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[会報]N804.第三週

おれは風が好きだ。雨の匂いが季節で変わることに嬉々としているのは私だけではないかと大阪城の堀縁をほてほてと歩く。四月からの現場の近くには土がたくさんあるため濡れた路面共々風がやわらかい。前の現場では高層ビルと高速道路の谷間にて陽や風を浴びに出ていた。轟々と得体の知れぬ音と澱んだ匂いたちのそれもまた都会風で良かったけれど私は広い空の下にいたいと尚更感じています今日此頃、皆様如何お過ごしでしょう?

■iTAZRA!

お知らせしていた通りiTAZRA!のライブがありましたので感じたことを二つくらい。


1.ファンの存在

ステージから見える景色…というと大そうな言い方になるけれど、フロントマンである私からはお客さんの顔というものが良く見えるものです。先週末はライブハウスのブッキングライブ(ハコが集めたバンドたちとそのお客さんたちが集まる)ということで様々な人がいました。楽しんでる人、疑ってる人、敵意のある人、興味ない人、興味ないふりをする人、真っ直ぐに学ぼうとする人、思い出に浸る人、違うこと考えてる人などなど。

私が(ロックスター的に)メンバーより一足遅くステージにあがる時、まずは客席をぐるりと一周見渡すわけだけれど、それはどんな人がいるのかを確認しているわけで、何をしてるかと云うと好意的な人と敵意のある人を探しています。それは昔からの癖でして。

そこから「楽しんでね」だったり「ぶっ飛ばしてやる」だったりの感情に入っていくわけなんだけれど、「楽しんでね」って気持でやる方がもちろん好きです。それにしてはこの日は様々な感情の中で私の感情がすぐには定まらなく、なのでしばらく好意的な人の顔だけを見るようにしました。本当に助けられたと思っています。

そこで「ファンの方々に支えられて」という定番の台詞を実感したわけで、おかげさまで前向きに「良いお知らせができるように」バンドを頑張ろうとしています。恥ずかしげも無く言葉にすると私にとってライブは「ファンからの愛を受け取る場所」なのかもしれません。

2.友達の存在

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