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5000人制限の試合開催日に行ってきた

 Jリーグが再開して、お客さんが入れるようになった。FC東京を応援している我々にとっては初のホームゲームがあったので行ってきました。​

 「超厳戒態勢時(強い制限)の試合開催(5,000人制限)」という設定になっていて、その言葉の表現だとなんだかずいぶんとものものしく感じるんだけど、観戦にもルールがあって、 かなり簡単に説明すると「マスクはしてください、鳴り物使ったり大声は出さないでね、拍手はいいけど手拍子はダメよ」みたいな感じ。

 今年のこのような状況下でFC東京の場合SOCIO会員(年間チケット持ってる人)もSOCIOの会員カードでは入場できず、皆チケットを買わなくちゃいけない方式に変わった。会費は全額返金かクラブに寄付という措置になりました。我が家は二人とも返金を求めず寄付することにした。自由席なので寄付でいいかって言える金額であったこともあり、クラブが経営できないとかになったら困るからね、って。(実際世界ではそういうことが起きてます。一月に対戦していて私も見にいってた、フィリピンのセレス・ネグロスというチームは経営破綻しました。こういうの、対岸の火事じゃないってことなんだなと思った。)

 この時のチケットは先々行の抽選に申し込んでそこで当選したらチケットを「買う権利がある」というところから始まってて、このご時世いろいろ心配だし観客入れるって言っても行く? どうする?って家族会議になったけど、「当たるとは限らないからとりあえず申し込んでみるか」って申し込んだら当選していて。そのすぐあとくらいのタイミングだった、「橋本拳人選手、ロシアへ移籍決定」のニュースが発表されたのって。このような社会状況下では、通常移籍が決まった時に行ってきたようなふれあいイベントは開催しないでしょうから、事実上この浦和戦が彼の移籍前最後に見られるチャンスになるんだろうな、ということで、いつもより良い席とってもらいました。

試合当日の話

 5000人上限ですからそれほど電車も混んでない予想ではあるんだけど、なんとなく気が進まないので自動車と徒歩でスタジアムに向かいました。一駅くらい歩く算段で、パーキングに駐車する計画。サッカーは試合終了時間が決まっているのでだいたいの駐車時間の予測がつくのはありがたいところ。飛田給駅の近くまで行き、駅からの人波と合流したんですけど、

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立ち止まって写真とれるくらいの人のまばら加減だった。5000人っていうと平日とかで今日は人が少ないねってくらいの時の観客数だ。

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歩道橋のところをあがっていきますと、スポーツゼビオのとこのパネルが今年はつよし君なんだね、って一月にきた時にあったのかどうかも覚えていない。半年も行かないということ、今の旦那さんと結婚してからはありませんでしたから。シーズンとシーズンの間だって半年あかないもの。

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こんなのあったっけ? と思った、インフォメーション表示する機械。通常なら今頃オリンピック会場だったんだろうから、そのために設置したものなんでしょうけど半年前にあったのかなかったのか全然記憶にない。

 入場前には検温があり、係員の方が非接触で温度を調べてくれて入場可能な体温であればOKして入れるようになるという感じでした。いつも行ってる荷物検査はなかったな。

 いつもと違い、メイン側の席なので入場ゲート越えたらすぐのぼるべき階段があるような状態だったので、グッズショップなどは目にしておらずどういう状態で営業してたのかはチェックしていないな。

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マッチデープログラムもらった。久しぶりに見るなー。デザイン変わったんだなー。二階の一列目でした。ふた席ずつ空けて座っています。隣の夫と話すにも、なんとなくかがんで目線に入る位置で手をばたばたさせて「ねえねえ」って気づいてもらうような感じで会話するので、よっぽど話したいことがない限りは言葉を発しないので一人で入り込んで試合見るような感じだったかも。

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↑ちゃんとありました、チーム帯同グッズたち。
これは先日受注販売をしてた「今シーズン再開後全試合に帯同させて、シーズン終了後に申込者に送られてくる仕様のトラベルタグとキーリング」。
(現在は受付終了しているようです)

 トラベルタグの方はSOCIOの会員向けの商品で、申し込んだ人のそれぞれの会員番号入るらしいです。「チームに帯同してるので、移動等で傷や汚れがつくかもしれない」ということなんだけど、その傷自体に価値があるというのか、そういう商品考えるとかファンの気持ちわかってるなーと思ってもちろん両方申し込んだんだけど、これだけの数、申し込んだ人がいるんだって思うとすごいなあってなる。ベンチやロッカールームにも置いてあったりして、同じ空気の中にいるというグッズ。なんだかね、そういう目に見えないものに価値を見出してるところ、大好き。そういう感性を大事にしてるファンも、クラブも。

