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自分の中の仏様を探して

「心の中にある様々な妄想(迷いや苦しみ)は、
自分自身が作り出しているものです。
心の中の何が原因でそういう気持ちになったのか、自分の心の奥深くまで覗いてみれば
悩むや苦しみは自分が作り出しているものだと
気が付きます。
それを自覚することを仏といいます。
仏とは自分の本心を知ることです」

先日、ラジオの人生相談をたまたま聞いておりました。

「生きているのが辛いのです。
どうして生きていけばいいのかわからないのです」

お悩みの方はとても苦しそうです。

心理学の先生が仰います。
「その悩みの原因は何だと思いますか?」

「わかりません。仕事も続きません。
しばらく働くと、仕事を辞めてしまいます。
辞める理由も自分ではわかりません。」

聞けばそれを100回以上も繰り返してきた、とのこと。

「生きているのも辛い。」と
相談者の方は仰います。

そこで心理学の先生が仰っいました。

「あのね、あなた、ほんとに苦しみ抜いたことありますか?」

私は、これを聞いてびっくりしましたが
それと同時に「なるほどなー!」と思いました。

「辛くて辛くて、苦しくて苦しくて、
そんな気持ちを一度、それだけをずっと、
しっかり噛み締めて御覧なさいよ。
きっと、最後には前向きな気持ちに変わります。」

心理学の先生がそう仰ったら、
相談者の方も、なるほど!と仰って
相談の時間はそれで終わりました。

ちょっと強引でしたが、
相談者の方が納得されたので
解決されるといいな、と思いました。

人は、生きていると様々な苦しみに出会います。

生きているだけで必ず苦しいことに出会う、
これを仏教では「四苦八苦」といいます。

けれども、そこには必ず、心を救う道が残されています。

苦しくて苦しくて
悲しくて悲しくて、
そればかりを考え込んでいるとどんどんネガティブな気持ちになっていきます。

ですが、この気持ちは一体どこからくるのだろうか?
何が原因なんだろうか?
それを考えてみなさいよ、と
心理学の先生は「噛み締めてみなさい」という言葉で仰ったのだと思います。

ここで必ず忘れてはならないのは
自分自身の心の中以外に
苦しみや悲しみの原因、理由を探さないことです。

誰かのせいでこんな気持ちになった、
もしくは、何かの出来事があったから
こんなことになった。

それは自分の心の中のことではありません。

例えば、腹がたつのは
自分の心の中にその引っかかるコンプレックスがある時だったりしますし、
お人に理解されなくて悲しかったりするのは、
相手の気持ちがこちらを向いていない、という
想像でしかないことに気が付きます。

よくよく自分の心の中を
深く深く覗き込んでみると、
全ての物事の原因は
自分自身が作り上げているのだ、と
わかります。

四苦八苦の人生を、楽しく健やかに生きるために
必要なことは
自分自身の心の中をよくよく自覚することです。

そこでみつけた自分の本心、
そこでみつけた自分自身は
御仏以外の何者でもありません。

自分の中の仏様を探してみませんか。

どなた様も今日も笑顔でどうぞ良い一日をお過ごしください。
😊

「諸の妄念は本自無性なりと了するを諸仏と名づく
能く心を知れば是れ仏なり」
弘法大師空海

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