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今一番の問題は、音楽メディアがSpotifyの画面しかないこと

私が経営している株式会社クロスフェーダーでは現在、新しい音楽サービスを考えています。何回かに分けて、その検討の中で気づいたことを書いていきます。

その一つ目です。音楽リスナーにとって今一番の問題が、音楽メディアがSpotify・Apple Musicなどのサブスク ストリーミングサービスしかない、ということです。

かつてはあった手がかり:音楽雑誌・音楽SNS

私は1975年生まれで、中高生時代に接してきたメディアとして音楽雑誌がありました。曲名・歌詞、作詞・作曲者だけ書いてあるアルバム(一部にはライナーノーツがありましたが。ライナーノーツがわからない若い人はこちらを読んでください)では、満たされない情報の飢えがありました。この曲にどんな意味があるのか?どんな人に影響を受けているのか?今後どうしていくのか?など興味が溢れ出し、貪るように読みました。

大学時代にWindows95が登場し、インターネットの隆盛をリアルタイムで経験していますが、その登場によって、音楽の情報源が豊かになると思われたのですが、結局、音楽についての情報を得たり、コミュニケーションができるサービスはなくなってしまいました。

消えた音楽雑誌

古い話ですが、私が中高生のときは10誌以上ありました。ちょっと思い出して書いてみました。このうち、私は立ち読み含めて月2〜3誌読んでいた記憶があります。

もはや昔すぎて何が書いてあったか思い出せないのですが、インターネットがない時代(1987年〜93年に中高生)で、とにかく情報に飢えていました。貪るように読んだ記憶があります。

バンドでキーボードをやっていたので、リットーミュージックのキーボード・マガジン、サウンドアンドレコーディングマガジンも読んでいましたね。

で、インターネットが登場した結果、以下は「すべて」なくなりました。

  • B-PASS(バックステージ・パス)

  • バンドやろうぜ

  • PATi PATi

  • GiGS

  • ミュージック・ライフ

  • BUZZ

  • FOOL'S MATE

  • GROOVE

  • remix

  • bmr(ブラック・ミュージック・リヴュー)

  • blast(FRONT)

  • CDデータ

休刊・廃刊一覧の記事があったのでここに貼っておきます。

消えた音楽SNS

Myspace(2003年〜)っていう音楽SNSがありました。音楽を中心にしながら、2005年から2009年にかけては世界最大のSNSでしたが、サービス改悪(と言われていた)とSoundCloudの登場や、Facebookの隆盛により、終わってしまいました。

日本では、mixiのコミュニティで音楽関連が数多く立ち上がり、活発なコミュニケーションがありましたが、皆さんご存知のようにオワコンです。

SoundCloudもそれなりに盛り上がっていますが(何やら身売りの話がでていますね)、アップされている楽曲はインディペンデントなアーティストのものが中心なので、幅広く音楽を語るということは難しいです。

有象無象の個人サイト

一方で、Blogやそれこそ、このnoteなどによって、音楽について個人が発信することは簡単で、実際に多くの人の記事が存在します。

しかし、辿り着くキーワードを思いつくのは難しいし、辿り着いたとしても、その著者が信頼できるのか、自分と趣味が合うのかがぱっと見わかりません。1個1個聴いていって判断していく必要があります。貼ってあるリンクが切れていたりするのが気になったりもします。いろいろ見ましたが、定期的に巡回するサイトはゼロです。

また、コミュニケーションがコメントのみで、LINEでやるような即時的なコミュニケーションができず会話として盛り上がることも難しいと言えます。

雑音多くDIGに集中できないTikTok・Instagram・X

TikTok、Instagramでは、投稿に音楽を使用できて実際に使っている人がいて、それがきっかけでバズることも起こっています。

しかし、音楽をDIGるという観点では雑音が多いのです。つまり音楽の投稿の前後には音楽とまったく関係ない投稿が入ります。これがダメなのです。没入感がなく集中できません。

その点、Xが最悪です。140文字という小さな情報の塊がどんどん流れてきます。当然、その中の音楽紹介Tweetは埋もれてしまいます。立ち止まって紹介されたリンクで音楽を聴きに行く間にTweetはどんどん発生し、戻ると今自分がどこにいるかわからなくなります。

Spotifyなどが提供するAIおすすめ・プレイリストに独占された支配を受けている

ということで、Spotifyなどの画面のみをにらむことになるのです。サブスクには功罪いろいろありますが、極めて大きな罪が「音楽情報源の寡占」、これです。

つまり、音楽リスナーは、Spotifyなどが提供するAIおすすめ・プレイリストに独占された支配を受けているのです。

それは、音楽リスナーにとって幸せなのか?

これを明確に意識しているユーザーや議論はほぼ見当たりません。我々がやろうとしているサービスではこれを解決しようと思っています。

解決策の詳細は、いろいろ詰まり次第、書いていこうと思いますが、まずは問題提起として。引き続き、よろしくお願いします。

サービスに興味がある人はXのDMでよろしくね。

株式会社クロスフェーダーでは、一緒に頑張ってくれる人を絶賛募集中です。私のXのリンクを張っておきますので、もしよろしければ連絡ください。


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