-21day 4/16 映画「重力ピエロ」

"春が、二階から落ちてきた。"


小日向文世さん繋がりで、重力ピエロが観たくなってしまった。

もう5回以上は観た映画だ。

伊坂幸太郎さん原作の映画の中で最高傑作だと思っている。次点は「フィッシュストーリー」。


伊坂幸太郎さんの描く女性は、いつだって凛として漢らしい。そして、潔い。

この映画に出てくる女性は、主に2人しか居ないが、主人公の母親はまさにその伊坂モデルの筆頭にあがる女性だろう。


この作品は、暗い過去を乗り越えようとする家族の絆を描いた傑作であるが、その随所で、人間の脆さと強さが表裏一体である事を表現している。

定職に就かずふらふらしている美形の弟を心配する、高学歴で緻密な計算が得意な兄。

大きな優しさと、毅然とした態度で世間から家族を守ってきた父親。

そして、誰もに太陽のような印象を植え付けて、儚く消えてしまう母親。


幸せとは何だろう、家族とは何だろう、

人間が迷った時に相談する神様が、この映画には出てくる。

その神様は大きな声で「○○○!」と言うんだ。

私たちも、大事な場面に向き合ったとき、神様に話しかけたことはないだろうか?

その時きっと、同じ事を言われているはずた。聞こえたり、聞こえなかったりするかもしれないが、神様の答えは、きっとひとつである。


この映画を観るたびにしみじみ思うのは、

「生みの親より育ての親」の方が大切だなという事。


親と上司は選べない


良い意味で使われる事があまりない言葉だが、私はこれをポリシーにしている。

「だから、それ以外は選んで生きろ」という戒めもあるし、

「親が人格的に優れていたら、最高に幸せだ」という意味にも取れる。

(正直、上司は選べばいいと思っている。この転職時代に、変な上司の下で疲弊するのは時間の無駄である)


だから、血とか遺伝子とか先天的な繋がりよりも、教育や習慣といった後天的な環境の方がずっと人格形成に影響すると思っている。


結果的に、兄弟が同じ選択をしたというのも、それを表しているのではないだろうか。


絵的な美しさでいっても、最後のワンシーンまで1秒も無駄なく、やはり最高の映画であると思った。



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