見出し画像

人工衛星とサバイバル

サバイバルって何を思い出しますか? 生き残りをかけた密林や砂漠での死闘?

人工衛星の生き残りに関する話です。人工衛星を設計していると、

「サバイバル温度」

という言葉が出てきます。生き残り温度 ??? でもその通りなのです。

人工衛星は電気で動いています。正常に動いているときは衛星の中で電気を使っているので、衛星の温度は上がります。パソコンを使っているとパソコンが熱くなるのと同じですね。
ところで衛星はトラブルや故障などで、地上からコントロールできなくなることがあります。そうするとどうするか?

サバイバルモード

つまり生き残りモードと言う状態になります。これは動物でいえば冬眠のようなものです。

衛星も冬眠する?

そうなのです。なるべく電気を使わないように、スイッチを切れるものは全部切ってしまいます。動物の冬眠は体温を下げてなるべくエネルギーを使わないようにします。衛星も電気を使わないと体温が下がるのです。
つまり衛星に異常が起きた時に、電気をあまり使わなくて済むように衛星を冬眠状態にする。そうするとバッテリの減りが少ないので、少しでも長く衛星を生かしておくことができます。その間にトラブル対策を行うのです。

でもそうなると問題が出てきます。衛星の温度がすごく低くなるのです。
状況にもよりますが、-40とか-50度になることもあります。この温度がサバイバル温度です。

つまり「サバイバル温度」は

冬眠状態の衛星の温度と言ってもよく、その温度になっても機器が壊れないように設計を行うのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?