ギブミー合理的配慮
ああ、わかってくれとは言わないが
そんなに俺が悪いのか
ララバイ ララバイ …
と口ずさみたくなる。
どうやら、また自分は相手をとても怒らせたらしい。
本当に突然(向こうにすれば積もり積もってなのだろうが)職場のメンターから強烈な敵意が込められたメッセージを送り付けられた。社内のチャットツール経由である。
発達障害あるあるなのかもしれないが、どこに行っても、何かのコミュニティに所属していると、まあまあな頻度でこういう経験をする。自分に身に覚えのない角度から、なかなかの強さの悪意や敵意をぶつけられる。
45歳にもなると、「ああ、またか」と驚きはしないが、しっかり傷は負う。
若いころは「何を!」と応戦していたが、今は謙虚になったというか、ろくに戦う気力も湧かないので、とりあえず自分の何が悪いのか聞いてみることもある。昨日の相手は職場のメンターということもあり、「具体的にご指摘いただけないでしょうか」と返信してみたが、それもダメだったようだ。ほかのメンターから「お前の受け答えには皮肉と棘がある」と指摘される始末で、私の心は完全に折れた。
負け惜しみでレスバトルを仕掛けたくて「具体的に指摘してほしい」と返信したわけではなくて、本当に、自分ではさっぱりわからないから聞いているのだが、もはやこれも不正解ということらしい。
私はASD(自閉症スペクトラム障害)の確定診断が下りている身だ。
おそらく定型発達者をイライラさせる言動や立ち振る舞いを、無自覚にしているのだろう。だから、わざわざ、人との接触が極力ない完全在宅ワークを選んでいるのに、またこれだ。
やっぱり社会になんて出ないで、生活保護でも受けていればいいのだろうか。
好きで怒らせたいわけでもなく、精神科にも通い、紹介されたデイケアや作業所に通い、カウンセリングも受け、就労支援も利用して、あらゆる手立てを講じて、多方面から社会に出ても大丈夫とお墨付きをもらっても、結局私はコミュニティの誰かを怒らせるし、怒られている私を助けてくれる人は現れない。
中年になってから、本当に味方は少なくなった。
期待もしなくなった。
多くを期待していない。せめて、この治安が良く、福祉が崩壊していない、愛する我が国に税金を納めたいから働いている。
空気を正しく読める人になりたかった。
誰かを怒らせる前に気付ける人になりたかった。
障がい者雇用で働きたかった(数えるのも嫌になるくらいのお祈りメールを受け取ってきた)。
短く見積もってあと20年。平均通りいけば、あと40年近くはありそうな我が人生。
いっそ、神様やそれに準ずる偉い人から「社会に出るだけ害悪だから、引きこもってろ」と命令されたい。引きこもることが、社会に貢献しているという証をください。喜んで、社会とは必要最低限の関りだけで生活していこう。
ギブミー合理的配慮。
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