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↑ と、いうことなんだけれど、歌っても当然いけない。試合前にタオルマフラー掲げて「You'll Never Walk Alone」を歌う、の時間は無言でタオルマフラーを掲げるんですけど、声を出さない分、歌の歌詞と向き合えてしまうんです、音が外れてたらとか、歌詞間違えたら恥ずかしいとか考えないから頭の中で言葉を追いかけることに全てのエネルギーを使えてしまうから。

 練習すらできない、でも何かできることをしよう、っていうところから色々チームに関わるみんなで考えてやってきて、それで我々も見にくる日を迎えることができたよ みたいなこととか、スムーズにすんなりと評価をされてここまで来たというわけではない、橋本拳人選手が成長した末にこの日でチームを離れることとか、そんな気持ちがこの曲の歌詞のひとつひとつに絡まって意味のある言葉として余すところなく自分に返って来てしまって。私この日ここが一番泣いたとこだったんだよね。拳人に向けた言葉のような、チームやクラブに向けた言葉のような、同じようにこの日を待ってたファン・サポーターに向けての言葉のような。そこにいる人たちみんなへそれぞれあてはまってしまうような言葉のつまった曲だったので。

 私、このチームとサポーターから歌をとったら何もできないよ的なことを思ってたんだけど、正直そうでもなかった。

 ついいつもの習性で手拍子になりそうなとこで「いやいや、今日はそれはまずいよね」って気づいて拍手に切り替わってくとか、言葉で「こうしようよ」って誰かが言わなくても、できないことはしないで何か伝わる形にもっていけるもんなんだなと思いました、というか知りました。

試合とセレモニー 

さて、写真いっぱい撮ったからいくつか載せてくね。

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 この位置から見るの初めてなのでわくわくします。

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集合写真も間隔をあけて撮る。立ち位置あれこれやってるとこ。

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戦隊ヒーローみたいだなあと思う。

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飲水タイム、ボトル共有できないのでこうやって紙コップ使ってたり、

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ボトルには選手の名前が書いてあったりします。

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ベンチメンバーだった波多野選手は飲水タイムにはボトル運ぶ係やってた。

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なんだかわかんないけど、紙コップで飲んでる方が美味しそうに見える気がする。(個人の感想です)

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ディエゴが得点して拳人と抱き合ってるところ。見てるほうは色々感じるところあるシーンだ。得点が入ってもいつもみたいに声を出せないからひたすら拍手が響くんだけど、得点した瞬間だけは「お」とかつい声が出ちゃいますね。

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そういえば浦和に全然勝てない東京、味スタで16年も勝ってないって話だったんだけど拳人のことで頭と心がいっぱいで浦和との相性がどうのってこと意識の外だった。

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ハーフタイム。ドロンパくん、消毒スプレーらしきものを持ってます。

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サブメンバーが練習してるんだけど、お客さんがざわざわしていないから彼らの笑い声なんかもよく響いてた。

 試合中もピッチ内の声がよく聞こえるんですけど、キーパーってあんなずっと喋ってるもんなんだ、早口で指示だすけどよくかまないで言えるなあ、ってサッカーと別なところに感心してしまいました。

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いつもと違うシーンにばかり目がいってて試合自体の写真があまりない。小川選手がコーナー蹴るところ。

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試合終盤で小川選手が両足つった、というシーン。彼は試合中しかめっ面してるようなところをほぼ見せないけど、このときは相当痛そうな顔してた。痛がらない人が痛そうな顔してると心配になるよね。これはまずいのか? と思った。

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担架にのせられて選手交代になったんだけど、表情が落ち着いてたので大丈夫そうだ、と思ったところです。両足つったってのは相当痛いでしょうね、この日は気合い入ってたんだろうなー って思うんだけど、直近の出来事として「けんとくんの送別会の日を間違えた」っていう実に小川くんらしいなってことが起きてたらしいので(SNSでこんなやりとりを橋本・小川でやってた)その分ここはなんとしてでも勝って送り出さねばと思ってたんだろう、と小川ファンの私は思っている 笑

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小川選手に変わって入った中村帆高選手はスイッチ入るとすんごい、あの感じ、見てて本当に楽しい。この写真、ああ、中村・橋本って感じの一枚だなあって思っています。食らいついていく感じ。

