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借金トレーダーKEN 第1話



「なんでFXなんて始めてしまったんだろうな…」

俺はそう下がり続ける、チャートを見ながら言葉を吐いた。


俺の名前は高橋健太
東京都足立区出身の30歳。
都内の工業高校を卒業した後フリーターとしてダラダラと働いた後、蒲田のキャバクラのボーイとして働いていた。
若い時は自分自身イケイケで俗に言う「陽キャ」と言うやつだったと思う。
可愛い彼女もいたしセフレなんかもいた。
働いてるキャバクラで初めて嬢に手を出した時は店のオーナーにバレてそのまま逃げるように錦糸町に席を移した。

子供の頃思った30歳の自分は一戸建てを買って子供がいて田中みな実みたいな嫁を持っている予定だった。

でも実際は、都内の端っこのアパートで現在は一人暮らし。仕事は4年前に辞めてそこから転落人生。

こんな俺でも4年前には仮想通貨バブルがあってリップルとかいう通貨で3000万円の資産があったんだ。

俺は当時働いていたキャバクラのボーイでよく店に来ていた髭が長い白髪混じりのおじいさん、通称(髭ジイ)にとても好かれていた。

恐らく俺が女の子をアフターに斡旋していたし、店では身体を張って髭ジイが飲めないテキーラを一気に飲んでいたからだろう。

学歴も大した事ないノリだけが取り柄の俺は髭ジィに言われるがまま開設して仮想通貨のリップルというやつを全力で買っていた。当時はまだ10円に満たなかった。

人生初めての投資、よくわからないが
20歳の時に買った軽自動車も、酒を飲むからいらないし地元の後輩に売りつけて自分の貯金と併せて100万円分を買ってみた。


何も知らなかった俺は髭ジイの話す難しい言葉がキラキラして見えた。

国際送金
ブロックチェーン
ポートフォリオ

どれも20代半ばの学がない俺にはキラキラして見えた。学校で勉強もほとんどした事なかった俺だけど髭ジイみたいになれるならとそこから合間の時間に本を読んだして投資の勉強をはじめていた。

勉強が嫌いだった俺からすると、驚くくらい勉強には身が入った。

お金を稼ぐ事が好きだからなのか
学校の勉強とは違って本を読むのが好きになった。

そこから経営、自己啓発など、とにかく本を読み、意識高い系の男に変化していった。

「自分はこんな店で働いてるような人間じゃない…」

いつしか周りで働く人間を見下すようになっていった。

こいつらは酒を飲んでワイワイすることしか脳がない…俺は違うんだ。

俺は…投資で…億を稼ぐ男になるんだ…。

健太は営業終わりの帰り道一人呟いた。


2話に続く

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