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【酒好きニートの酒ノート】#4 お寿司屋さんのおつまみは二度おいしい


温泉然り、朝4時に飲む蜆のお味噌汁然り、
日本人で良かったなと思う瞬間は多々あれど、
ダントツで「クゥ~~!最高~!」と思うのは
めちゃくちゃ美味しいお寿司を食べた時かなと
最近思うようになりました。

元々魚介類が大好きで、お刺身はもちろんのこと
煮魚、焼き魚、炊き込みご飯、アクアパッツァなどなど、
とにかく魚介類の料理に目が無い私なのですが、
最近知人の紹介で素敵なお寿司屋さんとの出会いがあり
そこでいただくお魚の美味しさに夢中になってしまっています。


そこのお寿司屋さんは、とりあえず魚が美味しい。

「寿司屋なら魚が美味いのは当たり前だろう?」
と思われるかもしれませんが、
世の中意外とそうでもないのです。

私自身の食の経験が戸細いということを抜きにしても、
そこのお魚は何を食べても
「美味しい!」と声に出してしまう程。

中でもお気に入りは本鮪

漬けは毎回お願いして用意してもらうのですが、
通常の漬けと、塩と柚子の振られた漬けを食べ比べては
「どっちが美味い?いや、どっちもだ!」
なんて話をしています。
みんなに食べてほしいけど秘密にしたい、と
わがままな気持ちになってしまう絶品です。


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とある先日、普段と趣向を変え、ボトルで降ろした竹鶴を
贅沢にハイボールで飲みながら雑談に花を咲かせていた時。

毎回予約の際に指名させていただく板前さんに
「ちょっとしたおつまみ、お出ししましょうか?」
と気を利かせていただいて待つこと数分。

お寿司屋さんの「ちょっとした」とは
何のことを言ってるんだ?という贅沢なおつまみが出てきました。


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右から白魚の梅肉のせ、大トロの炙り、鯵のなめろう。

普段から「青魚が好き」「鮪は赤身も良いけどトロも好き」と
我々が話をしているのを聞いている板前さんだからこそ。

見た目や味は食事が楽しくなる大切な要因だと思いますが、
何より美味しく感じることができたのは板前さんの心意気でした。


「よくお酒を飲まれる方なので、味付けも少し強めにしました。」
とはにかむ板前さん。

その気遣いというか、人情に嬉しくなってしまい、
「板前さん~~~好きだ~~~……」
と内心とても感動してしまい、しばらく無言になってしまった私。

私の表情を見て、一緒に行った方は
ふわっと笑いお酒を口に運ぶ。

板前さんも「良かったです。」とだけ言うと
また真剣な顔をして作業に戻る。

その時、その味、その空間に
「あぁ美味しいな。」
と強く思ったのは言うまでもありません。


お寿司屋さんに感じがちな堅苦しい敷居の高さや、
静かにしなきゃ…と緊張する雰囲気もなく、
板前さんはにこやかに好みを聞いてくれて、
私たちも「こぶ締めありますか?ある?やったー!!」
なんて言いながら楽しくお魚を食べることができる。

当たり前のようで、最近は当たり前じゃなくなった
飲食店と顧客のありのままの姿
このお寿司屋さんにはあるように思えた瞬間でした。


店主のおまかせコースしかないお店で
高級食材やこだわった調理法で出される食事も
非日常を楽しめる良い環境だとは思いますが、
私は町のボロくさい中華屋さんで500円のラーメンを食べながら
「お嬢ちゃん競馬はやるか?あの馬はなぁ…」
なんてテレビを見る店主のおじさんに絡まれるほうが楽しく感じるし、
無言の店主が炭火の前で険しい顔をして焼く
職人技の焼き鳥も美味しかったけれど、
友達に真冬の河川敷へ呼び出され
「なんでこの時期に川で花火なんだよ!」
と悪態付きながら食べるコンビニの焼き鳥のほうが
美味しかった記憶として深く覚えています。


高級店だから美味しい

それは当たり前のことじゃない。
町の小さな定食屋さんの焼肉定食が
この世で一番美味しく感じることもある。

そんな時の思い出を作っていけるようにしたいよね。



竹鶴ハイボールとお寿司屋さんのおつまみの話。

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