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終わってほしくない時間が終わってしまった

 さて、先日の話。FC東京所属だった久保建英選手の壮行会というイベントが試合後にありまして、っていう記事を書こうと思ったんだけれどふと考えてみた。

そういえば、写真に関しての肖像権とかってのは考えなくていいのか、と。

 チームのホームページには明記してありましたが、厳密に言ってどの程度ならアリでどっからがナシなんだ、っていうのがよくわからない。

FC東京による、著作権についてのwebページはこちら。

 厳密に試合やイベントの写真をあげちゃだめっ、てことでもないようなんで、まあ、遠目の雰囲気っていうかんじでここはいこうかな、と判断いたします。…そんなにピント合ってる写真なんかなかったんだけど 笑

 当日雨。イベントやるっていうんで、NikonAW1に無理やり望遠レンズくっつけて、という状態だったので、なかなかバランス取れない。重たい。最近軽いカメラしか持ち歩いてなかったから、かなり重く感じる。

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 望遠にしないとこんなかんじです。上層席から全体がみやすい位置。試合見るにはこのあたりはすごく良いなと思っている。

 この席から望遠レンズで見下ろすことは相当久しぶりなので、腕はもうまったく安定しない。望遠レンズを下の方に向けるって結構苦行だし、サッカーの試合なんてまずみんな止まってくれないんだからフレームに収まるのも一瞬のタイミングじゃないですか!  ということで失敗写真量産。

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 こういう写真は撮りやすいですね、止まってるものね。
雨だし、ピッチ上、結構ぼこぼこだな、っていうのはわかるね!

 あ、得点シーンの写真もあるよ! これ、いかにも入りそうだったから撮ろうと思ったんだ。

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ボールが飛んで来てさ

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入ったんだから。

 ディエゴが頭で一点とった、ってシーンはこれらから想像してください 笑
 いや、なんでそのへんでシャッター押さなかったんだよ、なんでメインの被写体が左隅なんだよ。

…いえ、ほんとにすごくいいゴールだったんですよ…だんだん声が小さくなるけど。

 CKだったら止まってるところから始まるから撮れる! と思って、小川選手がコーナー蹴るの待ってた。そのタイミングでカメラ構えるんだけど、レンズ、重たい。同じ姿勢で同じところにピント固定しとくの、難しい。難しいんだけどボール置いてからなかなかモーションに入らないな、疲れたな、あ、蹴るかな

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 わたし、客席とろうと思ったわけじゃないんだけど…

 足元に意味があるんですけど。
 シャッター押すぞと思って押すと、カメラがおじぎするんですね。

 で、4-2で勝ちました。(かなり端折った)
本当はセレモニーの写真撮ろうと思ってカメラもってきたので、試合中は試しうち、どんな設定でどんな感じで撮ればいいだろうねっていう確認のつもりだったんだけど、試合の終わりごろにはカメラのバッテリーの目盛りが残り一個になってた。カメラ持っちゃうとシャッター押しちゃうんだよね。でも、使えるのなんて微量…。

 で、久保くんのセレモニー。
すごいと思うのは、日本代表の試合出てたから大会の日程やら勝ち上がり方如何によってはここでこういったイベントなんてなかったはずだし、ピンポイントでここならってタイミングで東京のホームゲームで相手は去年久保くんが半年レンタル移籍してた横浜Fマリノス。そんな都合のいいタイミング、ある? (前所属のFC東京のホームゲームでマリノスと対戦するってシチュエーションは基本的に年一回です。)

 両方のチームで応援してくれてた人に挨拶できるタイミングで帰って来てたってことがもうすごいと思っている。

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 すごく久保くんらしいなと思う挨拶だった。「らしい」ユーモアも交えつつ、みたいな感じで笑いが起きてる状態だから泣くことはなかったんだけど、どちらのファンにも感謝して、笑える空気も保ちつつも言うことはちゃんと言う、みたいなバランスがすごいっていうかいつもこの人そういう話し方するよな〜、と思う。頭がいいんでしょうね、って言っちゃうとなんだか簡単になっちゃうけれどバランスが良いっていう言い方が一番合う気がします。主観と客観の視点の話のとりまぜバランスが良い、と言うんでしょうか。主観と客観が過度に偏らないようにバランスよく話しているような印象。

