含む神道も面白いな〜と思ってたので、興味深く読めた。こういう説(一部事実)もあるんだ〜みたいな。日本史学んでたのに、全然知らないことだらけだった。
※日本史だけじゃなくて世界史も絡んでくるので、どっちを選んだかというよりは、歴史を真剣に学んだかどうか、興味があるかがポイントかも

次から次へと驚愕の事実が出てくるから、登場人物がずーっと驚いてる笑。驚く時の表現出し切ったんじゃないかと思うくらい驚いてる。

私にとっては珍しい感じの小説だったけど(本格ミステリーを読むことが多いから)、たまにはこういうのも面白いな〜。世界が広がる感じ。
でも次はまたThe ミステリーを読みたくなった。ミルフィーユみたいに交互に読もうかな。

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