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環境省からでた2019年度の猫の殺処分データを見て、、

環境省のデータによると2019年4月から2020年3月31日の1年間の間に、保健所や愛護センターに持ち込まれた猫の頭数は53342匹。

そのうち殺処分数は27108匹。持ち込まれた猫の半数が殺処分されたことになります。


飼い主からの持ち込みは10403匹(約20%)。そのうち幼齢猫(乳飲子)は約33%。

所有者不明の猫の持ち込みは42939匹(約80%)で、そのうち幼齢猫は75%です。

殺処分された猫のうち18176匹(約67%)は幼齢猫でした。
殺処分数の中には、引取後すぐに亡くなってしまった頭数も含まれていますが、その頭数は5889匹です。持ち込まれた猫の11%が引取後すぐに亡くなっているということになります。

10478匹は譲渡するには不適切な病気や感染症にかかっていたため殺処分されました。

残りの10741匹は飼い猫として譲渡に適していたが譲渡先がないため殺処分されています。

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譲渡に適切でないと判断される猫とは?


譲渡に不適切と判断される基準は何かというと下記の理由です。

譲渡することが適切ではない(治癒の見込みがない病気や攻撃性がある等)
(定義) 希望者又は愛護団体等に譲渡することが、動物愛護管理法第1条及び第2条の趣旨に照らして適切ではない又は譲り受けた者が同法第7条第1項の責務を果たすことが極めて困難と自治体の獣医師が判断したため、
殺処分を行った動物 (例示)

○負傷や病気等による苦痛が著しく、治療の継続又は保管が動愛法第2条の趣旨に反す ると判断される動物 ・具体例:治癒の見込みが無い、負傷、重篤な病気又は重度の認知症の動物

○狂犬病予防法第9条、第 14 条、第 18 条の2に基づいて取り得る殺処分 ○動物衛生又は公衆衛生上問題となる感染症等に罹患し、他の動物又は人への蔓延等を
防止するために殺処分が必要な動物 ・具体例:パルボウイルス感染症、猫白血病又は猫後天性免疫不全症候群等の感染症に罹患している動物 

○重篤な病気、著しい障害等があり、譲渡が適切でないと判断される動物
・具体例:毛包虫症による皮膚炎等難治性の重篤な疾病、著しい奇形 ○収容中及び譲渡後に人や他の動物に危害を及ぼす恐れが高い動物
・具体例:飼い主等を再々咬んだ履歴を持つなど攻撃性のある動物 ○闘犬として使用又は訓練された犬で、人や他の動物に重大な危害を及ぼす恐れがある動物

つまり、猫でいうと、病気や大怪我をしていて治る見込みないなと思われる子、感染症(パルボ・猫エイズ・猫白血病)にかかっている子。奇形や皮膚炎、人馴れしていない凶暴な子。は譲渡対象でないと判断されてしまうのです。

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譲渡に適切でない子なんていない!


譲渡に不適切と言われている猫には、猫エイズや猫白血病のキャリアなだけで病気を発症しておらず健康で人馴れしている猫も含まれています。

ネコリパブリックの譲渡活動の中で、実は、猫エイズウィルスキャリア(りんご猫)も、白血病キャリア(レモン猫)も、譲渡実績があるんです。

更に、病気の子も、大怪我している子も、下半身不随の子も、保健所からなんとか引き出し、ケアをし譲渡につなげています。

諦めなければ、どんな子も、ずっとの家族を見つけることができるのです。

そう!!!譲渡に不適切な猫はほとんどいないのです!!!

ということは、、、、
譲渡不適切と判断され殺処分された10478匹も、

譲渡先がなくて殺処分された10741匹も

全部引き出すことができたら、救うことができた命だったと言えます。

じゃあ、全部引き出せばいいのか?

全部引き出す・・・
でも、これが簡単なことではないのです。27108匹の収容施設を作ることは一箇所では不可能です。分散をし、分担が必要となります。いまの日本でそれを一気に担える組織はまだないのです。

また、引き出すと同時に、持ち込み自体を少なくする必要もあります。

殺処分数ゼロを目指すには

まず、所有者不明の猫の持ち込みを減らすためには、野良猫たちの不妊手術の徹底が必須となります。殺されてくるためだけに生まれてくる命の連鎖をたちきるたった一つの方法は、やはりTNR活動で、不妊手術を行い地域で見守り管理をする地域猫活動が有効です。

次に、飼い主からの持ち込みをなくすには、飼い主のリテラシーの向上が必要です。終生飼育、不妊手術、完全室内飼育が、キャットオーナーの最低限のマナーとなり、徹底されることが大切です。


持ち込まれ殺処分されるためだけに生まれてくる命をなくす。

無責任な飼い主をなくす。

そして持ち込まれてしまった猫たちを全頭譲渡できる仕組みを作る、

蛇口を締めて受け皿を作り出口を作る。

3つの作業を同時に行うことが猫の殺処分ゼロの大切な要素なのです。

そのために、ネコリパブリックは、ふるさと納税を活用した大規模プロジェクトを立ち上げることにしたのです。
まずは岐阜県飛騨市に、2020年4月からシェルター、ホスピス、不妊手術病院を作り、この蛇口を締めて、受け皿を作り、出口を作る事業を行っていきます。​



これを皮切りに、日本全国の自治体と組んで、この活動を広げていきたいと心から思っています。

参考データ
犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html


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