見出し画像

衝撃的な告白をされて戸惑った話

ねずピカです。
私が勤めてる会社では15~30分ほど「雑談タイム」が設けられてます。
その時間は仕事の話は全くせず、雑談のみします。
今日の夜ご飯とか最近ハマってるアニメとか、ほんとに他愛もない雑談をします。

そんな雑談タイムで突然、私は後輩から衝撃的な告白をされます。

「あの…私…」



「実は…」



「本が読めません!」

あまりにも突然だったため、目が点になりました。
しかし冷静になって考えてみて、「本が読めない」ってどういうことやと思い、頭の中で仮説を立てていろいろ質問してみることに。

原因を探るため質問してみた

その1 時間がない

 ワイ「た、確かに忙しいと本も読めないからね〜」
後輩「そうなんですよ!だから土日にカフェで読むようにしてるんですけど…」
ワイ「(やることは一丁前だな…)」

どうやら本を読むための時間をとってる模様。
ただ普段本を読まない人にとって、本1冊は高く感じてしまうというのを小耳に挟んでいたので次の質問へ。

その2 金がない

ワイ「で、でも本って意外と高いもんね〜」
後輩「先輩何言ってんすか!読書は将来の自分に対する投資ですよ!リターンを考えたら安いもんですよ!ダメですよ〜そんな考えは。」
ワイ「(なんでワイが説教されるんや…)」

その3 難しい本を読んでいる

私は読書が好きなのですが、世の中には読書好きに対して嫌悪感を抱く人がまあまあいます。観察する限り、頭が良さそうってことに対して癪に障るっぽいです。トラブルの元になりかねないので、私は会社で読書好きをあまりアピールしないようしてます。(どうしても趣味を話せって言われたら話すレベル)なので、本を読まない人になりすまして質問することに。

ワイ「き、きっと後輩ちゃんがすごく高度で難しい本を読んでるからだよ。後輩ちゃん、頭いいもんね〜」
後輩「でしょ!(ドヤ顔)」
ワイ「(社交辞令って言葉しらねぇのか…)(#^ω^)ピキピキ」
ワイ「何を読もうとしてるの〜?」
後輩「ゼロ秒思考です!」

ゼロ秒思考とは正式名称『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』のことであり、まあビジネスマンに売れてる本のこと。
いわゆるビジネス本の類です。

しかしこのビジネス本の類、一度本屋さんでパラパラと立ち読みしてみてください。

文字がでかい!

どれくらい文字が大きいかと言いますと、小学校低学年の国語の教科書くらい。
おまけに図説とかも載ってるし、ご丁寧なものになるとカラー印刷されていたり「第1章のまとめ〜」みたいなのが各章入っていたりと、ホントに本が読めない人に配慮しまくった作りです。

そんな配慮されまくった本を彼女は読めないと言ったのです。
ただただ純粋に本が読めなかったんです。
結局後輩の彼女は、わかりやすく噛み砕かれたビジネス書を読むことに挫折し、さらにそれを噛み砕かれたYouTube動画をみて理解した(気になった)ようです。

社会人になって「本が読めない人」が一定数いることを最近知りました。(むしろ多数派?)
ではなんで読めないのか考察してみることに。

なぜ読めないのか考察してみた

その1 語彙力がない

語彙力がないのはボディーブローのようにじわじわと効いてきます。
意味がわからない・読めない言葉は無意識に飛ばして読みます。その数が多ければ多いほど穴だらけになっていき、文章が文章として機能しなくなってきます。
そんなの状態では読めないのも当然です。

じゃあ語彙力つけるにはどうすればええねんって話ですが、本を読むしかないです。
語彙力がない→本が読めない→語彙力がつかない→本が読めない、といった無限ループになりそうですが、その無限ループに風穴を開けることが出来るものの一つに漢字があります。

クイズ番組に出るような難読漢字ではありません。常用漢字です。
漢検でいうところの2級レベル。高校生レベルです。

PC・スマホ変換に慣れきってるからこそ、漢字は鍛えがいのあるものです。
意外と「あれこれどんな意味だっけ」とか知らないものも多数あるので、勉強してみるとグンと語彙力はつくと思います。

