日記#124高齢女性と直立歩行器
病院の会計フロア
主人の定期受診付き添いで今日も来ている。
この病院は人間観察するにはもってこいの場所で毎回様々なドラマが生まれている。
そして様々なアクシデントも起きる場所でもある。
これまでも私の目の前で何かしらが起きて、困っている方をちょっとだけお手伝いしたこともあった。
今回も起きた。
ちょっとしたアクシデントだった。
時刻は15時頃、通院する人もその時刻になると少なくなり、まばらにポツポツといる程度。
沢山の整列した待合室の椅子は固定されたものではなく、重量はかなりあるが動く2〜3人掛タイプ。
私は会計から呼ばれるのを待っていた。
斜め後に歩行器を側に置いた高齢女性が一人で座っていた。
暫くしてその女性は立ち上がり何処かに行こうと歩行器を動かしているが、少し大きなタイプの直立歩行器だった為、四方椅子に囲まれたその場所からは前にも後ろにも右にも左にも動けず立ち往生しているのが目に入った。
周りには家族らしき人もおらず私はおせっかいおばさん精神が出てしまった。
お手伝いしましょうか
と声を掛けた。
そしてすぐに私はその女性が歩行器で動きやすい様に1つ前の椅子をぐーっと押して通路を作ってみた。
椅子はなかなか動かない様になっていたが、ぐーっと押すこと4回程で30センチ程のスペースが1メートル程に広がった。
あ〜はい。
すいません。
ようやく女性は歩行器をゆっくりUターンさせて移動することが出来た。
ありがとうございました。
と、移動を終えた女性は私にお礼を言ってくれた後、誰かを待っているのか歩行器につかまったまま少し広い通路で暫く立っていた。
私は動かした椅子をもとに戻し、再び別の椅子に座り直し会計から呼ばれるのを待っていた。
すると歩行器の高齢女性と、そのご家族であろう女性とが話している様子が目に入った。
娘さんだろうか。
おそらく高齢女性は娘さんが用事を済ませる間椅子に座って待っていたが、待ちきれず歩行器で移動しようとした。
が、大きな通路とは逆の細い方へ向いて移動しようとしてしまった為、歩行器ではどちらにも行けなくなってしまったようだった。
ご家族もいて、その後は問題なく移動できていたようでほっとした。
些細な出来事だったが、ちょっぴりお手伝いが出来て心がほかほかと温かくなり嬉しくなった瞬間があった。
小さな事でも、心が望む方へ。
違和感がある時は心が望んでいないから。
読んで下さってありがとうございます
今日が素敵な1日となりますように
(マツバウンラン)