 この一枚、橋本拳人選手がキャプテンマーク巻いてます。最初にキャプテンマークつけてた東慶悟選手が交代したのでそのときにつけたはずなんだけど、そのシーン見逃しました。気づいてたら写真撮りたかったなー。

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勝ててなかった浦和に2-0で勝ったので、後ろの方守ってる選手たちの安堵した表情がよかった。

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試合後の両チーム間での健闘をたたえ合う感じ、いいなって思う。仲のいい人同士の切磋琢磨って楽しいんだろうな。対戦相手の選手やサポーターへのリスペクト、大事だと思うんです。相手がいなきゃ試合できないもん。

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楽しそうだなあ。

 試合終了後はチームが場内に挨拶してまわるんですけど

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↑けんとくんはチーム広報のしまださんをみつけて

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ハグ。
なんかいいな、この瞬間。

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↑この写真、個人的にすごく好き。やっぱ別れ難いなー って見てるこっちが思っちゃう。

 試合後には橋本拳人選手の挨拶のセレモニーがありました。

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 ベンチ入りしなかった選手たちも出て来て花道作ってるところ。今年J3にFC東京U-23のチームが不参加に急遽なりましたから、トップチームの試合に出ない選手を見る機会が減った。みんな久しぶりだなー、元気だった?って思っちゃった。

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出てきた。

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 サッカーって、プロ野球に比べてお別れが多いから結構さみしいなあと思うことが多くあるのよね。がんばれって思うけどまだ見ていたい気持ちが大きいし、試合をこなしていくうちに、いくつ試合を見ても存在がないことを実感する時が一番さみしい気持ちになるんだよね。

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18番の前任、石川直宏さんが花束渡す役。この二人の縁もすごいよなあって思うんだけど(語ると長いので割愛)かつて自分に憧れた子供が同じチームで自分の背番号を継いで、そして海外に巣立っていくのを見守る気持ちってどんな感じなんだろう。

 夢や憧れって軽視できないなと思うのは、夢や憧れを抱く側だけじゃなく、憧れを抱かれた側の人も、自分に憧れた側の人の成長を見たときに人生にとってプラスになるような心の動きがあるであろうこと。

 そうやって、夢とか憧れっていう光のようなものが両者の間でぐるぐるまわってどちらのことも守ってくれるような、そういう力を感じる。

 橋本選手は「このチームが優勝するまでここにいるって言ったのに、約束をやぶって申し訳ない」って言ったけど、今、拳人に憧れてサッカーやってる子たちが夢と憧れで人生を創っていくためには、拳人は自分自身の夢にいつもチャレンジする存在でいてくれなくちゃみんな道に迷っちゃう。

 だからその選択がベストなのではないか、と私は思ってる。そうやってずっと自分の人生を創ってきたのだから、その道の上で生きていけばあとを追う人への光になるよ、きっと。

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二人の写真撮るけど、ソーシャルディスタンスとってください、マスクもとってね、ってカメラマンさんに言われてるところ。

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 この先、ソーシャルディスタンスをとらなくても良い時代になったときにこの写真見ると「こんなときあったなー」って思うんだろうな。

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 いつもなら、サポーターの近くまで行って、チームのメンバーと共に記念写真撮ったり胴上げやったりするんだろうけど… 時間が早くすぎて感じたのは回るのも場内半周だけだし、ファンも声かけたくともそれはできないから万雷の拍手で見送る感じ、でしたね。少なめの人数と言えどもみんなの拍手には気持ちこもってたと思う。

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終始笑顔でいてくれたので、しめっぽくならずに済んだ、かんじ。

 

 今現在のような、感染に気をつけて生活をしていくっていう初めての状況で物事をすすめていくには まあ、当初から思う通りになんでもいくわけではないでしょうし、やっていきながらこういうことは良い、良くない、が判明していく部分が多いのだと思うのです。

 試行錯誤ってつきものだから、それぞれ違うマナーの感覚のある人同士が参加して物事をつくりあげていく段階でいろんなことが起きると予想されるのだけど、違う判断の人の感覚を「何考えてるんだ」と責めるとかいうよりもみんなでより良い方法を紡ぎ出すために参加するって考え方でいくしかないんじゃないかな、って思う。リスクを抑えるためには何もしないという選択はありだけど、永遠にそれをやってるわけにもいかないとも思う。

 みんなでつくっていこうと思えば、きっと流れはできてくるはずだよね。みんなの歓声が戻る日が早くきてほしいな。

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誰かの心の平穏やきらきらを取り戻すお手伝いがしてみたい。