その2 そもそもの習慣がない

普段できない人がやったらそりゃーできません。
習慣をつけるためには「1冊読み終えた」と達成感の積み重ねを行う必要があります。
じゃあ普段できない読書の達成感の積み重ねはどうすればいいかと言いますと、戻るしかありません。
一般書が読めない場合、対象年齢が高校生くらいの本を読む。それでもダメだったら対象年齢が中学生くらいの本を読む。それでもダメだったら小学生用の本を読む。それでもダメだったら…と、どんどん遡ります。
そしてクリアすれば一つ上のステップへ登る、ダメだったら戻るの繰り返し。
例えば、小学生向けの本まで遡って読めるようになれば次は中学生向け、それもクリアできれば高校生向けと。

「えーめんどくさいー」

そんな声が聞こえます。
でも私から一言、言わせてください。

「幼少期に培わなかったツケだろうが!甘えるなよ!!!!」

子供のころサボってたものを大人になって挽回するにはかなり苦労します。
それを肝に命じておければと。

その3 忘れることに対して恐怖じみた感情を持っている

なんども同じところをぐるぐる読んじゃうって人がいるんですが、潜在的に「せっかく本を読んでるんだから、一言一句取りこぼさないようにしなきゃ」と思考が働いてるのかな、と私は思います。
しかし人間は忘れる生き物ですから、それは当然です。
忘れたら読み直せばいいだけですから。

最初のうちは本を読んで、頭の片隅に残るようなフレーズが一つ見つかれば十分です。慣れてくれば、それが2つ3つと増えていくので。

番外編 学びに価値を感じてない

このパターンの人は救えないので、私は相手にしてません。
ただ、現代社会の闇みたいなものを感じるのでご紹介します。
(下記は意識高い系中島さんより)

サラリーマンの方なら共感してくれるかもしれませんが、「社会人の理想の休日」みたいなことを言う人が結構いるんですよ。
じゃあその理想の休日ってなんやねんって話ですが、一言でまとめると朝から晩までお外で遊ぶんです。夏休みの小学生みたいに。
遊びの内容もフェスだったりボルダリングだったりディズニーだったりと、読書の「ど」の字も入らないくらい外出でぎっちりと予定を詰めます。

もちろん、外で遊ぶことは悪いことではありません。
私も休日はジムに行って汗を流したりします。

しかし「社会人の理想の休日」を極端に信奉し謳歌する界隈は、勉強や読書をすることに何かと「理由」が必要らしいです。
例えば、昇給に関わるとか資格試験を受けるとか。
そして、ただ単に知識を得るために勉強する行為は、奇人変人の扱いをします。

ここで、予備校講師の松田聡平さんの「勉強は違法行為」という小話を紹介します。

勉強することは良いことですか?「いや、良いことだってことくらい分かってるけど、どうしても好きになれなくて困っているんじゃないか!」と高校生の皆さんは言うかもしれません。

そんなみなさんに衝撃的であろうことを一つ言っておきます。”大人”になると「勉強することは」悪いことになってしまいます。例えば、松田が世界史の勉強とかしていると、「えーなんでそんなことしてるんですかあ?笑」などと茶々を入れてくる人たちが必ず現れるのです。「いや普通に、勉強しようと思って・・・」なんて答えようものなら、「なんか試験でも受けるんですか?」んて言葉が続くって始末なんです。

大人になってから、勉強するには、どうやら「理由」が必要となるようです。正当な理由がなければ、「黙って仕事に専念してろ」ってことになるわけです。(中略)まあ、違法行為のように、後から責め立てられるわけですが、別にたいして気にもかけないようになりました。

『松田の数学Ⅰ・A/Ⅱ・B典型問題Type100』
P160より引用

気にしなければいいじゃんと思うかもしれませんが、これから学び直ししようかなと思う人にとって、この勉強=違法行為とみる連中はすごい足枷になるんですよ。
どうしたもんかね〜

最後に

親兄弟も本を読むし、幼い頃から本に囲まれて育った私からすれば、後輩の告白は衝撃的でした。
人それぞれだと言うかもしれませんが、この分断というべきか溝というべきか、大きな隔たりは問題なんじゃないかなと思う今日この頃です。

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートは今後のnoteの活動費に使わせていただきます!