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しゅわっとする日々 女王との対話

◆NEFNEに関わる人たちによる自由連載《汽水域の人々》
雑貨屋&フリースペースのお店「NEFNE」で交わるひとびと。多様な執筆陣がリカバリーストーリーをはじめ、エッセイ、コラム、小説など好きなように書いています。


こんにちは、松竹梅です。よろしくおねがいします。

昨晩もなかなか寝付けなかったので、ふとんの中で空想しました。

空想の中で私は、とある南の島の女王に謁見しました。

ふくよかで気品のある女王は私に言いました。
「遠くからようこそお越しくださいました。さぞお疲れでしょう。」

「お招きいただき光栄です。お気遣いありがとうございます。それで、ご用というのはどのようなことでしょうか。」

「ええ、実は私たち島民は深刻な問題を抱えております。はっきり申しますと、皆、太りすぎているのです。その問題を解決していただくために松竹梅さんをお呼びいたしました。」

「そうでしたか。それはお困りでしょう。私は肥満治療の専門家ではないのですが、微力ながらお力添えさせていただきます。」

「ありがとうございます。とても心強く思います。それで、どのようにすればよろしいと思いますか?」

「そうですね、ダイエットにはふたつの方法があります。運動することと食事に気をつけることです。まずは、運動されてみてはいかがですか?手近なところでは、散歩などされてはいかがでしょうか。」

「それが、私たちの島は日差しがとても強く、日中出歩くのが難しいのです。」

「では、日が暮れてから散歩されてはいかがですか?」

「それが、恥ずかしい話なのですが、この島は治安が悪く、夜外に出るのは危険なのです。」

「そうですか、では、日傘を差して出かけるのはどうですか?」

「まあ、日傘ですか。それは考え及びませんでした。ですが、女性はよろしいのですが、男性が日傘を使うのは変ではありませんか?」

「そんなことないですよ。日本には日傘を差している男性もいます。まずは王族の男性の方が率先して日傘を使われてはいかがでしょうか。そうすれば島民の方にも広まると思いますよ。」

「なるほど、検討いたします。」

「次に食事について考えてまいりましょう。この島のみなさまは、どのようなものを召し上がっていらっしゃるのですか?」

「ええ、島民は皆、脂身が多い肉が大好きなんですよ。」

「そうですか。では、そのお食事に、お米のご飯をプラスしてみてはいかがですか?ご飯は腹持ちがいいので間食を減らせると思います。」

「お米のご飯。ええ、聞いたことがあります。それはどのようなものでしょうか。」

「今、偶然炊きたてのご飯を持っておりますので、ぜひ一口味をみてください。」

「ではいただきます。…まあ、とても上品な甘味ですわ。気に入りました。ですが、もう少しパンチが欲しいところです。」

「それでしたら、こちらをお使いください。これはふりかけといいます。私はいつもこれを持ち歩いてるんですよ。ご飯に振りかけるとおいしいんです。
こちらがのりたま。材料に卵を使ったふりかけです。とても人気があります。
真ん中のこれがわさびふりかけ。お気をつけください。これはかなり辛いのです。
そして、これはゆかりです。梅というフルーツの風味がして食が進みますよ。
どうぞお試しください。」

「ええ、ではさっそく。…まあ!美味ですこと!のりたまの甘味、わさびふりかけのつんと来る辛さ、そしてゆかりの香り、見事です!」

「喜んでいただき光栄です。ですが、くれぐれもバランスのとれたお食事を心がけてくださいね。」

「松竹梅さん、あなたをお呼びしたのは正解だったようです。お礼がしたいのですが、何か希望はありますか?」

「では、またこの島に遊びに来たいのですが、よろしいでしょうか。」

「ええ、いつでも歓迎いたします。」

ここまで空想してだいぶ眠くなりました。

そして、眠りにおちる瞬間、大事なことを言い忘れたことに気づきました。

女王様、余ったご飯はぞうすいにするとおいしいですよ。

おいしいね。あったまろ。

ちょっとぞうすいはヒガシマル。


【今回の執筆担当者】
松竹梅/好きな食べ物は麺類と鍋もの、好きなチューハイはキリン本搾りレモン。幸せになりたいです。

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