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夢*夜

第一夜

こんな夢を見た

天王寺駅で乗り換えようとしている いつもなら難波からサザンに乗るのだが 今日は何故か南から環状線を登ってきたので乗り換えがずいぶ遠い 天王寺はこんな駅だったかなと思いながら自販機で切符を買う 改札では田辺行きが出発寸前だから急げとゆう ところが入り口が四通りある その入り口のひとつをくぐるとそこは乗り場ではなかった 目の前で列車は向こうのホームから出て行った 仕方がないのでいったん反対側まで行ってまた戻ってくると駅の外に出た 切符を見ると一見フツーの切符のようだが何と書いてあるかわからない 通りかかった駅員に見せるとこれは真ではない 偽ですね 上書きしてあげましょうとゆわれ それでまた改札をくぐり直すと 目の前で次の列車も出て行った


第二夜

こんな夢を見た

真夜中の診察室 緊張は夜中だからでわない 患者は天皇だからだ しかし治療はうまくゆかず 天皇は薨ってしまう どうしたものかと考えた末 自分が身代わりに…

近習達は入れ替わったことに気が付かず うまくいったはずだったが 帝には二人の中宮がいることが不安だった 妃らは帝の身体特徴を知っているに違いない ちょうど内裏は工事中であった その工事が完成に近づいたある日 私は酔い潰れ 翌朝の妃の様子は真相を知ったようだった

Bìxià !


第三夜

こんな夢を見た

海蘊になっている モズク(モヅク、学名: Nemacystus decipiens)はシオミドロ目ナガマツモ科に属する褐藻の1種である 柔らかく細長い胞子体と微小な匍匐糸状体である配偶体の間で異型世代交代を行う 日本では本州から沖縄に分布し ふつうヤツマタモクなどのホンダワラ類(褐藻綱)に着生している(名の由来の一つ) なんで水雲になったのだろう 甲虫に変身するよりもっと変じゃないか しかも宝くじを売っている それも一枚づつ 祖母の営んでいたタバコ屋の店先のガラス板に挟んで陳列している
目 を覚ました 朝目を覚ますとゆうことはいつもあることで別に変わったことではない しかし何が変なのか ある朝何か気がかりな夢から目を覚ますと ぼくは昨夜の夕食にモヅクを食べたことを思い出すのだが 今度は自分の名前がわからないのである 海の藻屑ではない 右目で見ると自分の顔がわかる ところが左の目で見ると一枚の名刺ではなく宝くじに

第四夜

光子と量子の二人の少女は見ているのか見られているのかについて話していた 眼の光が潤んでいるわ 口元の白い点は何かしら ポワンティエ技法ですねと 根来寺の仏画師Mが云った ハダリの瞳の中にみえているものやべとべとさんの口の端に見えているものなどとは違って ある対象が二つないしそれ以上の並立する意味へ分光されてしまうことからくる世界のゆらぎ どちらともつかない二つの世界 鏡や水鏡の反映 カメラオブスキュラ

 「今になる、蛇になる、
  きっとなる、笛が鳴る、」

一年も待てば



第五夜

こんな夢を見た
ホテルに着いて予定をどうしようと車に忘れ物を取りに行った間に来客があった ほむかへにまひりまひた ちょっと待ってくれ会議はどうなったのだ てすからはやひめにきりあけててすね そうだ早姫にいや速馬を頼んだのだ
「調使麻呂はおるか」
「ははっ 厩戸さま」
「此度 諸国から献上された良馬の中に駿馬がある その四脚の白い甲斐の黒駒がそうだ これを『驪駒・騶』と名付け 神馬として愛でよ」
「御意に
太子が試乗すると騶は天高く飛び上がり 垂纓の冠と黄褐色の袍 白色の袴を付けた太子と調使麿を連れて東国へ赴き 富士山を越えて信濃国まで至ると 3日を経て都へ帰還したとゆう
いやそうでわなくて 携帯のない時代である 確かめる方法はない 待つしか
だが 神馬は来なかった 天探女


