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人工衛星と油

油といえば天ぷら

ではなくて、機械には潤滑油といって、油を差す必要があります。一番、分りやすいのは自動車のエンジンオイルでしょうか。エンジンオイルを入れないとエンジンは焼きついて動かなくなってしまいます。

人工衛星にも機械部品がついています。たとえば太陽電池のパネルは打上時には畳んであるのですが、ヒンジといって、蝶番のようなものがついていて、宇宙に行ってから開くことができます。また、開いたパネルは常に太陽の方を向くように、モータでまわしています。

しかし! 

こうした機械部品の動きを滑らかにするために、油を差しておくことはできません。油は真空中では蒸発してなくなってしまうのです。更に蒸発した油が、色々なところに付着して、衛星の性能を悪くしたりします。

では、油を差さなければ良いのでは?

ところが!

真空中では金属同士をこすり合わせると固着といって金属同士がくっついて動かなくなってしまうことがあります。では、どうするか。

固体潤滑といって、蒸発しないような固体の潤滑剤を塗っておくのです。よく使われるのは、二硫化モリブデン (MoS2) というものです。

こんなことも衛星の設計を難しくしていることのひとつなのです。

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