私の人生初の一眼レフは、
大学の授業で持ったNikon FM10だった。

私の人生初の作品と呼べるものは、この1枚。

白黒フィルムで撮って、暗室で焼いた。

重いカメラを抱えて、出かけた先でレンズを覗く。
なかなか安定しないピント合わせ。笑顔で構える友達の顔が、ほんの少しづつひきつっていく。”ごめん、待って”と言いながら、必死な私。
シャッターの半押しで、ファインダーの右に現れる露出補正。

しまった、露出補正がマイナス気味だ。。

あわてて、絞りをグッとしぼり、好みの少しだけプラスに補正に合わせる。
シャッターのカシャっという重み。撮れた、ようやく1枚。

毎回シャッターをきる度、そんな緊張感。

写真に、ときめいた。わくわくして、ドキドキして、初恋みたいだ。
ドキドキは撮っただけでは終わらなかった。
ファインダーの世界は、プリントするまで形がみえない。

さ、どの色でいく。
どれが写真にあう濃さなのか。

真っ暗な暗室に、薄暗い赤いセーフライトで目を凝らす。

ああ、これだな。

撮るのを重ねて、私は中古のNikon FM2を買う決意をする。
カメラ女子って言葉なんてなくて、流行りなんてなくって、
インスタ映えの言葉のきっかけのInstagramもなかったときから

ずっとカメラにキュンキュンしてる。

上手下手は人それぞれだし、ちっともうまくないけれども、
私の恋人的な存在なのかもしれない。写真の存在は。

さ、撮ろう今日も。
そしてごめん、撮って満足したままで。
ちゃんと整理します。

フィルムカメラ Advent Calendar 2017　13日目
Kayoko（@nayo74）