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人工衛星と爆薬

大型の人工衛星の多くは爆薬を積んでいます。と書くとなんだか物騒な話に聞こえますが、衛星を自爆させたり、他の衛星を攻撃したりといった話ではありません。

何のために爆薬(火薬)を使うかと言うと、いろいろなものを開くために使います。例えば太陽電池がついているパネルは、ロケットで打上げる時には振動で壊れないように衛星の横にしっかりと固定しておきます。それを宇宙に行ってから開くのですが、この時に爆薬を使うことがあります。太陽電池のパネルを固定しているボルトを、爆薬で吹き飛ばしたり、切断したりします。

この爆薬を専門用語では火工品と呼んでいます。また、ボルトを吹き飛ばしたり、切断したりする部分は、セパレーションナット、ボルトカッターなどと言います。なぜ爆薬を使うかというと、一番確実だからなのです。

ちなみに火工品は火薬類取締法の規制を受けるので、火薬類取扱保安責任者なる有資格者が取り扱わなければなりません。実際に爆発させても爆竹程度の音しかしないのですけどね。

そのため火工品を使うためには色々と厄介なことがあります。そのため、最近は爆薬を使わないで電気的にボルトを分離したりするメカニズムも使われています。

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