第六夜

昨日の昼スパゲティを食べたからだろう きよぢくんとゴルフをしている ホールは二つしかない パターの形がいつものトンカチ 鑿と槌が行ったり来たりする 落とし穴と振り子と落とし穴と振り子と落とし穴 「hissed」「surcingle」「cessation」「crescent」「scimitar」 探していたトネリコを見つけて持ち帰り 画王を刻むことにした 大自在の妙境 題材の中に埋まっているものを鑿と槌で取り出すだけだから決して間違うわけはないと思ったものの これがなかなか簡単ではない あと何回行ったり来たりすれば良いのだろう 運慶のように


第七夜

船に乗っている はずである 落ちていく日を追懸るように西へ向かっている はずであった え 違うのかと聞いても答えはなかった そのまま寝落ちして また目が覚めた 出発便まであと何分だ タクシーっ 空港はどこだ ああ あそこにゲートと書いてある 階段をバックして 何だこの車はオートマじゃないのか 荷物はどうなってる まーいいか レンタカーの札も返さないといけないがもうどうでもいいや とにかくゲートに着いた 改札を抜ける よし まだ間に合う 切符はどこだ カウンター カウンター あれ 何便だったか忘れたじゃないか 何だっけ あのときポーカーで引いたカードだ ジャックとクイーンと あああ 何で忘れっちまうんだよ 出発まであと一年もあるのに


第八夜

四角な部屋である 二角な部屋とゆうものはない 三角なら とかく無学を磨くしかない ちょきちょき でわ二角があったとしよう それはどんな形をしているのだろうか
この数は「二」と呼ばれる とゆうように仮想の読者が夢を見ている もともとの直示定義でも もしそれが例えば「二」とゆう語を正しく用いるように読者を導くならばだ
それは真であって理となる ところが「二」とゆう語を正しく用いない可能性は残るのだ なぜならばその種類を表す表現そのものが再び誤解されるかもしれないからである
そしてその異論は懐疑的問題となって 二年が過ぎた 三はニを知っているが二は三を知らなかった これを繰り返してゆくと そこでなぞなぞは振り出しに戻れると思うか
試験に遅刻したので選択肢はうめられなかった 認識番号12-5-205はその時70ではない その日の朝に金魚がニ匹一度に死んだ ぼくが見ている間に一度も動かなかった


第九夜

臨機応変に とリヒトホーフェンが云った
四つのカリエス うち二つは深いように見えた 抜髄するかどうかしばし逡巡する 術式はいろいろあるが結局三つ直覆して充填 レッドバロンはブルーでもグリーンでもなかった でわグルーやブリーンでもないとゆうことか 古代の催眠術学にあるのよ 島岡さんはその本を持っていると云った 悔しい思いや悲しい思いをしたことがないと絶対にわからないことだ 家の中は森として 父は何処かに行った そしてどうやらまだ死んではいないようだ 術式はいろいろあったがはっきりと確かめる手立てはなかった いや ぼくはそうしなかった 何があっても口をきいてはいけなかったからだが 結局 時の輪の接するところで待つしかない


第十夜

日にちが間違っている 順番も間違っている 最後は最初につながっている 繰り上がる時点で数字は二桁になるのは何故だろう
攫われてから既に十年 次の一巡りは来年だ 夏から秋にかけて起こるはず しかし今はまだ冬だから実写版はこけるのであった
春を待つ一人の女が不意に店先に立った それはグィネヴィアの壁画を描いていたときだった 叔父のポリドリはバイロンの主治医で シェリーらと一緒にレマン湖畔のディオダディ荘に滞在していた 長く降り続く雨で閉じ込められていたから それらの話が始まった つまりゴシックロマンスである ピクチャレスクやサブライムを携えて時代の神経を逆撫でしたスーパーナチュラル 暗合はひとつの共通する名前 マリア


 完?



他人の夢の話が面白いことはないのですが これは漱石の『夢十夜』をベースにして 毎朝見た実際の夢を多少脚色し いくつかの幻想小説をパロディにしています 元ネタの分かるシトは居るかな^^

十とゆうのはプラスとも読める しかしこれが plus 算でわなく クリプキのゆう quus 算だとどうなるか p と q の違いは何かとゆう記号 * に置き換わっているのです


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