 それにしても、移籍していく選手っていうのはサッカーや野球でたくさん見て来たはずなのに、なんで今回こんなにさみしいんでしょうって考えると、思い入れがある、そのチームで一番若い選手とこんな短い期間でおわかれっていうのが他に記憶になかったから、なのかもしれない。

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 マリノスのサポーター席。ユニフォーム持って来ている方とかいらして、なんだか感動した。

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 久保選手に言わせると4年って期間は「長い間」って表現されてましたけど、自分の生きて来た時間から計算した4年って私の年齢だと「短い」になるわけで。

 こないだプロ契約したばっかりじゃん! チームでレギュラーになったのだって今年からじゃん! やっとのってきたところでもう降りちゃうのかーっていうのが率直な感想。

 でも、こんなに夢見せてくれる選手って会ったことないなっていうのが正直な気持ちです。だいたいどんなことでも限度ってあって「まあこれくらいだよな」って思うラインってあるんだけど、彼を見てるとそんな上限なんてないんじゃないかと本気で思わせてくれるような選手だったから。イメージには限界はないよ、と。なぜかそんな気持ちにさせてくれる選手でした。フィジカルがだんだん強くなっていく過程っていうのも見られたし、プレーが成長している感じを身近にいつも見られたっていうのが大きい。一年くらい前だとファンたちが「うちの子になにをする」って久保選手に当たってくる選手に対して思っていた感じだけど、だんだんそういう目で見なくなっていったもんね、「あ、これくらい彼は大丈夫でしょ」と。

 ほんと、大きな怪我とかはしてほしくないですねー。この人はほんといくつくらいでどこまで行くのか全く想像できないから見るたびに夢を見ちゃうんだろうなと思うけれど。

 私、18歳の時どうだったかしら。「こんなにしっかりしてなかった」とは言わないでおきます、それなりにいろんなこと背負ってちゃんとやってたと自分の中では思っているけれど…

 でも、ここまでの決断力と行動力はなかったな、自分が後悔しないためにとか、もしかしたら二度とチャンスがないかもしれないからって目線では到底考えてなかった。流されて答えを出したこと、たくさんあります。後悔とまではいかないけど、それが人が望んでくれるようなことだとしてもあのときこの答えで自分は本当に満足だったんだろうかって考えることはいくつもあるから「苦渋の決断だったけれどその決断に誇りをもちたい」と言った久保選手の決断力、というか判断力はすごいと思っています。

 もちろん、東京に残ることも考慮に入れての「苦渋の決断」ということでしょうから、その選択もありだなと少しでも思ってくれたであろうことは東京のファンとしてはすごくありがたくて嬉しいんだけれど。

 …とはいえ、やっぱりFC東京は彼がいなくなったから勝てなくなったとかそんなこと言われてほしくはない。これをチャンスだと思って出て来てくれる選手たちにほんとに期待しています。潜在力ある人はいっぱいいるんだから。

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 他の選手たちの表情見てると、久保選手はほんとにチームのメンバーから可愛がられてたんだろうなあ、って思えてくる。

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 最後にサポーターの方向向いてしばらく頭を下げているところ、ほんとにこれで終わっちゃうんだなあってしみじみ思ってさみしかった。さみしいっていうのは楽しかったっていう記憶があればあるほど深くなっちゃうものですね。もうちょっとのあいだ、彼のプレーを見たかったな。身近にあったからこそ、前とおなじように気軽に見られないって感じがしちゃう。ふらっと見にいったらそこに普通にいる人、って感覚にもなってたのでなおさら。

 サッカーは選手の入れ替わりが多いので、感傷的になるのを自分で許しすぎるととっても耐えれないくらいおわかれが多かったりする。 

 さみしいことも多いんだけどね、新しい人たちが出てくるのもまた楽しみなんだよね。また見にいこう。

誰かの心の平穏やきらきらを取り戻すお手伝いがしてみたい。