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介護日記2#71母の日常

最近の母の事。

母は今月誕生日を迎えた。
記事にしたところ、沢山の方が読んで下さったりコメントを寄せて下さった。
ありがとうございましたm(__)m

皆様ありがとうございます✨

その日ばかりはめったに会えない沢山の人達に祝って貰い興奮したのだろうよく食べ、よく飲み表情豊かだった。

実は最近、食事と水分摂取量が以前よりも減ってきている。

朝ベッド上でオムツ替えをした後、起こして車椅子に移乗。
覚醒出来ないままの時もあるが、だいたいこの時は目を開けてくれている。
更衣などは、ほとんどされるがまま。
時にはしっかり覚醒していて袖を通そうと協力してくれる時もあるのだが。
覚醒できていないのか、脱がされまいと力をぐーっと入れていることも。
きっと力が入って抵抗している様な時は目の前にいる私が娘だと認識出来ていないのだろう。
私だと認識出来なくても「力を抜いて楽にして、そぅそぅ楽にして」と耳元で話しかけるとじわりじわりと力が抜けて脇が開いてくる。そうすると移乗や更衣が無理やりではなく、やんわりと行う事が出来る。

すぐに食事の時間。
テーブルに用意した食事を食べて貰う前に温めたタオルで手と顔を拭く。
これまでも席に付いた途端、もしくは顔を拭いた途端に目が閉じてしまい夢の中へということはよくあった。
そんな時は再び車椅子を台所から居間へ居間から台所へと、くねくねと動かしているとそのうちに目が開いてくるので食べれている確率は高い。

目が開いているから大丈夫だろうとテーブルに車椅子を寄せて、スプーンでお茶やお粥などを口に運ぶ。
目をしっかりと開けて食べ続けてくれたらラッキー。
全ての用意した食事を完食してくれた時は私も嬉しくなる。

最近は、数口ごっくんしたと思ったら口の中に含んだまま、目を閉じて夢の世界へ行ってしまって帰ってきてくれないことも増えてきた。
目を閉じてしまった後の口の中の食べ物は、緩んだ口許からダラダラとこぼれ落ちるか、ゴクリと忘れた頃に飲み込めている。
今のところむせてしまう事は殆ど無い。

むせも無くそのまま肺に入ってしまうと誤嚥性肺炎になるのだろうけれど。

食べるのが一番の楽しみのはず。
出来る限りやめたく無い。

車椅子を動かす事でまた目が覚めれば良いのだが、ちょっとやそっとでは覚めないこともある。

ある時は、お茶、お粥、おかず、それぞれを4口位ゴクリゴクリと飲み込んでくれたと思ったら目が閉じてしまい、肩を揺すっても声を掛けても車椅子を動かしても口は開かなくなり食事は中断。
食事量は用意した半量も食べていない。暫く待っていたが全く反応してくれなかった。母の大好きな果物のペーストもまだ手付かずのまま。
水分量も100cc程度。

朝から5時間経過しているのにトータル200~300cc。調子が良い時、これ迄は昼食が済む頃にはトータル600cc飲めていたので半量だ。1日にすると家では1000cc以上飲めていたのだが。
本当に少なくなってしまった。
これから夏本番なのにな。


昨夜は水分も食事も殆ど残さず摂取。

しかし今朝は目を全く開けてくれない。
ゆすっても、声をかけても、車椅子を動かしてみてもダメだ。
そんな時は待つしかないのだ。
今日はどんな1日となるのだろうか。
これ迄と同じならば、だいたい30分位でパチリと目が開くのだが。
早く目が覚めますように。

とりあえず毎回食べれない、飲めない訳ではないのが救いだ。


そしてある時は目が覚めていても、私を他人と認識して呂律の回らない口で、なにやら敬語で話している。
「そうなんですね」と言っているようだ。
なんとか聞き取れた言葉達。
せっかく声が出ていても、赤ちゃんの宇宙語のように時々訳もわからない言語で話している。
言葉をはっきりくっきり話せる事も減っているがまだ理解できる言葉を話してくれることがある。

「ここはお家だよ、ゆっくりのんびりしてね」と声を掛けると遠くを見るような目になる。わかっているのか、否なのか。言葉で返ってこない事も多いけれどわかってくれていると思いたい。

自分でスプーンを口に運べていた頃が懐かしい。その頃は電子オルガンのキーを触ったり唱歌を一緒に歌ったり何かを一緒に出来る事が日常にあった。
今では生きることを日々懸命に積み重ねている。起きて、寝て、食べる。
その繰り返し。
食欲があるのがありがたい。

今の母は眠りとの共存。

在宅診療の先生が診察中全く目が覚めない母を見て、
「それにしても、穏やかに眠っておられますね」
と感心したように母の顔を覗いていた。

母にとって居心地の良い場所で有ること、そう感じてくれていれば嬉しい。

そういえば誕生会の翌日の事。
しっかりと覚醒出来ていたのだろう。
「もうすぐ看護師さんが車で迎えに来てくれるから、お風呂に入ってからまた帰ってきてね」
と耳元で話かけたらイヤイヤとする様子で首を横に振った。
「嫌なの?」
するとコクンと頷いた。
誕生日会はいつも以上に楽しかっただろうし、居心地が良かったのだろう。

やっぱり家が良いらしい。

しかし私1人で全て家で看ることはやはり無理。きっと頑張りすぎて途中でダメになるだろう。
私には必要なサービスだ。
でも母の気持ちはありがたい。
また頑張ろうと力が湧いた。


嬉しい事が。

今朝の事。

今年1輪目のハイビスカスが咲いた。
かなり遅い開花となった。
2年前の母の誕生日のプレゼントに購入した物。
それは長い入院生活を卒業し、母が家と施設を行き来するようになって初めての母の誕生日だったはず。

今年も咲いてくれた。
蕾も沢山ついている。
楽しみだ。

ハイビスカスの花の寿命は1日。
儚い花の姿は美しい。

今年のハイビスカスは
いつまで咲いてくれるのだろうか。
水やりだけは頑張ろう😆

読んで下さってありがとうございます
今日も明日も良いことがありますように(ハイビスカス)