全能の逆説について思うこと

その概要については割愛するが、逆説を証明するには全能者が嘘をつかないという前提が必要なのではないか。

僕自身もこの言葉を知る以前から、「全知・全能の神」の全知や全能の整合性について個人的興味でたまに思考実験をしていたりするのだけれど、逆説を唱えているもののほとんどが実際に証明するために一番大事な要素が欠けているのではないかと思った。
それは、全能者も嘘をつくことができるということだ。全能者なら嘘もつけて当然である。

「全能者が持ち上げることのできない石を作れるか」という命題で例えると、全能者が本当に持ち上げられない重さにしたのかどうかはどう証明するのか、また本当に持ち上げられないのかどうか、この2つはどう証明するのかという問題が残る。

全能者以外には持ち上げられる人がいないだけの重い石であれば、全能者自身しか持ち上げられるかどうかの判断は不可能だし、全能者は自身がギリギリ持ち上げられる重さにしておけば、他の人には持ち上げられないけど、自分には持ち上げられるということにできるし、持ち上げられないと嘘をつくこともできる。

逆説というもの自体、本来嘘をつかれることを想定しないものかもしれないけれど、少なくとも本人にしか判断できないことを証明するのは不可能なのではないだろうか。

まあ、あれこれ考えてみるのが楽しいのだから、それだけで充分ではあるのだけれど(笑)

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