【KAITO】群雲【和風】

Vocal : KAITO
Composer : 巳都
illustration : ゆきの
Mix : MARSH
Video&Lyrics : なゆたゆな

http://sp.nicovideo.jp/watch/sm19216676

遥けき 天つ雷鳴 ひと群れの彩雲
轟き 唸りを挙げて 謳歌を散らせ

移ろひゆく 逡巡に
いざやいざ 鳴り響けよ
信の義 まほら四方に

黄金と白銀を穿き
刻の分水嶺を視て
戦ぐ風を待ち
かかる雲を抱く

幾年 海神の実よ 静かに見守りし
つく世に 暁の船 舞い踊れ往け

夜半の太刀を佩き
刻の推移を識る
戦ぐ風は凪ぎ
かかる雲も無く

かがやけ 天つ黎明 ひと群れの迷運
逆巻く 光を帯びて 葬歌を散らせ

//備考
◆天(あま)つ
 天の
◆逡巡(しゅんじゅん)
 しりごみ、ためらい
◆彩雲(さいうん)
 縁起の良い雲。虹色に染まる雲。
◆まほら
 真実の美しい場所、優れた良い処
◆四方(よも)
 東西南北、前後左右。あちらこちら。いたる所。
◆分水嶺(ぶんすいれい)
 雨水が異なる水系に分かれる場所であることから、物事の方向性が決まる分かれ目のたとえ。
 ※「みず」のルビは当て字です
◆信の義→信義(しんぎ)
 真心をもって約束を守り、相手に対するつとめを果たすこと。
◆東雲(しののめ)
 夜明け前に茜色にそまる空。
 夜半から明け方まで。
 暁→東雲→曙と移り変わる。
◆海神(わだつみ)
 海の神、海
◆佩(は)く
 身につける
◆迷運(めいうん)
 ※命運とかけています。
◆つく世
 ※月夜(つきよ・つくよ)とかけています。
 ※つく/ある働きが活動を始める。→「動き出す世の中」のような意味としたいです。
◆黎明(れいめい)
 夜明け。明け方。
 新しい事柄が始まろうとすること。また、その時。
◆逆巻(さかま)く
 川や潮の流れに逆らうように波が巻き上がる。激しく波立つ。

//2012.8.25初稿
//2012.10.27動画投稿

//巳都さん
https://piapro.jp/coelacanth38

//episode
歌詞を募集されていた巳都さんの和風曲に採用していただいた作品です。タイトルの「群雲」は最初から決まっていたもので、作詞をする際には作品の大切なキーワードとしてイメージを膨らませました。

KAITOの和風曲ということで、カチッとした正統派のカッコいい歌詞にしたくてこのような内容にしました。
歌や詞は“祈り“そのものなので、この曲が祝詞のような役割を担ってくれたらと願いながら詞作をしました。

動画は、ゆきのさんに楽曲の世界観が拡がる素晴らしいイラストを描いていただき、どうにかして一枚絵のKAITOを動いているように見せたいと苦心を重ねた想い出があります。 

また、歌詞が別の文章に入れ替わるラストの演出は、動画を作りながら思いついたものです。個人的にとても気に入っています。
自分の歌詞でMusic Videoを作る場合はとくに、動画編集をしているうちに詞作の時点では思いつかなかったような世界観への拡がりや閃きを得て、作品への理解を一段と深めるきっかけになるということも頻繁にあります。

大量消費の時代が過ぎ去った今、息の長い良質な作品、本質に迫る作品を探究する義務が、大きなテーマとして1つ、私たちに課せられているのではないかと考えています。

応援ありがとうございます✨自分なりの"いい歌詞"を探究して、これからも普遍性のあるメッセージを届けたいと思います。