過去と未来、そして今。

はじめに

歌詞について考えていきます。

あくまで個人的な所感なので、僕の独り言だと思ってください。


歌詞考察

君は何か夢とかあるのかい? いつかやりたいなって思うこと
だって生きてく理由はあるだろ? 明日はこうしたいなんて願望が・・・
だから眠るんだ 人は皆 嫌なこと忘れるため
今日という日を乗り越えちまえば どうにかなると言い聞かせて・・・

ここでの「夢」は眠る時に見る"夢"と希望の"夢"の2つの意味があると考えました。
誰でも叶えたい夢や目標がある。あるいは寝ている最中に成功する夢を見る。
だからどんなに嫌なことがあってもそれを忘れるために眠るし、眠ることによってリセットされる。夢を叶えるためには眠ることが必要であるとさえ感じました。


こんな夜遅く コンビニのレンジで
弁当温め どんな奇跡待ってるの?
君はきっと分かってるだろ? いつの間にか諦めてること
だけど 気づかないふりをして・・・

それなのに夜遅くまで寝ないでコンビニに行って、レンジで弁当温めることに何の意味があるのか。それは夢を諦めた人の行為だと。


Start over! Start over!
もう一度だけ やり直そうなんて思うなら
今しかない 後にはない
逃げてる今の自分 目を覚ませ!

ここで取り上げたいのは最後の「目を覚ませ!」。
もし「夢」に先に挙げた2つの意味があるのだとしたら、希望の夢を叶えるためには諦めていることに慣れている、諦めている自分から目を逸らしている自らを変えろという"目を覚ませ"という意味にもとれるし、睡眠中に見た成功する夢を現実にするために"目を覚ませ"という意味にもとれる。



ガラス窓に映った現実に
心は背中向けたくなるけど
自動ドアを出た瞬間 別人にもなれる
大事なのは どこからやり直すか?
そりゃ諦めかけた数秒前

コンビニを出る際にガラスの自動ドアに映った夢を諦めた自分の姿から目をつぶりたくなるけど、自動ドアを出た瞬間に別人になれる。全ては自分次第ということである。


それじゃ僕は一体何なんだ? 誰かのこととやかく言えるのか?
知らず知らず 自分は安全地帯で 評論家みたいに上から目線
どこをどうすれば ぬるま湯の環境を抜け出せる?
どうせだったら失敗したって 当事者でありたいのに・・・

1番は「君」に対しての「僕」の言葉である。
それに対して2番は「僕」の自問自答になる。
1番で「君」に対して散々叱咤激励をしたが、それじゃあ「僕」はどうなんだと考えたときに、「僕」自身も何かを諦めて、前に進もうとせず、安全なところから色々言って、訴えて、自分自身変わらなきゃとは思っていてもなかなか踏み出せない、そんな「僕」である。


防犯カメラに守られることより
誰も見ていない自由が欲しいだけ
何を犠牲にできるんだろう 代償なしは虫がいいね
だから 他人の目気にすんな

誰かの目があるから誰かが支えてくれているから、その目にその人に守られている安心感がある。その安心感があるから自由に生きられていると思いがちだが、その監視の対象には自分も含まれていて、自由は限られている。
何を得るには必ず何か犠牲になってしまう。
それなら安心感なんか捨てて、生きたいように生きればいいのだ。

それをパフォーマンスで自ら体現したセンターの藤吉夏鈴ちゃんはツアーの千秋楽の最後に、涙ながらに「『Start over!』という楽曲の中で、力強く、自由に生きることが出来て…すごく幸せでした。ありがとうございました」と言っていましたね。
楽曲に感化され、それを自分の中に憑依させ、メンバーとともに体現して、幸せでした。と涙できるなんて、夏鈴ちゃんやっぱ良いですよね。


Make it zero! Make it zero!
今日までずっと持ってたものなんてどうでもいい
見栄張るな カッコつけるな
冷めたら二束三文のプライド
風に吹かれ メッキが剥がれても
あそこのあいつほどは馬鹿じゃない
僕の方が少しはマシだって言い張って
君に向かって 全否定してやりたい
結局 同じ穴の狢

Make it zero 「ゼロにする」
これまでの栄光や地位なんて関係ないし、そんなのは時が経てば価値はなくなる。
時代が変わって流行が変わって世間の価値観が変わって、過去の自分に頼ったままの「僕」が「君」を全否定しても結局は同じ穴の狢、つまり似た者同士であると。
「君」を否定して、変わってほしいなら「僕」もゼロからやり直す必要があるんだと。



“今さら”はダメかい? 遅すぎるのかい?
やり直せるなら 何だってできるだろう?
君は僕の過去みたいだな 僕は君の未来になるよ
どうせ自己嫌悪の塊

何かを諦めている「君」は「僕」の過去みたいだ。つまり「僕」は決心した。変わると。やり直すと。そして「君」の見本になると。「君」の道しるべになると。どうせどんな人生を送ろうと後悔して自分が嫌いになるときは必ずあるのだから、何も恐れず誰の目も気にせずにやり直すと。


Start over! Start over!
もう一度だけ やり直そうなんて思うなら
今しかない 後にはない
逃げてる今の自分 目を覚ませ!
ガラス窓に映った現実に
心は背中向けたくなるけど
自動ドアを出た瞬間 別人にもなれる
大事なのは どこからやり直すか?
そりゃ諦めかけた数秒前

この歌詞は1番サビと全く同じ。
しかし1番では「君」を奮い立たせるような歌詞だったが、ラスサビではやり直すと決心した「僕」を奮い立たせるための歌詞のように感じる。
ツアーの千秋楽での初パフォーマンスで、僕の記憶が正しかったら、1番では夏鈴ちゃんは他のメンバーとは離れたところで、他のメンバーの方を向いて激しく踊っていたが、ラスサビは自ら心臓の一部となって激しくパフォーマンスしていた。
ここからも同じ歌詞でも奮い立たせている対象が違うように感じられる。



「君」と「僕」

じゃあ結局「君」と「僕」って誰なのか。

「僕」= 櫻坂46
「君」= 我々

で櫻坂に叱咤激励されてる気もしますが、その場合も「僕」である櫻坂は2番で自問自答して変わらなければならないと決心するということになります。



そして櫻坂46の中で考えると、

「君」= 過去
「僕」= 未来
だと思っています。

ここでいう"過去"とは『Start over!』以前のすべての過去です。

実際、『Start over!』のMVにはグループの過去を想起させるようなシーンが散りばめられています。『黒い羊』や『エキセントリック』、『アンビバレント』『BAN』『なぜ 恋をしてこなかったんだろう?』『流れ弾』などなど…。

それら全てです。これらすべてを変えるんです。
やり直すんです。

MVで過去を想起させるシーンを散りばめて、歌詞では過去を見直しやり直す未来を歌う。

そんな歌のように感じました。



最後に

「過去と未来繋ぐ今をどう生きるか?」

キャプテンのまつりちゃんをはじめ、各メンバーが「櫻坂は今年、勝負の年」と言っていて、その本気度が伝わる今回の楽曲。

輝かしい未来を迎えるためにも"今"を全力で活動していく櫻坂46をこれからも応援していこうと思います。

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