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不完全

紅組、白組
1年1組、1年2組
満点、赤点
高学歴、低学歴
高身長、低身長
イケメン、ブサイク

生まれてから、いろいろなラベルを貼り続けられ、いつしか貼られるラベルが自分の価値で、そのラベルが高級なほど自分に価値があるのだと思いこんできた。

将来何が起こるのかはわからない。だけど、なんとなくこんな人生を歩むのだろう、このレールの内側で生きていくのだろう。そんな漠然とした未来への道筋だけは、小さいながらに自覚していた気がする。

ちゃんとしてきた。
自分なりに。
ラベルを大事に。
真面目に。
レールから外れないように。

だけど、外れてしまった。

社会不適応
うつ病
甘え

それが僕に新しく与えられたラベルだった。

そのラベルを通して、遠慮なく向けられる軽蔑した目線や、海が蒸発したように周囲から引いていく人の波。突然鳴らなくなる携帯電話。

圧倒的な孤独が、そこにはあった。

誰にだってあるだろう。そんなこと。今ならわかる。だけど、それでも、そのラベルの毒素が無力化できるほど、この社会は優しくは無い。

受け止めてくれる人もいる。理解を示してくれる人もいる。

少しでも、自分が心を通わせられそうと、仲良くなったつもりになって、近づきすぎて、相手を不快にさせては、また人がいなくなる。

その度に、哀しくなる。死にたくなる。
心なんて通わせることなぞできないのに。
期待したって無駄なのに。
そんなことわかっていたというのに。

あぁ、もっとまともに生まれたら、生きてこれたら、こんなに孤独じゃなかったんだろうか。そんな碌でもないことを考えてしまう。

過去を振り返れば、もともと正気なんかじゃなかったのかもしれない。色々な人達に迷惑を掛け、傷つけあい、そして自分だけが弱いからこんなことになったのだ。他の人はなんとかそれらを乗り越えて、まともに生きられているのに。

なんて具合に、どんどん心が歪み、自分の顔がどんどん醜くなっていく。

鏡をぶち壊して、その中に僕の心を閉じ込めて。
そして、見知らぬ誰かがその鏡を叩き割って。

この世界から、僕を、どうにか、解放して。

そんなことを、祈る日が、今もまだある。

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